更新日: 2020.08.21 14:27
ニッサン陣営内、富士で見えたわずかな光と解決すべき課題「混戦の中での再加速の動力性能」
そんな平峰を後押しするべきなのはマシンのポテンシャルだが、現在ニッサンGT-Rの劣勢は否めない。決勝中のストレートでは、MOTUL AUTECH GT-Rが右からGRスープラ、左からNSX-GTに抜かれて行くショッキングなシーンも見られた。
また、CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、レース後半GRスープラの背後に迫り、スリップには入れるのだが、それでも抜けないというもどかしい場面もあった。
ニッサン陣営内で現在とくに課題としているのが、決勝中の混戦での再加速の動力性能だという。単独ではライバルに大きく離されることはないが、GT300のマシンが絡むと、ラップタイムの落ち込みが激しく、その点は「改良しなければいけないところがある」(松村基宏総監督)という。
とはいえ、明るい話題がないわけでもない。カルソニック IMPUL GT-Rは、au TOM’S GRスープラに抜かれはしたが、その後大きく離されることはなかった。
また、後半スティントのペースは、トップ2台には及ばないものの、3位以下のマシンと遜色ないタイムを刻み続けていたのである。さらに、CRAFTSPORTS MOTUL GT-R、カルソニック IMPUL GT-Rの両GT-Rの熟成が進み、全体のポテンシャルアップが見込めることも今後の期待を大きくさせてくれる。
今季予定されている開催コースは、富士以外では鈴鹿ともてぎという抜きにくいレイアウト。つまり混戦での強さが問われるコースであるが、それをどう戦うか。
2基目のエンジン投入タイミングは未定とのことだが、その中間加速の性能にすべてのニッサンファンの期待がかかっている。