更新日: 2020.08.24 16:16
TOYOTA GAZOO Racing 2020スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート
23日(日)は天候が崩れるという予報もありましたが、明けてみれば朝から真夏の日差しが照らし、気温も前日までと同様に上昇。午後1時、気温32度、路面温度48度のコンディションの下、52周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
上位勢はほぼ順位変動がないまま1周目を進めていきましたが、GT300クラスの30号車がダンロップコーナーでコースオフし、タイヤバリアにクラッシュ。スタートしてすぐにセーフティカーが導入されました。
5周目に再スタートが切られると、この周、3位につけていた38号車の立川が見事なパッシングを見せ2位へと浮上。9周目あたりからGT300クラスの集団が現れ始めると、38号車は首位との差をどんどん詰めていき、首位争いを展開。11周目の最終シケイン進入ではトップと並びかけましたが接触を喫しコースオフ。しかしすぐに復帰し、その後も激しい首位争いを繰り広げました。
その後方では、44kgのウェイトハンデを負いながら健闘を見せた大嶋の14号車が4位をキープ。そして今季ようやくGT戦に復帰できたコバライネンが、9番手スタートから見事な走りで5位へとポジションを上げました。
17周目、コース上に他車の大きな部品が落下し、2度目のセーフティカーが導入。5周のセーフティカーランの後に再スタートが切られましたが、その直前に3位につけていた38号車がスローダウン。38号車はトランスミッションのトラブルに見舞われており、そのままピットイン。無念の戦線離脱を余儀なくされてしまいました。
レースは折り返しに近い周回を迎えており、この再スタートから各チーム続々とピットインしてのドライバー交代を行いました。セーフティカーラン直後で各車の差が縮まっていたこともあり、ピット作業で順位が大きく入れ替わり、全車がピットを終えた時点でGRスープラ勢の最上位は3位の39号車。そして36号車が重いウェイトハンデにもかかわらず5位へと浮上しました。
29周目には接触からコースオフした車両により3度目のセーフティカーが導入。34周目、残り18周で再スタートとなりました。GRスープラ勢の最上位3位につけ、さらに上位を伺う好走を見せていた中山雄一の39号車でしたが、36周目のヘアピンで後続から接触されスピン。すぐに復帰したものの、5位へとポジションダウン。
これによって36号車が3位へとポジションアップ。12番手スタートから、最大のハンデを負いながらも巧みな走りで、終盤にGRスープラ勢の最上位へと浮上して見せました。
その後も各所で接触などが発生する文字通り熱いレースが最後まで続きましたが、GT500上位勢の順位は変わらず、36号車が3位でチェッカー。関口/フェネストラズ組は3戦連続の表彰台獲得となり、首位につけるドライバーズランキングでは2位以下との差を大きく広げることとなりました。
好走を見せながら不運なアクシデントに泣いた39号車は5位。ランキング2位でウェイトハンデに苦しんだ37号車はそれでも7位に入りました。前半トップ5圏内につけるも、ピットで順位を落とした14号車は9位、19号車が10位でチェッカーを受け、波乱のレースでGRスープラ勢は5台がポイント獲得を果たしました。
GT300クラスでは、ポールポジションの31号車が順当なスタートを切り首位をキープ。一方でチームメイトの30号車が1周目に他車と接触しクラッシュ。セーフティカー導入のきっかけとなってしまいました。
セーフティカーランからの再スタート直後に、4番手スタートの244号車を5番手スタートの52号車がパス。その後上位は大きな順位変動なく周回を重ねました。しかし、レース中盤を前に2度目のセーフティカーが導入されたことで、築いてきたマージンが帳消しになったところで各車ピットイン。上位につけていた31号車はタイヤ無交換などの作戦を採ったライバル勢に逆転を許すこととなってしまいました。
28周目、好走を見せていた244号車がバトルの中で接触。244号車は走行を続けましたが、接触した車両がコースオフし3度目のセーフティカーが導入。再スタート後、244号車はトップ10が狙える位置につけていましたが、接触によるドライブスルーペナルティを受け、大きく順位を落とすこととなってしまいました。
GT300クラスはファイナルラップまで上位勢が接触やコースオフを喫する大荒れのレースとなりましたが、そんな中、トラブルに苦しめられながらも走り切った31号車が7位でフィニッシュ。52号車が12位、35号車が15位、60号車が17位、244号車が20位でチェッカーを受けました。
ドライバーコメント
au TOM’S GR Supra 36号車 ドライバー 関口雄飛
「今日は12位からのスタートだったので、正直ここまで上がれるとは思わなかったんですが、クルマも好調で、サッシャも抜いてくれたし、ピットストップも速かったし、ピットのタイミングも、戦略も合ってたし、セッティング自体も良かったし、と全てがかみ合って、狙った以上の結果になったんだと思います。前での接触が無ければ5位だったはずですし、全てがいい方向に行ったんでしょう。次戦はさらに重くなるんで厳しいですが、今日みたいなこともあると思うので、諦めずに、引き続き1ポイントでも多く取ることを目標にやっていきます」
au TOM’S GR Supra 36号車 ドライバー サッシャ・フェネストラズ
「信じられないような結果です。表彰台に上れるなんて考えてもいませんでした。60kgというハンデは非常に厳しく、私自身にとってGT500車両で初の鈴鹿ということもあり、6位とか8位でフィニッシュできたら優勝も同然くらいに考えていたので、3位というのは上出来です。トヨタ、そしてチームに感謝します。雄飛も素晴らしい仕事をしてくれました。私自身のスティントにも満足しています。今日はとても良いレースができました。もちろん、次のレースはさらに難しくなると思いますが、頑張ります」