Kazushi NAKANO / autosport web

 レース後、鈴木豊監督に勝因を聞くと「一番はミシュランタイヤ」と答えた。

「第2戦までのマシンのパフォーマンスを考えれば、正直、今回は勝てるとは思っていませんでした。タイヤで非常にいいパフォーマンスが出せたと思います。こう言っては失礼かもしれませんが、強いミシュランさん、いいミシュランさんが戻ってきたな、という感じです」

「今回のタイヤは、冬の(マレーシア・)セパンテストである程度の手応えがあったものがベースになっています。それが、想像以上に良かった」

「タイヤがマシンのセットをいいように変えてくれたというか、今回はセットアップも非常に決まったんです」

2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)

 ミシュランのモータースポーツダイレクター、小田島広明氏は今回のモチュールのタイヤセレクションについて、「我々のレコメンデーション(推奨)にチームが応えてくれた結果」だと言う。

「我々として“ここまで攻めてもいいんじゃないですか”というタイヤを、23号車がチョイスして使ってくれた」という小田島氏の言葉からは、従来は「よりソフト方向のタイヤで攻めたいミシュラン」と「レースペースで失敗したくないチーム」との間である種の葛藤があったであろうことが想像できる。

「もう一歩攻めた形(スペック)でいっても、タイヤとしては機能するという自負がありました」という小田島氏の読みどおり、決勝時の高温下においてもミディアムソフトの性能低下は最後までなかった。むしろ小田島氏としては、硬い側のコンパウンドを選んだときのウォームアップ性能やピックアップについて心配をしていたという。

 ちなみに同じミシュラン勢でもCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは予選とレース前半にミディアム、後半にはさらに一段硬いハードを投入している(そもそもミディアムソフトを持ち込んでいない)。

 セットアップや戦略的意図の違いもあるので一概には言えないが、今回に関してはミシュランの推奨どおりに「攻めた」姿勢でソフト側のコンパウンドを選択をしたモチュールが、勝利を引き寄せたとも言える。

「今回、チーム側が一歩踏み込んでくれたことで、今後は我々のレコメンデーションに対してチョイスの幅は広げてくれると思います。2台そろってより良い方向にいくかなと期待しています」(小田島氏)

■トヨタ勢と同等のパフォーマンスは「出せると思っていない」

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