決勝レース(52周) 8月23日(日)13:00〜
決勝レース直前に行われる20分間のウォームアップでは、前半を中山選手が走行し、2分0秒889を、後半走行した嵯峨選手も2分0秒988をマーク。手応えは上々といった様子だ。無観客試合もあと1戦と正式に発表され、がらんとしたスタンドもどうやら見慣れずにすみそう。むしろ、これだけの暑さであるから、熱中症で倒れる観客も少なくなかったのでは。
スタート直前で気温は32度、路面温度は48度に達していた。今回もスタート担当は中山選手。グリーンシグナル点灯から猛ダッシュを見せ、早くも後続を引き離しにかかる。しかし、逆バンクでクラッシュがあり、いきなりセーフティカー(SC)が導入される。
5周目からバトル再開、再び#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはじわりじわりと差を広げていくのだが、これがほぼ6秒にも達した17周目、バックストレートに大型のデブリが転がったことから2回目のSCランが実施され、せっかくのマージンを失ってしまう。しかも、このSCランが予想外に長く、22周目まで及んでドライバー交代可能なミニマムの周回となったことから、すかさず中山選手をピットに呼び戻すことに。
予想どおり給油に時間がかかって、コースに戻った#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTと嵯峨選手は大きく順位を落とす。しかも前を行くのはストレートパフォーマンスに勝るFIA-GT3ばかりとあって、なかなか追い上げもままならず。3回目のSCランを途中挟んで、全車ドライバー交代を済ませた時には9番手につけていた。
それでも1台の脱落で35周目には8番手に、そして5番手を争う集団のなかで、嵯峨選手は激しいバトルを繰り広げるように。一進一退の攻防が続くなか、ゴールが近づくにつれ接触が相次ぎ、順位を落とした車両もあったことから#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは7位でゴール。ポールスタートからの最終順位に決して納得がいこうはずがないが、ようやく果たせた入賞の持つ意味は極めて大きい。残り5戦が楽しみになってきた。

■決勝後コメント
嵯峨宏紀
「燃料リストリクターがあるから給油で時間がかかる分、マージンを作ってくれるかと思ったんですが、あのタイミングでSCが出ちゃうと、もうどうにもならなかったです。FIA-GT3が前にいると、僕らはどうにも抜けないという状況でした」
「タイヤは4本とも換えるしかなかったです。とりあえず、このクルマになってから初めてのポイント獲得ですし、一歩階段登れたということで良かったです。もてぎに向けては、違うこと考えないと難しいかもしれません」
中山友貴
「FIA-GT3より給油に時間がかかってピットでのロスタイムが増えるので、序盤にギャップタイムを作ってくれと指示されていました。ペースを維持して僕のなかでは10秒ぐらいを、目標にマージンを作ろうと思っていたんですが、スタートしてすぐ、それと6秒ほどに達したところでSCが入ってしまって……。マージンのなくなった状況で、いちばんロスのないタイミングだということで、SC明けでピットに入りましたが、やはり順位は後方に沈んでしまいました」
「嵯峨選手は集団のなかだったんで、かなりしんどかったと思うんですが、自分としての仕事がしっかりできて、クルマの速さを証明することができたのは良かったことなんですけど、やっぱりチームとして優勝したい。今後のレースに向けて、自分たちが優位に進められるようにしていきたいのと、今回はレースの運に見放されたのかな、というところに尽きると思います」
金曽裕人監督
「ドライバーもメカニックも一切ミスしていないのに、給油に時間があまりにもかかるJAF-GTにはタイヤ無交換しか勝つ方法がない。でも、こんな灼熱のなかでは無理です。基本的にタイヤ交換をした場合はJAF-GTは上に来られない絵図になっています。そうはいってもポールポジションからプッシュ、プッシュで逃げ切ろうって言っていたんですが、SCでゼロマージンになっちゃって……」
「でも、初ポイント獲れて嬉しいですよ。次のもてぎはそんな得意ではないので、着実に入賞を目指してやるしかないけれど、この3戦でいろんなものが見えてきたので、もっとパフォーマンスを上げてやっていこうと思っています。これからは、勝てるレースをもっと組み立てられるようにします」
次戦、SGT Rd.4もてぎは、9月12日予選、9月13日決勝となります。みなさま、応援よろしくお願いいたします!!
