Kazushi Nakano / autosport web

「たとえば僕らが37(KeePer TOM’S GR Supra)のセットアップにしてタイヤをポンと付けても、速くはならないわけです。スープラに対してどうこう、というよりは、“タイヤはコレですよ”という状況に対して、スープラにはいっぱい引き出しがある」

「どの引き出しを開けるのか。つまり、タイヤに対してセットチェンジしていった方がいい。今回はガラッとセットを変えてきています」

 タイヤの特性上、もてぎでは高負荷となる130R〜S字は苦手な部分。セットアップではそれらの高速コーナーの挙動と、コーナー出口でのトラクションが背反する要素だというが、今回はそこがうまくまとめられているようだ。

 加えて、今回Q1でトップタイムを奪ったルーキー宮田も頼もしい存在である。

 今回の公式練習では走り始めからセットアップを担当し、公式練習最後に設けられているGT500専有走行時間帯に入る前の時点、つまり混走の時間帯で、その時点での全体トップタイムを宮田がマークしているのだ。

「(混走時間帯から)まわりのタイムがあまり出ていない印象で、『もしかしたらこれ、調子いいのかな?』と思いました」という宮田は、予選Q1を「ちょっと雨が降っているなかだったので、攻め切れていないコーナーもありました。まだコンマ2、3秒縮められる余力はあったと思います」と平然と振り返る。

2020年スーパーGT第4戦もてぎ WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
2020年スーパーGT第4戦もてぎ WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)

 速さを見せたもてぎの土曜日。国本も坂東監督も、「最後の2周は雨量も減ってきていたし、あのままスリックで走り続けていれば……」とQ2の不運と判断を悔しがる。残念ながら結果は伴わなかったが、ドライでの速さは収穫となったことだろう。

 決勝では8番手から追い上げを狙うことになる。抜きにくいツインリンクもてぎ、いくら周囲とのウエイト差があるとはいえ、上位進出は簡単ではない。

「難しいですよね。もてぎだから、結構なリスクで抜きにいかないといけない。ただGT300がいるので、そこの隙間を上手く使って。あとはウエイトが軽くて立ち上がり加速がいいので、そこにチャンスが生まれればいいなと思っています」(国本)。

 ウェッズといえば、ピット作業の速さにも定評がある。スタートからドライコンディションが続けば、ピットを終えた後半スティントには表彰台圏内に進出……という可能性は充分にあるだろう。

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