更新日: 2020.10.05 18:09
ADVICS muta Racing INGING 2020スーパーGT第5戦富士 決勝レポート
スーパーGT第5戦
たかのこのホテル FUJI GT 300KM RACE
富士スピードウェイ
決勝:10月4日
天候:曇り
コース状況:ドライ
決勝:7位
スーパーGT第5戦は富士スピードウェイにおいて、今季初めて観客を入れての開催となった。第2戦ではポールポジションからスタートするも9位フィニッシュだったが、今回はどの順位でゴールできるのか? 初の表彰台、優勝を目指してのレースとなった。
前日同様、曇天となった富士。スタート前のコースインでは、他車両がグリッドに着いてから阪口がゆっくりとコースを1周してポールポジションのグリッドに整列した。今回もグリッドウォークは実施されなかったが、レースクイーン2名もグリッドに登場し華やいだ雰囲気となった。
気温21度、路面温度29度の13時30分。フォーメーションラップが始まり、13時33分にレースはスタートした。直後にGT500クラスの車両が1コーナーで接触し、1台の車両のボンネットがコース上に落下。阪口はポールスタートのため素早くそれを避けて通過したが、直後にボンネットを排除するため、セーフティカーが導入されることになった。
3周終了の時点でレースはリスタート。阪口は2位の31号車に迫られるも、巧みなブロックで逆転を阻止。やがて予選6位から2位に上がった56号車が背後に迫ってきた。15周の1コーナーで並ばれるも簡単にはトップを譲らなかったが、コカ・コーラコーナーでは無用なバトルを避けそれを先行させた。
19周目には予選5位の52号車が阪口の背後に迫ってきた。コース終盤のセクター3区間でトラクションが掛からない状態であった阪口はしばらくこれを抑えていたが、21周目のスープラコーナーで逆転を許し3位となった。
23周で阪口はピットイン。タイヤ4輪交換、給油、ドライバー交代とメカニックも迅速な作業で小高をコースに送り出した。早めのピット作業であったため16位で隊列に戻った小高だったが、今回もタイヤがタイヤかすを拾ってしまうピックアップ現象に悩まされることになった。しかし今回はすぐにそれも取れ、他チームがピットインをするたびに順位を上げていく。ただタイヤ無交換や2輪交換を敢行した車両には先行を許してしまう。
38周でピットインを遅らせていたトップの車両がピット作業を終えた後、小高は5番手となる。その後阪口同様、セクター3でトラクションが掛からずラップタイムが落ちてきた。そこへ31号車が追いつき小高はそれを巧みにブロックして周回を重ねた。しかし48周目の1コーナーで順位を譲ることとなった。
さらに終盤には1台にかわされ7位へ。なおも後続に追われる展開となったが、これを振り切り61周で今季最高位となる7位でチェッカー。ポールポジションの1点を加えた計5点を加算した。10月24~25日に鈴鹿サーキットで開催される第6戦は、さらに上位の結果を求めるレースとなる。
阪口良平
「第2戦とはクルマのフィーリングも違っていて、15周までトップを守ることができました。優勝した車両は別格なぐらい速かったですが、他とはレースができたと思います。今回に向けていろいろ対策してきたことで、逆にマイナス要素が出てしまう点がありました。コース後半のセクター3で1速ギヤのトラクションが逃げてしまい、ずっとピーキーなオーバーステアが出ていました」
「リヤタイヤを酷使してしまっているので、これが次の課題だと思います。メンテナンスが大変な車両なのですが、トラブルなく走れることはありがたくチームに感謝しています。今後もいろんなデータを積み重ねてポールポジションから逃げられるようなレースにしたいです。次の鈴鹿はもっと上に行きたいです」
小高一斗
「コースに出てすぐにピックアップがついてしまったのですが、すぐに取れて1分39秒台に戻せました。セクター3でリヤトラクションが掛からず、あまりタイムが安定しなかったのとタイムの落ち幅が大きかったです。ブレーキも進化していましたし、新しいタイヤの特徴も知れましたし、チームは今まででいちばん進歩できたのかなと思いますし、次が楽しみです」
「今日のデータを持っていけばどこにいっても大丈夫ではないか思うほど、良いレースになりました。残り3戦、どこかで表彰台に乗りたいですし欲を言えば優勝したいです。個人的には最終戦(富士)でコースレコードを更新したいと思っています」
田中耕太郎チーフエンジニア
「こんな結果もあるかもしれなと思っていました。今回はいろいろ見えるところがあり、そこにはポジティブなところもありました。ちょっとずついろんなことが分かって進歩していると思いますね。何が起きているのかは把握できていますし解析できていますので、自分たちのできることを地道にやっていくこと。どうにもならないという状態ではありません」
「第2戦と順位はあまり変わりませんが、内容的にはトップが見えるところでゴールをしていますし、タイム的にもトップからそんなに離れていません。それはとてもポジティブなことだと思います。残り3戦も頑張ります」