更新日: 2020.10.06 18:26
LM corsa 2020スーパーGT第5戦富士 決勝レポート
S-GT2020 Rd5 FSW Final
LM corsa REPORT
#60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3
河野選手が初のスタートドライバーを務めレースを通してミスなく走り切ったもののペースが上がらずに22位でチェッカーを受ける
気温:21度、路面温度:29度(スタート時)
変則的な年間8戦のスケジュールで競われることになった『2020 AUTOBACS SUEPR GT』。開幕戦が3カ月遅くなったために5カ月間で8戦が実施されることも従来と異なるが、開催するサーキットが富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎの3カ所に絞られたこともそのひとつに挙げられる。富士スピードウェイは8戦中4戦が開催され、ポイントランキングを争う上でも重要な戦いとなる。
富士スピードウェイで3回目の開催となったスーパーGT第5戦『たかのこのホテルFUJI GT300km RACE』は、10月3日(土)に公式練習と予選、4日(日)に300kmの決勝レースが行われた。
開幕戦から苦戦を強いられているLMcorsaだったが、気温が下がっていく今戦以降は状況が改善していくことが期待されていた。だが、3日の予選Q1はクラス12番手で予選Q2への進出を逃し、決勝レースを24番グリッドからスタートすることなった。
決勝レース日となった4日は早朝に雨が降ったものの、サポートレースが開催された午前中には路面は乾き、ドライコンディションでの戦いとなった。今戦から制限付きだがサーキットに観客が入ることが許され、開幕から5戦目にして初めてファンの前で白熱のバトルが繰り広げられることとなった。
決勝レース前の12時10分から行われたウォームアップ走行では、まず吉本大樹選手がSYNTIUM LMcorsa RC F GT3に乗り込んでマシンの最終確認をすると、河野駿佑選手もわずかだがステアリングを握った。
300kmの決勝レースは予定通りの13時30分にフォーメーションラップが始まる。24番手スタートのSYNTIUM LMcorsa RC F GT3のコクピットに収まったのは河野選手で、初のスタートドライバーを務めることとなった。決勝レースは、オープニングラップの1コーナーでGT500クラスのマシンが接触するアクシデントがあり、1周目からセーフティカーが導入される波乱の幕開けとなった。
レースは5周目に再開され、河野選手は24番手から追い上げを図る。リスタート後にペースに勝る後続のマシンに抜かれるが、9周目にはベストラップとなる1分39秒348をマークし、10周目には1台をパス。17周目までスタートの順位をキープすると、18周目から徐々に規定されているドライバー交代のために上位のマシンがピットイン。
先行しているマシンがピットに戻ったために20周目には20番手、15周目には10番手まで順位を上げ、28周目に河野選手はピットロードに向かった。ピットでは4本のタイヤ交換と給油を行うとともに吉本選手にドライバーチェンジして再びコースに復帰。ピットストップの時間は同様の作業を実施したチームよりも短く、今回もチームはミスなくSYNTIUM LMcorsa RC F GT3をコースに送り出した。
ピット作業時間を短縮したものの順位は大きく変わらず、吉本選手は26番手から先行車を追うこととなる。序盤は1分39秒台のラップタイムで走行し、33周目、39周目、40周目に1台ずつをパスして21番手まで浮上するが、40周目を超えるとラップタイムが落ち始める。
SYNTIUM LMcorsa RC F GT3の後方にはパッシングしたはずのマシンが近づき、抜き返されてしまう。ペースが落ちるなかでも巧みなライン取りでポジションを守るが、終盤の56周目に22番となり61周目にそのままの22位でチェッカーを受けた。
開幕戦からの厳しい状況は、気候がやや涼しくなった今戦でも続いている。次戦はLMcorsaのホームコースとなる鈴鹿サーキットなので、少しでも上位で競えるように1週間ほどのインターバルを有効に使っていく。
■コメント
飯田章監督
「決勝レースのグリッドに並ぶまでに考えられる手立ては行ったのですが、厳しいレース結果でした。ドライバー、チームともに全力で戦っているなかで、辛い状況が続いてしまっています」
「前半のスティントはペースの落ちが少なかったのですが、後半はその状況が維持できませんでした。次戦に向けて、なにか戦略で上位を目指せないのか、そして安定したマシンを作り上げるにはどうしたらよいのか、今までも十分に考えてはいますが見直していきます」
吉本大樹選手
「今回は河野選手にスタートドライバーを担当してもらい、序盤は20番手争いですがしっかりと競り合っていたと思います。前半のスティントも同様ですが、私の走行でも15周を過ぎたあたりからタイヤが厳しくなり、後半はペースが落ち込みました」
「それでもピットアウトしてからは数台をパスできているので、この状態が保てないことが苦しいです。次戦は得意としている鈴鹿ですが、現状では難しいレースが続きそうです。それでもチームのホームコースなので全力を尽くします」
河野駿佑選手
「スーパーGTでは初めてスタートを務めたのですが、すぐにセーフティカーが入ってしまいました。レース序盤はまわりのマシンと大差ないラップタイムでしたが、パスするまでの速さはありませんでした。終盤はタイムが落ち込みましたが、それでもポジションはキープしました」
「吉本選手のスティントも同様の状況で、最終的には22位と残念な結果になりました。厳しい状況でもチームはモチベーションを保っているので、次戦は何とか結果で恩返しができればと思っています」