PACIFIC – D’station Racing 2020スーパーGT第5戦富士 レースレポート
PACIFIC – D’station Racing
Race Report – 2020.10.06
http://dstation-racing.jp/pdf/2020/Dstation_sgt_2020_round4.pdf
AUTOBACS SUPER GT 2020 SERIES
Round.5 FUJI SPEEDWAY
October 3 – 4 2020
Qualify : 25th Race : 24th
仕上がりは過去最高も、コンディションとタイヤに大苦戦
2020年のSUPER GTも前半戦を終え、新型コロナウイルスの影響で大きく変更されたカレンダーも後半戦を迎えた。第5戦の舞台は、今季3回目の富士スピードウェイ。開幕2戦で入賞を争った舞台だ。
そんなレースに向けPACIFIC – D’station Racingは、前半4戦を藤井誠暢とともに戦ってきたケイ・コッツォリーノが海外から帰国後14日間を経過していないこともあり、出場に努力をしたものの急遽若手の篠原拓朗を起用することになった。篠原はスーパー耐久シリーズでもD’station Vantage GT4を駆り好走をみせており、SUPER GT出場経験もある。代役としては申し分ない存在と言えた。
迎えた第5戦のレースウイークは10月3日(土)の午前9時15分から公式練習がスタートした。今回から制限付きとはいえファンもふたたびサーキットを訪れており、朝からスタンドが賑わいをみせるなか、まずPACIFIC NAC D’station Vantage GT3のステアリングを握ったのは藤井。6周目にポンと1分37秒489というタイムをマーク。一度ピットインした後再コースインし、篠原に交代する。すでに事前にスーパー耐久のヴァンテージGT3をドライブしていた篠原は、順調に走行をこなすと再度藤井にチェンジ。そしてまた篠原に交代というセッションをこなした。最終的な順位は4番手。一見すると好調のように見えた。
しかしドライブしていた藤井は、ある違和感を感じていた。走行開始直後などコンディションがまだできあがっていない状態は速いが、路面にラバーが乗るとタイヤのグリップが失われてしまう。セットアップやフィーリングは抜群に良いのだが……。
この不安は、午後2時にスタートした公式予選でも的中してしまう。ノックアウト予選Q1のA組から出走したPACIFIC NAC D’station Vantage GT3は藤井がアタックを務め、Q2の篠原に繋ぐ作戦だったが、すでに路面コンディションができあがっている状態で思うようにタイヤがグリップを発揮しない。あの藤井がノーミスのアタックを展開したにも関わらず、1分37秒914というタイムは公式練習のベストにも及ばない。順位も13番手で、最終的にグリッドは25番手というものになってしまった。
迎えた10月4日(日)の午後1時30分からスタートした決勝レースでスタートドライバーを務めたのは、自身SUPER GTで初めてのスタート担当となった篠原だ。今回は篠原が混戦をくぐり抜け早めにピットイン、後半藤井が長いスティントで飛ばすという作戦を立てていた。
篠原は期待に応え、1周目からセーフティカー導入となる展開のなか、リスタート後7周目までに3ポジションアップ。#18 NSX-GTとバトルを展開し16周目にオーバーテイクを成功。しっかりと序盤戦を戦い抜き、予定どおり20周を終えピットイン。藤井に交代する。このタイミングも功を奏したほか、メカニックたちの作業も速く、ライバルたちがピットインを終えると、藤井は8番手にポジションを上げてみせた。PACIFIC NAC D’station Vantage GT3は、土曜の公式練習からセッティングをほぼ触っていないほどフィーリングは良好で、今季最上位も見える順位だった。
しかしレース終盤に向けて、コクピットの藤井は苦闘を強いられはじめた。公式予選でも出ていた、路面のコンディションに対してタイヤのグリップが失われてしまう症状が出てしまったのだ。8番手ではあったが、この状態で走行を続けてもゴボウ抜きされてしまうのは火を見るより明らかだった。藤井は47周を終え、ふたたびPACIFIC NAC D’station Vantage GT3をピットに戻さざるを得なくなってしまった。その後コースに戻った藤井は異なるタイヤで快走。フィニッシュ前には周回が違うマシンに前を塞がれてしまったが、それは表彰台争いをするメンバーだったのだ。スピードがあるのは間違いなかった。
ドライバー、チーム、そしてヴァンテージAMR GT3と、ピースは今までになく揃いつつある。あとわずかのピースがハマれば、トップは近いはず。24位という順位は悔しさしかないが、PACIFIC – D’station Racingのメンバーは前を向いた。
COMMENTS
神野元樹
Motoki Jinno PACIFIC – D’station Racing Team Representative
結果としては残念なレースとなってしまいましたが、スピードもあり、クルマも非常に良い状態になっています。またドライバーも素晴らしい仕事をしてくれましたし、メカニックたちも良い作業をみせ順位を上げてくれました。今回は特にタイヤで悩まされるレースになってしまいましたが、この問題をどう克服していくかが今後結果を残すために重要なポイントだと思っています。この経験をしっかりと次に繋げ、上位進出を目指していきます。引き続き皆さまの応援宜しくお願い致します。
星野敏
Satoshi Hoshino D’station Racing Team Principal
土曜の公式練習からクルマのフィーリングも良かったようですし、レースでも序盤からふたりのドライバーも素晴らしい走りをみせてくれましたが、レース中盤以降残念ながらタイヤがもちませんでした。一発のタイムに関しても、ロングランについても難しい状況で、タイヤについては苦戦してしまっていますね。ただ、ヴァンテージAMR GT3の状態はすごく良いようですし、次戦鈴鹿ではなんとか上位を目指したいと思っています。スーパー耐久でこの悔しさを晴らしたいですね。応援ありがとうございました。
佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki General Manager
前回のもてぎでのレースも残念ながら結果は残りませんでしたが、すごく良いレースをしてくれていましたし、今回も公式練習では序盤に藤井選手がすごくいいタイムをマークしてくれて順位も上だったので、午後の公式予選でいきなり苦しい展開になってしまい驚きました。レースでも篠原選手がすごくいい走りをみせてくれて、チームも良い仕事をして藤井選手が順位を上げてくれたので、結果が残るのではと楽しみでしたが、タイヤが苦しくなってしまいましたね。次の鈴鹿もタイヤには厳しいはずなので、なんとかしなければいけません。
藤井誠暢
Tomonobu Fujii Driver
決勝レースは後方からのスタートだったこともあり、早めにピットインする作戦を採りましたが、これがうまくいき順位を上げることができました。その後は空いたスペースで速さもあり、トップと同じくらいのペースで走れていたのですが、タイヤの摩耗が厳しくなってしまいました。順位を守ることもフィニッシュも難しかったのでピットインしましたが、厳しいレースになってしまいましたね。クルマの状態は良いので、次戦また上位を目指していきたいと思います。
篠原拓朗
Takuro Shinohara Driver
今回チャンスをいただき、事前にスーパー耐久用のマシンを乗らせていただいたのですが、やはりSUPER GTの雰囲気のなかで戦えたことは貴重な経験になりました。土曜の公式練習では戦える手ごたえがあったのですが、公式予選から少し噛み合わなくなってしまいましたね。レースは初めてのスタートでしたが、混戦のなかでフィーリングも良く、積極的に攻めることができました。個人的には順位を上げられたので良かったです。最低限の仕事はできたと思いますが、もちろん課題もありますし、チームとして結果が残せなかったのは残念でした。
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