ここ数週間というもの、週末になると天気が崩れることが多かったものの、どうやらこの週末は雨の心配はなさそう。青空は見えなかったものの、終始ドライコンディションでの戦いが期待された。

 20分間のウォームアップはスタートを担当する中山選手から走り出し、4周目に記した1分37秒611は2番手。後半を嵯峨選手が走り、1分38秒244を記録した直後にチェッカーが振り下ろされた。

 決勝レースはGT500のアクシデントにより、オープニングラップからいきなりセーフティカーが導入される。レース再開は4周目から。それまでしっかり中山選手はタイヤの内圧調整を行っていたこともあり、リスタートから後続を引き離す格好で、トップとの一騎討ちを繰り広げることとなった。

 だが、10周目を過ぎたあたりから、ハイペースで迫る車両が現れるようになり、これを抑えてタイヤを痛めるのは得策ではないと中山選手は判断。11周目に1台を、18周目にもう1台を先行させたことで#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは4番手となるも、トップは見える範囲にあり続けた。

 そして当初の予定より、やや早めの27周目にピットイン。先にドライバー交代を済ませた車両との渋滞を避けるためで、嵯峨選手との交代と併せ、タイヤは4本とも交換する。コースに戻ると、前を行くのは無交換、もしくは2本交換の車両と給油時間の短いGT3。全車がドライバー交代を済ませると#31 TOYOTA GR SPORT
PRIUS PHV apr GTは6番手につけていた。

 48周目のコカコーラコーナーで1台をかわし、嵯峨選手は5番手に浮上。さらにゴール間際には4番手の車両にも迫り、最終ラップに真横に出るも、ゴールラインで0.08秒届かず。それでも#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは5位でゴールし、今季ベストリザルトを獲得することとなった。

 次回のレースは10月24〜25日に、鈴鹿サーキットで行われる。今季2度目の開催となるサーキットで、前回はポールポジションを獲得。予選だけでなく、決勝の成績も右上がりである今、引き続きの活躍が期待される。

嵯峨宏紀選手

「今回、比較的硬めのタイヤで決勝に臨みましたが、結果だけ見ると完璧に改善しきれていなくて、また決勝で順位を落としてしまった、という展開は残念でした。それ以上に、無交換や2本交換を成立させたライバルに対し、僕らができなかった作戦を成功させたという部分はリスペクトしなければいけないし、僕らもそれを成功させないと、給油時間の差があるJAF-GTで戦っていく上で今後も難しいと思うので、そういう部分で反省点も多いです。とはいえ、最後もう1周あれば、というところで惜しかったんですが、5位という上位のポイントは取ることはできて、次の鈴鹿にはつながるレースができたと思うので、期待していただきたいと思います」

中山友貴選手

「結果的に5位だったんですが、終わってみれば上にいるのはチャンピオン争いをしている、強いクルマばかりだったので、そのなかで5位というのは現状としては良い結果として捉えています。チャンピオン争いしているライバルたちはウエイト重いにも関わらず、安定したラップを刻んでいるので、そのあたりはまだ僕たちに足りていない部分だっていうのが明確にわかりましたから、どうしたら決勝のペースが速くなるかというところを改善できれば、さらに良くできると思っています。次の鈴鹿は悔しい思いをしたのでリベンジにご期待ください」

金曽裕人監督

「ようやくレースらしいレースができて、あわよくば表彰台の一角でも、と思っていましたが、やっぱりそうは甘くありませんでした。クルマのパフォーマンスがある程度上がってきたなかで、今年は新型コロナ感染拡大によりタイヤテストができていなくて、無交換も考慮しましたが確信が持てず、前回のもてぎとおなじことになってしまっても意味がないので、とにかく高得点を狙いましょうとタイヤ交換作戦に変更しました」

「そういう意味では計画どおり『表彰台にいけたら良いね、でも5位以上だね』と言っていて5位になれた結果に対しては満足しております。給油時間も問題ですが、100㎏のサクセスウエイトを積むGT3に対して、ペース的にも勝てていない現状は大きな課題。次の鈴鹿に対してもJAF車両は不利な条件ですが、あくなき挑戦を致しますので、ご期待ください!」

2020年スーパーGT第5戦富士 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
2020年スーパーGT第5戦富士 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

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