更新日: 2020.11.12 11:11
ブリヂストン 2020スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート
2020年 スーパーGT第7戦ツインリンクもてぎ[GT500]
野尻智紀/福住仁嶺(ARTA NSX-GT/BS)が今季初優勝!史上初、ホンダNSX-GTがトップ5を独占。タイトル争いは僅差のまま最終戦の富士へ
開催場所:ツインリンクもてぎ
開催日:2020年11月07日(土)~2020年11月08日(日)
シリーズ終盤戦を迎えた2020年オートバックス スーパーGTシリーズは、ツインリンクもてぎで第7戦を行った。依然として観客の入場数制限はあるが、決勝日に1万5600人が来場した。予選で好調だったホンダNSX-GTの一角、セカンドグリッドからスタートした野尻智紀/福住仁嶺(ARTA NSX-GT/BS)が10周目にトップに立つと、他を圧倒する速さで快走し、今季初優勝を飾った。ホンダのホームコースであるツインリンクもてぎにおいて参加している5台のNSX-GTが1位から5位までを独占とするという史上初の結果となった。
<予選>
シリーズ終盤戦を迎え、このレースではハンディウエイトが獲得ポイントと同じになる。つまり、第6戦までのウエイトが半減する。練習走行の段階ではブリヂストンタイヤ装着のスープラ勢が好調な仕上がりを見せていたが、予選を迎えるとその状況に変化が現れた。伊沢拓也/大津弘樹(Modulo NSX-GT/DL)がQ1、Q2でトップタイムを叩き出して、今シーズン2度目のポールポジションを獲得。
2番手に野尻/福住組、3番手に練習走行でメカニカルトラブルに見舞われてしまった山本尚貴/牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT/BS)が続いた。予選Q2を担当した牧野は、それまで一周も走行できない状況からタイムアタックして見事3番手タイムを叩き出した。チャンピオンを争うブリヂストンユーザーのランキングトップ3のなかで唯一、関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ(au TOM’S GR Supra/BS)が7番手。他はQ1で敗退してしまった。
<決勝>
この季節にしては、暖かなコンディションのなかで63周の決勝がスタートした。予選上位、3台のNSX-GTが序盤からハイペースで周回を重ねた。そして、トップの伊沢/大津組に迫った野尻/福住組が10周目に一気に抜き去ってトップに立った。このところ優勝に大きく影響を与えているセーフティカーの導入が、今回もドライバーの最小義務周回数をクリアした直後にあったが、トップ2台のNSX-GTはセーフティカーがコースインする直前にピットイン、ドライバー交代を済ませていてポジションを下げることはなかった。
山本/牧野組も3番手をキープし、48周目に塚越広大/ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT/BS)が5番手に上がりトップ5がNSX-GTという状況になると、そのままの順位で各車はチェッカードフラッグを受けた。NSX-GT勢に続く6番手にトヨタスープラの平川亮/山下健太(KeePer TOM’S GR Supra/BS)が入り、ポイントランキングはトップの塚越/バゲット組と同ポイントの51点となった。以下、僅差で最終戦の富士を迎えることとなった。
<優勝ドライバーコメント>
野尻智紀選手
「今シーズンは、勝てずに、辛いレースが続いていましたが、そんなときでもチームは支えてくれていましたし、いい走りをして恩返しをしたかったので、勝てて本当に良かったです。トップに追いついたら、一気に抜こうと思っていたので、それができて良かったですね。クルマのペースがとても速く、タイヤとのマッチングもとても良かった。最終戦もこの勢いと調子で戦っていきたいと思います。応援ありがとうございました」
福住仁嶺選手
「これまでのレースでは、ルーティンのピットインの後は気がついたら前に誰かいるというようなことがあったり、アウトラップのスピードが遅かったりして、チェッカーを受けるまで不安な気持ちを拭い去ることはできませんでした。ピットインのタイミングは非常に良かったのですけど、トップに立って単独で走っていても、何が起きるか分からないという不安な気持ちの方が強くて、色々考えているうちに最終ラップが来て勝つことができました。今までなかなか勝てなかったので、今回勝てて嬉しい気持ちとホッとした気持ちです。良いクルマに仕上げてくれたチーム、ブリヂストンに感謝したいです。残り1戦ですが、この雰囲気を維持して勝ちたいです」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「今回は、ホンダのNSX-GTとのマッチングが最高でした。特にARTAさんの8号車のペースは、最初から最後までよかったですね。NSX-GTのすべてが上位を独占するというのは史上初と聞きましたが、そのなかでトップを獲得することができました。トヨタさんの37号車が6位に入って、最終戦はスーパーGTでもこれまでになかった僅差でのチャンピオン決定戦となります。これまでに経験したことがない、気温の低い富士の最終戦に向けて、準備を整えて臨みたいと思います」