PACIFIC – D’station Racing 2020スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート
PACIFIC – D’station Racing
Race Report – 2020.11.10
http://dstation-racing.jp/pdf/2020/Dstation_sgt_2020_round7.pdf
AUTOBACS SUPER GT 2020 SERIES
Round.7 TWIN RING MOTEGI
November 7 – 8 2020
Qualify : 25th Race : 25th
苦戦が続く終盤戦。タイヤ無交換作戦も実らず
少しずつ秋の気配が近づきはじめた第5戦富士以降、スーパー耐久で速さをみせているようにヴァンテージGT3の調子は良いものの、苦戦を強いられ続けているPACIFIC – D’station Racing。それでもなんとか状況を打開しようと、好走をみせた第4戦と同じ舞台であるツインリンクもてぎで行われた第7戦に臨んだ。
前日まで冷え込みが強かったツインリンクもてぎだが、迎えた11月7日(土)は朝から暖かさも感じられ、晴天のもと午前9時05分からの公式練習に臨んだ。PACIFIC NAC D’station Vantage GT3は、まずは藤井誠暢がステアリングを握りコースインし、9周をこなしケイ・コッツォリーノに交代。セッション終盤にふたたび藤井に交代しながら周回を重ねた。今回、ミシュランから新しいスペックのタイヤも届けられており、それを使用しながらの公式練習となったが、藤井が4周目にマークした1分48秒820がベストタイム。上位陣が1分46秒台に入っているなかで、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3の順位は27番手という苦しいもの。セットアップ等は良いフィーリングが得られているが、やはりタイムが伸びてこない。
午後1時30分から行われた公式予選でも、苦境から脱することはできなかった。予選Q1ではB組から出走することになったPACIFIC NAC D’station Vantage GT3だが、Q1を担当した藤井が1分48秒391というベストタイムをマークし、公式練習からタイムを上げてみせるものの、やはり速さをみせるライバルたちの前に、B組の13番手という結果に終わってしまう。オーバーテイクのしづらいツインリンクもてぎでは少しでも前のポジションにつけたいところではあったが、総合25番手と、後方からのスタートを強いられることになってしまった。
とはいえ、苦しんでばかりもいられない。グリッドの後方にはもう5台しかライバルはいないのだ。ここから先は這い上がっていくのみ。ミシュランからのアドバイスもあり、チームは初めてタイヤ無交換作戦を行うことを決断し、15,600人のファンが訪れた11月8日(日)午後1時からの決勝レースに挑むことになった。
スタートドライバーを務めたのは藤井。他車のペナルティなどもあり、藤井は2周目、4周目、6周目とひとつずつポジションを上げていき、#88 ランボルギーニ、#33 アウディらとのバトルを展開していった。しかしそんななか、8周目に藤井は1コーナーで#33 アウディと接触してしまう。#33 アウディはスピンを強いられることになったが、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3とはサイドでヒットしており、さほど非はないようにも見受けられた。
ただ、18周目を迎えると、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3には接触によるドライブスルーペナルティが課されてしまう。やや厳しくも感じられるペナルティではあったが、藤井は19周目、これを消化した。後方でのレースでは、やはりこうした接触はどうしても多くなってしまう。現状の苦しさを感じさせるようなアクシデントとなってしまった。
そんななか、V字コーナー立ち上がりでストップ車両が発生する。セーフティカーが出る可能性もあり、チームは藤井をピットへ呼び戻し、作戦どおりタイヤ無交換作戦を敢行。コッツォリーノを送り出した。
直後にセーフティカーが出動するが、リスタート後、コッツォリーノはタイヤが厳しい状況に陥ってしまう。ペースも上げられず、ポジションを落としてしまう。タイヤ無交換作戦は残念ながら失敗という結果に終わってしまった。
コッツォリーノはふたたびピットインを行い、タイヤ交換を行うとふたたびコースへ。必死の追走をみせたものの、終わってみればPACIFIC NAC D’station Vantage GT3は25位という結果となった。フィーリングはレース中も悪くはないが、いかんせん速さと結果がついてこない。とはいえ、残すはもう最終戦のみ。PACIFIC – D’station Racingはチームの地元で、なんとか好結果を残すべく、ふたたびチーム一丸となって挑んでいく。
COMMENTS
神野元樹
Motoki Jinno PACIFIC – D’station Racing Team Representative
厳しいレースになりました。現状を踏まえたうえでドライバー、エンジニア、メカニック、チーム全員が一丸となって結果を残そうと努力したものの、残念ながら結果には繋がらなかったということです。しかし、チャレンジすることはとても重要だと考えます。チャレンジの気持ちをもって最終戦の富士にも挑んでいきます。そして、チーム全員が全力で取り組み、今シーズンの集大成となるレースで結果を残したいと思います。チームが持っている力をすべて引き出したレースにしたいですね。
星野敏
Satoshi Hoshino D’station Racing Team Principal
またしても悔しい結果となってしまいました。ドライバーふたりも本当に頑張ってくれましたし、チームも素晴らしい働きをしてくれたと思いますが、いかんせんタイヤの面で苦戦を強いられてしまいましたね。今回はタイヤ無交換作戦も行ってはみましたが、やはり無理でした。この状況は最終戦でもすぐに変わることはないとは思いますが、チーム一丸となって良い結果を残せるように挑んでいきたいと思います。この悔しさは再来週のスーパー耐久シリーズで晴らしていきたいですね。
佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki General Manager
この第7戦でも苦しいレースになってしまいましたが、タイヤが苦しい状況は分かっていましたからね。ラップタイムでもライバルに及んでおらず、タイヤ無交換作戦も行ってみましたが、やはり苦しい状況は変わらずでした。原因が分かっているだけに、仕方がないです。残すは最終戦ですが、なんとか良い結果を残したいですね。スーパー耐久ではすごく調子が良いのですが……。それだけに悔しいです。このレースはスプリントですし、タイヤの重要度が本当に大きいですからね。悔しいですが、やむを得ませんね。
藤井誠暢
Tomonobu Fujii Driver
公式予選から残念ながら下位となってしまいました。レースではペースが良いわけではなかったものの、少しずつ順位を上げることができましたが、ペナルティをとられてしまったり、ピットインのタイミングも良かったものの、戻った位置が悪く順位を上げられず、またタイヤ無交換作戦も残念ながらうまくいかずと、本当に厳しいレースになってしまいました。もう今シーズンは残り1戦しかないので、なんとか結果が残せるようにしたいですね。苦しい状況ですが、精一杯がんばっていきたいと思います。
ケイ・コッツォリーノ
Kei F Cozzolino Driver
今回はミシュランタイヤからも『いけるだろう』という提案もあり、チームとも協議した結果タイヤ無交換作戦を採りました。予選順位も後方だったので挑戦した結果でしたが、ピットアウト後すぐにホイールスピンもあったりと、厳しいレースになりました。そのなかでも必死に走りましたが、ラップタイムも苦しく、ポジションを落とす結果となってしまいました。ただ、今回得たことは無駄ではないとは思っていますし、チームとしても最終戦に向け、与えられた道具をどう活かせるかをふたたび考え、結果が残せるように頑張っていきたいと思います。
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