更新日: 2020.11.13 15:14
ベテラン同士の超接近戦を制したリアライズ 日産自動車大学校GT-R。勝利を引き寄せたリスクマネジメント
JPがワンチャンスをものにした結果、リアライズ 日産自動車大学校GT-RはLEON PYRAMID AMGを逆転し、ランキングトップに立った。15点のビハインドから5点リードへ。もし、次の最終戦富士でLEON PYRAMID AMGがポールポジションを取り逃した場合、同車が優勝しても、リアライズ 日産自動車大学校GT-Rが2位に入れば合計71ポイントで並ぶ。
この場合リアライズ 日産自動車大学校GT-Rのほうが2位獲得数で上回るため、栄冠を手中に収めることができる。ほぼマジック点灯状態だ。それでも彼らは自らが有利になったとは考えてはいない。たしかに、第5戦の富士では勝利した。しかし、それは秋の富士だったからだ。米林エンジニアは次のように語る。
「あのときはテストとほぼ同じコンディションでした。だから『大体このくらいのペースで走れるだろう』という予測ができたし、実際そのとおりになった。冬の富士ならこのタイヤ、というのもないし、手探りで行かざるを得ない。持ち込みのタイヤもすでに決まっていますが、ブリヂストンさんやダンロップさんのほうが採れる戦略の幅が広そうですね」
一方で、一転して追う立場となったLEON PYRAMID AMG陣営。富士では開幕戦でポールを獲得するなど速さを見せているが、黒澤治樹監督はオートスポーツwebの取材に対し「寒いというのは、うちにとっては良い方向ではないけど、持っているなかでベストを尽くさなければならない。ブリヂストンさんはいいものを用意してくれるだろうから、みんな一丸となって戦うしかない」とやや悲観的とも取れるコメントを残している。
タイヤのパフォーマンスダウンが少ない特性を持つメルセデスAMG GT3とブリヂストンタイヤの組み合わせで、今季LEON PYRAMID AMGはタイヤ無交換、あるいは2輪交換作戦で重い状態でも高いパフォーマンスを示してきた。
しかし、それは状況に合ったタイヤ選択ができて初めて実現するもの。初冬の富士に合わせられるかがキモであることは言うまでもない。今回、接触でポイントを取りこぼしたSUBARU BRZ R&D SPORTと11号車GAINER TANAX GT-Rの2台はダンロップタイヤを履いているが、こちらの2台はパフォーマンスに対して自信を持つ。
とくにSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人は同ウェブサイトに対し「いまのBRZは速いですし、タイヤもものすごくマッチしているので、シリーズとかじゃなくて、最後までとにかく勝ちだけを目指して諦めずにがんばりたい。寒い富士でも強いと思います。こっちは柔らかいタイヤを使っても摩耗的には有利なので、そこでなんとか勝負を決めるしかないと思っています」と力強くコメントしている。
そして、ヨコハマタイヤ勢の筆頭となったリアライズ 日産自動車大学校GT-R。JPは米林エンジニアに同調するように、「最終戦の気温は低いだろう。タイヤのウォームアップはいままで以上に難しくなるだろうし、それだけにマザーシャシー勢やLEON PYRAMID AMGは無交換を狙ってくると思う」
「僕らとしてはあらゆる戦略を検討しなければならないだろう」と警戒を強めている。それでも、戦略にとらわれるのではなく、目の前のことに集中することだと強調した。
「何はともあれ、レースそのものに集中しないと。チャンピオンシップのことは考えるべきではない。まずはベストを尽くして、最後どうなるか見てみようじゃないか」