更新日: 2020.11.30 12:59
ホンダ 2020スーパーGT第8戦富士 レースレポート
2車の間隔がわずかながら縮まり始めたのは50周を過ぎた頃で、1周に1秒弱ずつギャップが縮まり始めました。しかし最終ラップに突入した段階で2車の間隔は2秒7あり、勝負はついたかに見えました。ところがフィニッシュ目前の最終コーナーでトップを走る37号車が突然スローダウンしました。
#100 RAYBRIG NSX-GT(山本)はストレートを立ち上がったところで37号車に追いつき、ついに首位に躍り出ると、その直後にチェッカーフラッグを受けました。この結果、NSX-GTは前戦に続き連勝を果たし、劇的な逆転優勝を遂げた#100 RAYBRIG NSX-GT(山本/牧野)がシリーズチャンピオンに輝くこととなりました。
レースをフィニッシュした#100 RAYBRIG NSX-GT(山本)は、チェッカーフラッグを受けた後に燃料を使い果たしウイニングラップ途中でコース上にマシンを止めました。まさに薄氷の勝利、全力を絞り尽くした大激戦でした。
#17 KEIHIN NSX-GT(塚越/バゲット)はシリーズランキング3位、#8 ARTA NSX-GT(野尻/福住)はシリーズランキング5位で2020年シーズンを終えました。
■コメント
山本尚貴(優勝)#100 RAYBRIG NSX-GT
「今年はスーパーGTで11年目のシーズンだったのですが、今日ほど自分の経験がすべて活きて、すべて自分が思い描いた通りになったレースは過去にはありません」
「スピードだけを比べたら37号車の方がチャンピオンにふさわしいレースをしていたのかもしれませんが、僕たちも、タイヤのセーブ、燃費のセーブなどについて常に無線でチームと確認し合いながらペースアップのタイミングも計っていたので、そのがんばりが報われたのかなと思います」
「スポンサーのレイブリックさんが今年でブランドを終了なさるという締めくくりのレースで、牧野選手とチャンピオンになり高橋国光総監督に表彰台の高いところに上がってもらい恩返しすることもできて本当にうれしいです」
牧野任祐(優勝)#100 RAYBRIG NSX-GT
「富士に入る前にチームといろんなことを準備してきたので、それがチャンピオンという形になってよかったです。今回のレースではタイヤのウォームアップが厳しいけれども、その後のペースは悪くないとは想定していました」
「でも、マシンを尚貴さんに引き継ぐ直前の段階では37号車と15秒も離れていて、そこからは見守ることしかできませんでした。正直、想像もできない結末になったのでチェッカーの瞬間は、何が起きたのかよく分からない気分でした」
「レイブリックというブランドのラストランをチャンピオン獲得という形で締めくくれて本当にうれしいです」
佐伯昌浩 株式会社本田技術研究所 Honda GT プロジェクトリーダー
「今日は、我々も燃料をギリギリまで使った厳しいレースでしたが、『クラス1』規定導入初年度にシリーズチャンピオンを獲得する結果となってたいへんうれしいです」
「コロナウイルスの影響で開発が遅れるなか、よくここまで来られたと思います。シリーズチャンピオンは獲りましたが、1シーズン戦い終えて我々が勝っているところ、劣っているところが明らかになりました」
「勝っているところはさらにそれを伸ばし、劣っているところは解決するということをしなければ来年はたいへんなことになると今から気を引きしめています。来年も引き続きHonda Racingへの応援をよろしくお願いします」