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投稿日: 2020.12.01 12:09
更新日: 2020.12.04 17:56

TGR TEAM SARD 2020スーパーGT第8戦富士 レースレポート


スーパーGT | TGR TEAM SARD 2020スーパーGT第8戦富士 レースレポート

■ウォームアップ走行

 29日(日)11時30分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、朝から冷え込み、気温9度/路面温度16度に。まず中山が決勝用セットの確認とタイヤのベディングのため1周走行。続いてスタート担当のヘイキが2周目から決勝ペースを確認。

 調子の良さを証明するかのように6周目にはトップタイムを叩き出した。最後に中山が勝負どころとなるアウトラップのシミュレーションを実施。ウォームアップ走行は、トータル9周を走行。6周目にマークした1分29秒528でトップとなった。

■決勝レース
第1スティント:ヘイキが不運なアクシデントで後退を喫す

 29日(日)13時決勝スタート時点は気温9度/路面温度17度と非常に寒くなった。グリッド上は人数限定ながらゲストも戻り、レースクイーンも6名のフルメンバーがようやく今季初めて揃って華やかな雰囲気が戻ってきた。当初フォーメーションラップ2周としていたが、隊列が整わずに異例の3周行われることに。レースは65周でチェッカーと1周短縮された。

 2番グリッドから不退転の覚悟でタイトル獲得に向けて突き進んでいったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、1コーナーこそ先頭集団は整然とクリアして行ったが、その後23号車が追い上げを見せ、序盤から混乱する出だしとなった。荒れた異様な雰囲気で各コーナーで接触をいとわない激しいポジション争いのなかで、5周目第13コーナーからGR Supraコーナーにて36号車が激しく接触してきて、左側ボディワークやフロアにまで大きなダメージを負い、左リヤタイアもパンクしてしまう不運なアクシデントに襲われてしまう。

 緊急ピットインでタイヤ交換とリペアを施して戦列に復帰したが、最後尾まで後退。その後もダメージの影響でクルマのバランスが大きく崩れてしまい、なかなか元のペースでは走ることは困難な状況に陥ってしまう。苦境となった中で、最少周回数となる22周を終えて中山と交代するべく、ヘイキをピットに呼び戻した。

第2スティント:中山が不屈の闘志で一時10位に挽回も、トラブルで万事休する

 厳しい状況に追い込まれクルマも手負いの状態となってしまったが、いつも通りの素早いピットワークで中山を送り出す。交代した中山も諦めない走りでアウトラップから攻め続け、回りのクルマがタイヤに状況に苦しむなか、50周目には10位とポイント圏内まで這い上がって挽回する不屈の闘志の走りを見せた。

 逆境にもかかわらず前に突き進む中山であったが、チェッカー間近の57周目にアクシデントの影響からかクルマに不具合が生じ再び緊急ピットインで万事休す。最終的に14位でフィニッシュという非常に悔しい結果となった。

 ドライバーポイントは獲得ならず、年間ドライバーズランキング9位(計42点)。チームポイントでは1点を獲得し、年間チームランキング8位(計64点)となった。新体制となった今季、最終戦までタイトル争いに加わり、戦う毎に強さを身につけてきたTGR TEAM SARD。来シーズンにつながる大きな成長振りを見せたシーズンとなった。

2020年スーパーGT第8戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
2020年スーパーGT第8戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)

■コメント
ヘイキ・コバライネン

「クルマの状況は抜群に良くて公式練習走行から良い流れで来ていたから勝利への手応えを感じていたけど、決勝5周目にヒットされてピットインを余儀なくされて順位を失って、最後はトラブルで非常に残念な今季の終わり方となってしまった。今季は異例な7月開幕で特殊なシーズンであったけれども、第5戦富士で優勝できて、最後までチャンピオンシップを戦えたことに、ジュイチサンを始めチームと、ドライビングパートナーのユウイチサンにとても感謝しているし、最後まで我々を信じて声援を送ってくれたパートナーやファンのみなさんに対して心から感謝している。また来シーズン、日本で走れることを楽しみに、このオフシーズンは久しぶりの故郷を楽しんでくるよ」

中山雄一

「チーム全員で話し合い、持ち込んだマシンは今季で一番調子良く、決勝を楽しみにしていました。序盤の接触で戦線離脱かと思いましたが、後半の自分のスティントでは他車もタイヤが厳しい状況で10位まで順位を戻すことができていただけに残念です。最終戦は最後まで強い戦いをして存在感を示したかったので、非常に悔しい結果になってしまいました。解決すべきことが山積みです。大変なシーズンとなりましたが、たくさんの応援をありがとうございました。応援していただいたみなさまがもっと楽しい思いをしてもらえるようなレースを来年は見せられるようにがんばります」

監督 脇阪寿一

「最後はTGR勢にまさかの厳しい結果になりました。我々も予選まで最高の仕上がりでクルマを持ち込んで、決勝は厳しい結果にこそなりましたが、優勝を狙って攻めの姿勢を貫き挑戦することができたことは、来シーズンに向けて大きな糧となりました。また最終戦の劇的な幕切れを見ても分かるとおり、このSUPER GTはギリギリまで攻めてほんの僅かな差で勝敗が決まる非常に高度なレベルの戦いになっていることを改めて思い知らされました」

「今季新体制のチームとして苦しみながらも上位を目指して一丸となって戦い抜けたことは大きな財産で、全力で戦い抜いたドライバー、メカニック、スタッフににまずはありがとうと伝えたく、彼らを誇りに思います。また、いつも私どもを応援してくださるみなさまと大勢のファンのみなさまに感謝申し上げます。来季に向けて一層の切磋琢磨して必ずやタイトル奪回をして、みなさまを笑顔にしたいと思います。引き続きご支援ご声援のほどよろしくお願い申し上げます」

2020年スーパーGT第8戦富士 中山雄一とヘイキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2020年スーパーGT第8戦富士 中山雄一とヘイキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)


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