更新日: 2021.04.07 23:11
“世界最速”の箱車レース、スーパーGT【開幕直前モータースポーツ入門ナビ】
予選はQ1~Q2のノックアウト形式を採用。決勝のレース距離は1000kmから250kmまでと幅広い距離での開催が可能だが、2020年シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、全戦が300kmレースとなった。
2021年シーズンは日本、タイ、マレーシアのアジア3カ国、8つのサーキットで戦われる予定だった。しかし、コロナ禍における渡航制限の問題などもあり、全8ラウンドを国内サーキットで実施するスケジュールに改められた。2019年にはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)とコラボし、日独それぞれのサーキットで交流戦、シリーズ参戦でレースが行われている。
スーパーGTでは、前戦までの獲得ポイントに応じてウエイト(重り)を積むサクセスウエイト制を採用してチャンピオンシップが進められる。
サクセスウエイトを搭載したマシンは車重が増すため、加速が鈍り、減速しにくくなる。ハンデウエイトを課すことで、同じチームのマシンが勝ち続けるということがなくなり、最終戦まで僅差のタイトル争いが展開されるシステムだ。
一方、シーズン開幕戦と最終戦では全車がサクセスウエイトを搭載せず、マシンのポテンシャルを最大限発揮できる状態でレースが展開される。
世界にさまざまなハコ車レースが存在するなかで、スーパーGTの高性能のカーボンモノコック、そしてメーカー独自開発の専用レーシングエンジンに加えて、ハード面での一番の特徴と言えるのがタイヤの開発競争が行われていることだ。
現在では国内外のほとんどのレースシリーズがワンメイクタイヤを採用するなか、スーパーGTではブリヂストン、ヨコハマタイヤ、ダンロップ、そしてフランスのミシュランと4メーカーがチームごとに専用タイヤを開発し、供給している。
レースの一番の特徴としては、GT500とGT300クラスの混走によるオーバーテイクの多さが上げられる。参戦台数の多さと混走、そしてピットストップで給油とタイヤ交換が行われることで順位変動が大きく、ファイナルラップまで目が離せない展開になることが多い。
市販車ベースのマシンで親近感があり、シャシー、エンジン、タイヤのハード面での開発競争に加え、2クラスの混走にピット作業、タイヤマネジメントなどソフト面でも勝敗を大きく分ける要因になるため見どころが多く、国内最大のレースカテゴリーとして多くの観客を魅了している。