LEON PYRAMID AMGは、隣のピットだったJLOC ランボルギーニ GT3が先にピットアウトしそうだったこともあり、通常どおりピットレーンと平行で停止。作業を行った。これがひとつポジションを上げた要因だ。

 トップを走っていたGAINER TANAX GT-Rは、思わぬアクシデントがあった。映像を確認するとともに、「ボックス!」とピットインの無線を出したものの、無線の影響かドライバーにうまく伝わらず、安田が1コーナーで確認してから伝わったことから、やはり1周の遅れになってしまった。

 GAINER TANAX GT-Rはその後トラフィックもあった上に斜め停止となったが、「斜め停止はなかなかうまく停止できないですよね。そこのズレでトラブルもありました」と福田洋介チーフエンジニア。「通常のピットインだったら勝てましたね……」と悔しがる。

 そして3番手だったリアライズ日産自動車大学校 GT-Rは、ピットレーンの指示を出したものの、やはりストレートを通過していた。「ドライバーには怒られました(笑)」というのは米林慎一チーフエンジニア。

「その次の周まで(セーフティカー導入を)待ってくれるのかな……と思っていたら、待ってくれていたので、そこは良かったです」という。翌周ピットインしたが、リアライズ日産自動車大学校 GT-Rも斜め停止となった。

 ただし、幸運だったのは「浅い角度の斜め」だったことだという。最終コーナー側の隣のピットはひとつ空き(ニスモ使用)で、さらにその隣にはMOTUL AUTECH GT-Rが停止していたが、ややずらしてくれたこと、さらに進行方向側のGT500クラスのリアライズコーポレーション ADVAN GT-Rが1周ピットインを待ってくれたことが大きく、浅い角度で停止できたことから、プッシュバックすることなくピットアウトできたのだという。プッシュバックはそれだけで2~3秒はかかる。

「24号車には申し訳なかったですけどね」と米林チーフエンジニア。ロスはあったが、これでトップに浮上できたことで、後半のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの走りが活きたかたちだ。

 それぞれ、ほんのわずかなロスがあったが、コース上では抜くための決め手に欠き、不用意にオーバーテイクを仕掛ければ後方からやられる、誰も抜けない4台のトップ争いとなっていた。やはり「フルコースイエローなら……」という声ももちろん多く聞かれたが、わずかな差が分けた今回のレースは、非常に緊迫感がある、ハイレベルなGT300を象徴するレースだったとも言えるだろう。

2021スーパーGT第1戦岡山 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
2021スーパーGT第1戦岡山 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)

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