GT300クラスは、Q1を2グループに分けて実施。それぞれ上位8台がQ2へと進出します。A組では今季よりGRスープラに車両をスイッチした、たかのこの湯 GR Supra GT 244号車の堤優威がトップタイムをマーク。K-tunes RC F GT3 96号車はベテラン新田守男が8番手タイムでQ2進出を決めました。
arto RC F GT3 35号車はシーズンエントリーのナタポン・ホートンカムに代わってドライブするジュリアーノ・アレジが初GTレースでの予選に挑みましたが、15番手でQ1敗退となりました。
B組ではやはり今季よりGRスープラにスイッチしたSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車の吉本大樹がトップタイム。僅差の2番手で川合孝汰の埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が続きました。
また、嵯峨宏紀がアタックしたTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車、織戸学のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車と2台のプリウスも6、7番手でQ2へ進出。Q2ではQ1に続きGRスープラのポールポジションが期待されましたが、僅かにライバルに上回られ、吉田広樹がアタックした52号車が2番手。三宅淳詞の244号車が5番手、河野駿佑の60号車が6番手。
96号車は今大会、シーズンエントリーの阪口晴南がGT500クラスに乗ることとなったため、昨年のFIA-F4チャンピオンで今季はスーパーフォーミュラ・ライツに参戦しているTGR-DC支援ドライバーの平良響が新田とのコンビでドライブ。初めてのGT戦でQ2アタックを担当し、7番手と好位置につけました。31号車は中山裕貴のドライブで10番手、30号車は永井宏明が15番手グリッドを獲得しました。
■決勝
11日(日)好天の下、気温19度、路面温度33度という暖かな春のコンディションで午後1時半に82周(300km)で競われる決勝レースのスタートが切られました。
阪口晴南がスタートを担当したポールポジションの37号車は好ダッシュを決めて後続を引き離し、2番手グリッドの14号車大嶋に3番手の36号車関口が並びかけましたが、順位は変わらず。上位勢はグリッド順のまま序盤戦に入りました。
上位が周回遅れに追いついてバトルが激化し始めた6周目に、ヘアピンで30号車がスピン。これにより8周目にセーフティカーが導入され、12周目にレース再開となりました。再スタート後もGRスープラ勢はトップ5を占めるなか、代役参戦ながら好走を見せる37号車の若き阪口晴南を、14号車のベテラン大嶋が激しく追撃。しかし、阪口晴南は懸命の走りで首位を堅守しました。
33周目、GT300車両がコース脇にストップしたため、セーフティカーが出る前にほとんどの車両が一斉にピットへと向かいました。大混乱となるピットで、首位につけていた37号車は若干タイムロス。山下へとドライバーチェンジした14号車が首位、坪井に代わった36号車が2位、中山雄一の39号車が3番手へと上がり、平川へと代わった37号車は4番手へと順位を落としてしまいました。
その直後にセーフティカーが出され、隊列を整えて40周目に再スタート。ピットインしていなかった1台に続く2位で再スタートを切った山下の14号車はすぐに首位を奪還すると、その後は追いすがる36号車坪井とのマッチレースになりました。
その後方では39号車の中山雄一に37号車平川が襲いかかり、56周目についに平川が3番手に浮上。この時点で3番手の37号車と2番手の36号車とは15秒もの差があり、首位争いは完全に14号車と36号車のバトルとなりました。
同じ25歳同士、若きドライバー2人による首位争いは後半戦ずっと続き、終盤には何度も並びかける展開となりましたが、14号車山下は懸命に凌ぎ、息をもつかせぬバトルが続きました。
残り8周となった75周目、勝負に出た36号車坪井はバックストレートで並び、続くヘアピンへの進入でブレーキング勝負となりましたが、ここで坪井は止まりきれず痛恨のオーバーラン。なんとかそのままグラベルを突っ切ってコースには復帰しましたが、14号車山下との差は9秒ほどに広がり万事休す。
厳しいタイヤの摩耗に苦しみながらも首位を堅守した14号車山下はこれで楽になり、そのままトップチェッカー。開幕戦を制するとともに、チーム創設2年目のTGR TEAM ENEOS ROOKIEに初勝利をもたらしました。
惜しくも逆転はならなかったものの最後まで健闘を見せた36号車が2位。37号車が3位。終盤後続の猛追を受けるも逃げ切った39号車が4位でチェッカーを受け、GRスープラは2021年の開幕戦をトップ4独占という好結果で終えました。38号車は6位でポイント獲得。19号車は12位に終わりました。
