決勝に先駆けて行われる20分間のウォームアップでは、永井選手が最初に#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTに乗り込むこととなった。周回ごとタイムを縮め、計測3周目には1分28秒884をマーク。そして、ちょうど折り返しの10分目に織戸選手と交代する。
その後、織戸選手は周回を重ねるのではなく、決勝中に使用するであろう、タイヤの皮剥きに専念することとなった。まさに準備万端で臨んだ決勝は、雲ひとつない青空の下で行われた。
2周にわたるフォーメーションラップの後、グリーンシグナルの点灯とともにバトルが開始される。スターティングドライバーの永井選手は、オープニングラップでジャンピングスタートのペナルティーの車両に抑えられる形となったが慎重に周回、18番手で周回する。
それでも前後をライバルに囲まれた状態で、ポジションアップの機会をうかがっていた永井選手であったが、6周目に入ると後方からトップを争うGT500クラスの集団が。スムーズに譲った直後のヘアピンで後続車両に追突されて、縁石をまたいだ形でストップしてしまう。
FROによるレスキューの後、自走してピットに戻った#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTのダメージは予想以上に大きく、その後の戦列復帰はかなわず。第1戦は無念のリタイアとなった。第2戦は富士スピードウェイで、ゴールデンウィークの5月3日~4日に開催される。今回の悔しさをすっきり晴らすようなテース展開を期待したい。
永井宏明選手
「本当に悔しいです。昨日よりもフィーリングは良くなっていて、入賞も可能ないいレースができるんじゃないかと思っていた矢先のアクシデントでした。500のクルマに譲った直後、後方を強く追突されてしまいました。復帰して走りたかったのですが、想像以上にダメージが大きくそれは叶わなかったです。次戦富士は、クルマも自分も相当走りこんでいるサーキットなので頑張ります!」
織戸学選手
「残念の一言。言葉もないです。しょうがないですね、今日は。アンラッキーでした。次の富士は僕のホームコース。頑張ります!」
金曽裕人監督
「開幕戦は波乱含みの展開になりやすいので、いろんな作戦立てて、永井選手をショートスティントでやろうと思っていました。なのに、あんな早い段階でぶつけられて終わってしまうとは……。永井選手も慎重にGT500をパスさせ非のない状況だったのに、『何で?』って感じでした。悔しいですし、本当にもったいない。次の富士に向けては、クルマとしてはそんなに得意としているコースではないですけど、500kmという長いレースは我々が得意とするところ。クルマのパフォーマンスをもっともっと上げて、しっかり戦ってもらえるよう準備していきます」