性能向上面の準備はしているが「その前にやらなければいけないことがあった」と佐々木氏は言う。実は20年は「他愛もない部品」の不具合により、エンジンが持つポテンシャルをフルに引き出すことができない状態での走りを強いられていた。

「後半戦で37号車に我慢して走ってもらったのは、不具合を抱えていたからです。20年前半のエンジンはウイークポイントを抱えたままレースをしていました。第1戦や第2戦で不具合が起きていれば後半戦に投入する2基目で対策をとることができたのですが、間に合わないタイミングで発覚したので、終盤戦も性能を出し切ることができませんでした」

 燃焼圧を上げると具合の悪い症状が起きてしまうので、セーブせざるを得ない。レース中にオーバーテイクしたいときはパワーを優先するマップに切り換えたが、長時間使うわけにはいかないので恐る恐るだった。

「レース中にオーバーテイクでパワーを使わなかったら寿命が残るので、そのぶんは次に使える。そういうやりくりをしていました。21年はそこが解消したので、20年の段階でもともと持っていたポテンシャルが使えることになります。20年も予選ではフルに性能を出していたのですが、21年は使える時間が長くなるので、そうなるとレースの戦況もだいぶ変わってくると思います」

 そのうえで「プラスアルファを検討中」で「ふたを開けてのお楽しみ」と気を持たせる。

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 この他、シミュレーション技術の向上が開発にもたらした変化など、2021年シーズンに向けたトヨタ陣営の開発の全容は、本日5月1日発売のauto sport臨時増刊『2021スーパーGT公式ガイドブック』内にて詳しく語られている。

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