更新日: 2021.06.29 11:56
ジュリアーノ・アレジが持つ『卒業生との共通点』とは。代役ドライバーについて考える【トムス東條のB型マインド/第3回】
スーパーGTの方ではサッシャ・フェネストラズ選手が、シーズン半ばにして未だ未入国。噂によると、何時でも日本へ飛べるようドバイで待機しており、毎日トレーニングに勤しんでいるとの事なのですが、暑いドバイでトレーニングはねぇ……。まぁ、ビールでしょうね(現在は欧州へ戻っているようです)。
サッシャの代わりにスーパーGTの37号車KeePer号で平川亮選手の相棒を務めるのは、阪口晴南選手。線の細い控えめな印象ながら、開幕戦ではポールポジションを決める大活躍。圧倒的なスピードで、GT500の主役に躍り出ました。
オフシーズンのテストからチームに参加しており、レギュラーとは遜色のないタイムとスピード感がありましたので、ある意味ポールポジションは当然だったのかもしれません。
続く富士では、難しい第2スティントを粘りに粘って連続表彰台を確保し、現在のシリーズポイントは3番手。チャンピオンを狙える好位置につけているのです。もはや代役にしておくにはもったいなく、サッシャの入国タイミングいかんでは、その舵取りが難しくなりそうに感じています。
それはさておき、これまでのGTでの活躍やスーパーフォーミュラ39号車でのスピード感を見れば、放っておく選択肢はどこにもないはずですから、来季のGT500は晴南の争奪戦になりそうです。
小林可夢偉選手もWEC参戦のため、SFを留守にしています。その代役として、トムスSFLで1号車をドライブする予定であった小高一斗選手が、KCMGチームへ出向しています。
ジュリアーノとは違って、SFLとのWエントリーはしておらず、開幕戦からSF1本に集中してはいるものの、思うような結果を得られず悔しい気持ちでいるのは痛いほど分かります。他チームとはいえトムスのドライバーですから相談にはのりますが、最終的には一斗自身の取り組みが大切なのです。
一斗が来季レギュラーでドライブする為には、現状打破するような結果が必要です。
ここでいう結果というのは、単にレースの成績だけではありません。ドライバーとしての能力や、チームを強くするための人間力も含め、総合力としての結果が求められるポジションにいるという事です。ようやくここまでたどり着いたのだから、強い気持ちをもって取り組んでほしいと思います。
そして一斗不在のSFL1号車を、FIA-F4から野中誠太選手がドライブしています。
まだまだレース経験が浅く、繊細なドライビングを必要とするSFLにてこずってはいるものの、何度かの表彰台を確保しています。この事から来季のF4は参戦不可能となるため、SFLへ継続参戦するには、周囲を納得させるだけの結果が求められるはずです。チャンスを活かすようなドライビングに期待しましょう。