更新日: 2021.07.20 18:33
TGR TEAM SARD 2021スーパーGT第4戦もてぎ レースレポート
2021 スーパーGT第4戦『MOTEGI GT 300km RACE』(7/17〜18)
ツインリンクもてぎ(1周4.801km)
7月18日(日)、2ヶ月半ぶりの開催となったスーパーGT第4戦『MOTEGI GT 300km RACE』の決勝が行われ、12番グリッドからの巻き返しで進取果敢に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、スタート担当のヘイキが抜きにくい「もてぎ」で前を攻め倦ねるも、前走車をオーバーテイクするとペースアップ。順位を上げて2ndスティント担当の中山雄一にバトンタッチ。
後半は2度のFCY導入の波乱があったが、レース終盤には後続を引き離しトップと遜色ないペースで周回を重ね、結果、予選から2つ順位を上げ10位フィニッシュ。開幕から3戦連続となる貴重なポイントを獲得した。
ドライバーポイントは1点(計14点)加算しランキング8位、チームポイントは4点(計23点)を獲得しランキング7位に。次戦は、8月21日(土)・22日(日)に鈴鹿サーキットで第3戦(延期戦)として開催される。
■事前情報
2021年シーズン前半2戦を終え現在ランキング5位につけるDENSO KOBELCO SARD GR Supra。第3戦鈴鹿は新型コロナウイルス感染拡大の影響で8月末に延期され、シーズン中に約2ヶ月半と異例のインターバルで開催される第4戦『MOTEGI GT 300kmRACE』。
7月17日(土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、18日(日)決勝は13時10分スタート、300km(63周:約2時間)で争われる。ドライバー交代を伴うピットストップは1回が義務付けで、サクセスウエイトは、現獲得ポイントの倍となる26kgを搭載する。もてぎでの重量増によるタイムの落ち込みは、26kgだと約0.5~0.6秒と大きい。
この第4戦も引き続き様々な感染防止対策や人数制限を講じながらの開催。コースは、ストップ&ゴーとテクニカルな区間が組み合わされ、暑い時期での開催でブレーキにもタイヤにも厳しく、抜きどころも少ない難コース。
シリーズの中でも予選順位が重要視されるコースであるが、サクセスウエイト重量が重くのしかかってくる。シリーズ前半戦をよい形で固めていくためにも、このもてぎでの勝利を強く望むところ。脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって、強く素早い決断力で大胆に突き進み、進取果敢に勝利を狙っていった。
■公式練習走行
17日(土)9時20分から開始された公式練習走行は、朝から真夏の到来といった強い日差しの晴天。気温26度/路面温度31度のコンディションの中、85分間の混走セッションが開始された。
中山がまずはクルマの確認とFCY速度キャリブレーションのためソフト側ドライタイヤを装着してアウトイン。続いてそのままタイヤ評価のため再びコースイン、6周目に1分40秒466のその時点で8番手タイムをマーク。8周目からはハード側タイヤを装着。13周目に1分40秒827と13番手タイム。一旦ピットインしてアンダー傾向であったためバランスの調整を施し、中山が再度コースインして車両のベストセットを探っていった。
そして、新カラーリングのNewヘルメットを被ったヘイキが21周目からハード側タイヤでロングランを実施。FCY速度キャリブレを挟みながら1分42秒~43秒台のペースで17周を走行。後半はリアが流れやすい状態となり、決勝へ向けても更なる車両セットの煮詰めが必要な状況となった。混走セッションは最初にマークした1分40秒466のタイムで15番手に。
10分間のGT500単独セッションでは、気温29度/路面温度40度に上昇したコンディションの中、持ち込みタイヤ本数制限から中山が予選で使用しない見込みのハード側タイヤでアタックシミュレーションを実施。公式練習走行の走行データからセット変更を行い、更にピークグリップの合わせ込みを狙った走りで1分39秒407の12番手のタイムをマーク。公式練習走行ではトータル43周を走行。その後のFCYテスト走行ではヘイキがクルマのセット変更後のフィーリングを確認するために11周ほどドライブ。両ドライバーのコメントから、午後の予選へ向けて更なるクルマの大きな改善が必要に迫られる公式練習走行となった。
■公式予選
Q1:中山が超僅差のQ1で12位に
17日(土)Q1開始時点で、気温32度/路面温度43度ながら体感は非常に暑く、強い日差しが照りつけ路面温度は50度を超えている箇所もあるほどの灼熱のコンディション。残り7分ほどでコースインしたファーストアタッカーの中山。インターバルの間にエンジニア陣に対し、しっかりとクルマの状況と意見を出し、クルマの改善に努め気合い十分に乗り込んだ中山。予選での上位を狙ってソフト側タイヤを装着してコースイン。
タイヤのウォームアップも良く狙った3周目にアタックを開始してセクター1で自己ベストとなる24秒台に入れてくる。セクター3も26秒台を切ろうかという勢いで駆け抜けていく。セクター3で自己ベスト更新ならずも、セクター4で巻き返し、1分38秒886と午前中のGT500単独セッションでの6位以内となるQ2進出圏内のタイムを叩き出す。
だがセッション終了まで僅かに残った最後の時間帯でライバル勢がタイムを上回ってくる。超僅差のアタック合戦となったQ1で突破ならずの12位となった。決勝へ向けて別の要求がされるセットに関して、一層のクルマの改善が必要となり、予選後はチーム内の意見交換に時間を割いて、エンジニアもそれに応えるべくデータの解析に時間をかけて懸命に取り組んだ。