気温34度、路面温度51度と土曜日よりさらに過酷なコンデイションとなった決勝は静かに始まりました。タイヤをいかに守りレースを組み立てるか、そこに誰もが集中しているようでした。スタートを担当した堤も冷静にGRスープラをドライブ。2番手のポジションをキープします。
ポイントリーダーでサクセスウエイトの重い3番手56号車は次第に離れて、トップの11号車を追撃できるチャンスはあったものの、タイヤを壊してしまえばレース展開も壊してしまうので堤は自重。トップと1秒4のギャップを維持して予定通りに25周目にピットインしました。奇しくも前を走る11号車とそれは同時でした。
三宅にドライバー交代、4輪交換と給油を終えて大きなミスなく送り出したものの、11号車との差は大きく開き、先にピットを済ませた片側2輪交換の4号車にも先行されていました。さらに28周目にピットインした同じGRスープラの52号車はアウトラップでとらえたものの33周目には再び先行を許しました。
フルコースイエロー(FCY)のタイミングにルーティンピットを合わせることに成功した2号車がトップを維持して、40周目の時点でたかのこの湯 GR Supra GTは5番手。ここから三宅はコンスタントにラップタイムを刻み、グリップダウンに苦しむ4号車をV字コーナーでとらえて56周目には4番手に浮上。チーム最高位となる4位でゴールしました。これがヨコハマタイヤ・ユーザーとしてGT300クラス最高位でもありました。
「ピットでの時間など課題があります。大きな失敗がないのにピットで離されてしまったのは燃費の攻め方とかそのあたりかもしれません。優勝を争うためには、細かいところを改善していく必要がありますね。同じGRスープラで同じ4輪交換で52号車はアウトラップが強烈に速かったので、かなり余裕があることはすぐにわかりました。駆け引きできるレベルまでまだきていませんね。やっと同じ土俵に立てたそんな感じです」
「しかし第2戦からの進化幅でみたときに、大きな手応えがありました。堤はがんばってトップ争いしてくれましたし、三宅も後半のペースがよく、いい走りをしてくれました。欲を言えば、三宅がスティントの序盤にタイヤマネージメントでペースを抑えすぎの部分もありました。堤はタイヤのコンペティションがある86/BRZレースに出ているのでタイヤがタレたなかで戦うことに慣れていますが、三宅が乗っているフォーミュラやスーパー耐久ではコントロールタイヤなのでそこまでタレない」
「上位争いのなか、そうした経験を積んでいくことで改善できるはずです。本人が一番そのことをわかっているでしょう。もてぎは比較的タイヤに優しいコース。次の鈴鹿はタイヤに厳しいコースですが、ここでも力強く戦いたいと思います」(哲也監督)。
GRスープラの武器は中高速コーナーのスピード。次戦鈴鹿においても、ベースセットが定まった、たかのこの湯 GR Supra GTと、スーパーGTを“猛勉強中”の三宅と堤の活躍にご注目ください。

■コメント
三宅敦詞
「ボクたちのクルマはS字コーナーが圧倒的に速かったので、4号車を抜くときにはS字の立ち上がりで並んでV字コーナーで抜くことができました。前半スティントをみていて後半タレていたので、それよりも長い距離を走ることから摩耗やタレを懸念してスティントの前半を抑えすぎたのが反省点です。もっとプッシュすれば4号車を早く抜けてあんなに離されなかったかもしれません。次はボクの地元でもあり得意な鈴鹿サーキットが舞台なのでがんばります」
堤優威
「スタート直後、56号車が少し離れてくれたので、抜かれずにポジションキープできたのはよかったです。後半、11号車のペースが落ちてきて、いけるかなと思ったのですがGT500車両との兼ね合いで、少し離れる場面もあり仕掛けるところまでいきませんでした。ただ、ミスなく自分ができる限りのことはできました。クルマもタイヤも申し分なかったです」
「今後見直すとすると、どこであの遅れが出たのか……。11号車と同時にピットに入ったのですが、出たら10数秒離れていました。ひとつひとつ原因究明していかないと勝てないなと思いました。後半の三宅選手もミスなく走ってくれて、結果的にヨコハマ勢トップでゴールできたのはよかったと思います」

