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投稿日: 2021.08.24 20:48
更新日: 2021.08.24 20:51

Yogibo 2021スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート


スーパーGT | Yogibo 2021スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

2021 Round.3 Suzuka

第3戦 鈴鹿サーキット
Suzuka Circuit(JPN)
August 21[SAT]- August 22[SUN]
Yogibo NSX GT3[GT300 class]
Ryo Michigami
Shogo Mitsuyama

Qualify:11th
Race:13th

悲願のポイント獲得に届かずも、“戦える”手ごたえを得る

土曜公式練習/公式予選

 4月の第1戦から、毎戦たしかな成長を遂げ、ひとつずつ目標をクリアしスーパーGTを戦ってきたYogibo Drago CORSE。シーズンの折り返しとなる今季4戦目のレースは、当初5月末に開催が予定されていた第3戦鈴鹿。新型コロナウイルス感染拡大による三重県のまん延防止等重点措置のため延期されていたレースだ。Yogibo Drago CORSEにとっては、比較的得意としているコースのひとつ。8月21日(土)の公式練習から、チームは気合十分で望んだ。

 事前に雨の天気予報も出ていたが、この日の鈴鹿は時折細かな雨が舞うものの、ドライコンディションで午前9時からの公式練習がスタートした。Yogibo NSX GT3は道上龍がステアリングを握りコースイン。ただ、オーバーステアが強く乗りづらさがあった。道上はピットインを繰り返しながら、セットアップを進めていくと、Yogibo NSX GT3のフィーリングは好転。密山祥吾に交代。雨のため思うような周回をこなすことができなかったが、午後の公式予選に向けて好感触を得ていった。

 午後2時30分からスタートした公式予選では、Q1のA組からQ2突破を目指し道上がアタックを担った。午前からの好感触はそのままに道上はアタックを展開すると、なんとQ1A組の2番手となる1分58秒350をマーク。それでも、スプーンカーブで前車がコースアウトしたことで「一瞬躊躇した」アタックでのタイムで、トップも見えていたものだった。

 その勢いのまま、午後3時23分からのQ2に臨んだ密山は、鈴鹿でNSX GT3をドライで駆るのはほぼ初めての状態。ただ、それでも1分59秒378をマーク。11番手につけてみせた。

 公式練習での周回数も少なく、ドライでほぼ乗れていないことから「まだ高速コーナーで合わせ込めていない。まだ道上さんのように乗れていない」と密山は悔しがったが、それでもラップを重ねれば、さらにタイムアップは可能だったという。ポイント圏内も見据えるスターティンググリッド獲得に、チームは非常に良い雰囲気で予選日を終えることになった。

日曜日/決勝レース

 ポイント獲得への期待を高めながら、迎えた8月22日(日)の決勝日。朝方こそ曇り空だった鈴鹿サーキットだが、ウォームアップが近づく頃になると少しずつ晴れ間が見えはじめ、夏の陽気となっていった。決勝レース直前のウォームアップでは、GT300車両が130Rでクラッシュ。コース補修等もあり、10分遅れの午後2時48分に決勝レースの火ぶたが切られた。

 スタートドライバーは、今回も道上が務めた。前日、好パフォーマンスをみせたタイヤを履いて、上位争いを展開していった道上だったが、フィーリングは良好。ただ、ひとつ懸念はそのタイヤがどの程度保つかだ。

 レースは5周目、GT500の首位のマシンが日立Astemoシケインでクラッシュしたことから、セーフティカー導入となってしまう。レースリスタート後も道上は前を追い、セーフティカー中の他車のピットインにともない10 番手。さらに14周目には#21アウディをかわし、9番手へ。宿願のポイントが見えはじめていた。

 ピットからは、道上のタイヤの状況を聞きながら、どのタイミングでピットインするかを見極めていく。このタイミングが良ければ、さらなる上位進出も可能だ。最終的にチームは20周を終えた段階でYogibo NSX GT3をピットに戻し、道上から密山に交代。ピット作業も良好で、密山はコースに戻っていった。

 ただ交代直後、タイヤに熱が入りグリップが上がるまで、密山は集団のなかで必死のバトルを強いられることになる。スーパーGTドライバーにとっては腕の見せどころだが、ここを耐え抜いた密山は、10番手としっかりポイント圏内を守りながらレース後半を戦っていった。ペースは非常に良好で、ライバルたちをどんどん引き離していく。

 しかし、レースが終盤に近づく頃になると、少しずつ密山はタイヤが厳しくなっていくことを感じ取った。特にリヤタイヤが厳しく、コントロールが難しくなっていく。道上のスティントではセーフティカーランもありタイヤが守れたが、道上よりも密山の方がスティントが長く、ずっとレースラップで走っているとタイヤには負担が大きい。後方から#55 NSX GT3が近づくと、密山は39周目にひとつポジションを下げてしまった。

 そんななか、思わぬアクシデントが起きる。42周目、密山の後方からGT500クラスの集団が近づいた。冷静に進路を空け高速コーナーの130Rに飛び込んだが、GT500車両の起こした空気の乱流により、Yogibo NSX GT3のフロントのダウンフォースが急激に失われてしまったのだ。密山はたまらずランオフエリアにコースアウトを喫してしまった。

 しかし不幸中の幸いか、2台の先行を許したものの、無傷でコースに戻ることには成功した。その後も密山は懸命にYogibo NSX GT3をチェッカーまで導いた。結果は13位。トップ10に与えられるポイント獲得は残念ながら今回も届かなかった。

 ただチームの表情は明るかった。いよいよポイントを争い、戦える手ごたえを得たのだ。チームワークもどんどん良くなっている。次戦に向け、Yogibo Drago CORSEのメンバーは新たなステップを踏んだことを実感した。

2021スーパーGT第3戦鈴鹿 Yogibo NSX GT3(道上龍/密山祥吾)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 Yogibo NSX GT3(道上龍/密山祥吾)

■コメント
芳賀美里監督

「今までとは違った意味での悔しいレースですね。公式予選では今季最高位からスタートすることができましたし、ポイント獲得に手が届きそうなところでのレースだったので、今後に向けて手ごたえがあるレースができたのではないでしょうか。これまで大きく手を伸ばさなければいけなかった得点圏内が、4レース目にしてつかめるところに来ました。個人的にも、チームにひとつしかない緊急無線を任せていただいたりと、情報の取捨選択をすることができましたし、エンジニアとのチームワークも深めることができました」

「スポーツランドSUGOでの次戦はアクシデントが多いコースと聞いていますし、余計なクラッシュやタイムロスがないようにしたいですね。もちろん、まだノーポイントの状態ですし、ファンのみなさんともなかなかコミュニケーションが取れていませんが、次戦こそみなさんにポイントを獲って良い結果の報告ができるようにしたいですね」

道上龍

「今回は予選で自分としても速さをみせることができましたし、決勝でも悪くないペースで走れていました。ただ、ピットインのタイミング、またタイヤがどの程度保つか分からないなかで、結果的に密山選手の周回数が少し長く、その点では厳しくなってしまいました。あと少しでポイントを獲れたのですが、遠いですね。とはいえ、予選での2番手は自分のなかでも『まだまだやれるな』という自信になりました」

「次戦スポーツランドSUGOもNSX GT3にとってはそこまで相性が悪いサーキットではないと思っていますが、アクシデントも多いですし難しいコースです。そういったレースで上位に食い込むことができれば良いですよね。頑張ります」

密山祥吾

「とても良いレースを展開できていましたし、GT300クラス全体でもかなり速いペースでレースを進められていました。ただ、今回初めて履いたタイヤでロングランが十分試せておらず、終盤6~7周くらいは本当に苦しくなってしまったので、タラレバになってしまいますが、道上選手のスティントがあともう少し長い方が良かったのかな、と思いますね」

「とは言え、今週末は戦える手ごたえがありましたし、戦略面であと少し頑張れれば、ポイントも獲れたと思います。反省点を次に活かしたいですし、こういった悔しさを感じることができるようになってきたのも進歩だと思っています。次戦のスポーツランドSUG でも頑張っていきたいです」

Information

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 その爽やかなカラーリング、スタイリッシュさで、モータースポーツファンの中での存在感も増しているYogibo Drago CORSE。そんなチームとの一体感を味わえる、チームオフィシャルグッズが発売中だ。現在パーカー(4カラー)、Tシャツ、キャップ(2カラー)、マスク(2カラー)、カーナンバーとふたりのドライバー名が記されたフェイスタオルが発売中。いずれもファッショナブルで、サーキットで、日常生活で使いたい。Yogibo
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https://racing-store.yogibo.jp


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