更新日: 2021.09.24 11:41
スーパーGTで勝率約8割! 勝てるタイヤ、ブリヂストンPOTENZA。強さの秘密と歴史をひもとく
2020年のGT500チャンピオンの山本尚貴、そして牧野任祐は、ブリヂストン・ポテンザの強みと信頼感、そしてブリヂストンのエンジニアに対する思いを次のように語ってくれた。
2018年に続いて、昨年2度目のスーパーGT500クラスのチャンピオンに輝いた山本尚貴に、まずスーパーGT500クラスでのブリヂストンタイヤの強みについて聞く。
「スーパーGTでのブリヂストンのタイヤに関しては、とにかく強みの部分がたくさんあるのですが、あえてひと言で言えば『速くて強いタイヤ』であることですね。速いタイヤを作ろうとするとレースで厳しくなります。スーパーGTの300kmのレースでタイヤ交換があるので150kmずつとはいえ、その距離を高グリップで耐摩耗性の両方、速さと強さのバランスを両立させることはすごく難しい。そこがタイヤ屋さんの一番の腕の見せどころですが、そこがやはりブリヂストンタイヤの優れているところですね」と山本。
スーパーGTでは毎戦、各チームごとに合わせたいわゆるスペシャルタイヤが開発・供給されているわけだが、ブリヂストンタイヤのタイヤ自体のパフォーマンスだけでなく、その開発精度、そして開発速度も大きな強みになっているようだ。山本はこう続けた。
「タイヤ自体だけでなく、僕がサーキットの現場で一番、ブリヂストンに絶大な信頼を寄せているのは、やはり現場のタイヤエンジニアさんの存在ですね。スーパーGTには毎戦、タイヤの開発が欠かせません。今の問題点、課題、そして良い部分を共有して、良い部分を残しながらどう課題を打ち消すにはどんなタイヤ作りをしていけばいいかを話し合って、そして次のレースにそのフィードバックを活かしたタイヤを次のレース、またはテストまでに持ち込んでくれる。その対応、開発の早さ、そのドライバーのコメントのニュアンスを読み取ってくれる能力の高さはブリヂストンの最大の武器だと思っています」
「やはり、最後は人間と人間の細かいコミュニケーションや信頼性ですよね。現在のスーパーGT500クラスでは、タイヤパフォーマンスは大きなファクター。昨年チャンピオンを獲得できたのは、まさにブリヂストンタイヤのパフォーマンスによるところが大きかった。今のスーパーGTでのタイヤ開発は複雑ですけど、その分、とてもやりがいや楽しさがあります。個人的にはモータースポーツのタイヤ開発で培った経験がたくさんありますので、ブリヂストンの市販タイヤの開発にも興味がありますね」
昨年に続いて今季、山本とタッグを組むチームメイトの牧野任祐にも、ブリヂストンタイヤの印象、そして強みを聞いた。
「僕は昨シーズンからGT500クラスでブリヂストンタイヤを履かせてもらったのですけど、最初に乗った印象は意外と柔らかいフィーリングのタイヤでしたね。柔らかくて動くイメージなのですが、グリップも把握しやすくて、それがレースペースやロングランでの強みになっていると思います。昨年の最終戦でチャンピオンを獲得できたのはブリヂストンさんが用意してくれたタイヤで、それまで僕たちが悩んでいた問題を解決してくれたタイヤでした。あのタイヤがなければ、本当にチャンピオンを獲れていなかったと思うので、本当に素晴らしいタイヤだったと思います」
今年もシーズンの半分の5戦を終えて、山本と牧野がブリヂストンタイヤを装着するSTANLEY NSX-GTがランキングトップに立っている。ブリヂストンタイヤがGT500チャンピオンの歴史がまた更新することは今年も間違いなさそうだ。