更新日: 2021.10.23 23:10
LMcorsa 2021スーパーGT第6戦オートポリス 予選レポート
S-GT2021 Rd6 AutoPolis QF
LMcorsa REPORT
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
サクセスウエイトの影響を感じさせない走りを見せたSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは、予選Q1を担当した河野選手が3番手でB組を突破し、吉本選手が予選Q2で6番手を獲得。決勝レースは6番手から上位入賞を目指す
緊急事態宣言とまん延防止等重点処置が全国的に解除されて初の本戦となったAUTOBACS SUPER GT 2021 SERIES第6戦『AUTOPOLIS GT 300km RACE』が大分県のオートポリスで開催されている。一部の大会では延期による日程変更があったものの今季のSUPER GTはここまで順調に5戦が終了していて、どのサーキットも来場者数の制限はあったが有観客で行われてきた。
今季からニューマシンのGR Supra GTを導入したLMcorsa。開幕戦からポテンシャルの高さを発揮し、2戦目では早くも優勝を果たした。この結果により、続くツインリンクもてぎ戦をポイントリーダーで迎えることとなった。だが、GT300クラスのサクセスウエイト(ウエイトハンデ)が今シーズンからポイント×3kgとなったこともあり、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは69kgのウエイトを搭載する必要があった。ツインリンクもてぎ戦、続く鈴鹿サーキット戦もこのサクセスウエイトに苦しめられてトップ10内に入ることが叶わなかった。
それでもニューマシンの素性の良さはチームとドライバーともに感じていて、シーズン後半での挽回を目指していた。そしてSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTと相性がよいと言われていた第5戦スポーツランドSUGOでは予想どおりに予選で3番手を獲得。決勝レースでも表彰台圏内を走行するが、不運なアクシデントに巻き込まれて5位でレースを終えた。残念な展開だったが2戦ぶりに6ポイントを加算し、トップから10ポイント差の29ポイントで今回の第6戦を迎えることとなった。
迎えたSUPER GT第6戦のオートポリスは10月23日(土)に公式練習と予選、24日(日)に300kmの決勝レースが行われる。2年ぶりにSUPER GTのマシンがオートポリスに戻ってきたことや緊急事態宣言が解除される影響もあり予選日から多くの観客がサーキットを訪れていた。
走り始めとなった公式練習は9時15分から11時10分までの予定となっていたが、アクシデントやコース上でストップした車両回収のために赤旗が提示され、セッションは数回にわたってストップ。そのため11時20分まで延長して公式練習は実施された。
まずSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTには吉本大樹選手が乗り込み、マシンの状況とタイヤのチェックを行った。コースコンディションと車両状態やタイヤがマッチしていたといい、想定していたメニューは順調に消化する。20周を走行したところで吉本選手から河野駿佑選手へバトンタッチ。ロングランでのタイヤの状況を確認し、最後はタイムアタックのシミュレーションを行った。公式練習の結果は、河野選手がマークした1分44秒092がベストタイムでGT300クラスの29台中8番手となった。
気象データ
気温:10度、路面温度:16度(公式練習開始時)
気温:19度、路面温度:26度(予選Q1)
予選
公式練習のあとにはFCY(フルコースイエロー)のテストが設けられていて、河野選手が10周を走行し予選前の最終確認を行った。予選は予定されていた13時40分から15分遅れの13時55分にGT300クラスのA組がスタート。GT300クラスの予選はアタック時の混雑を防ぐために2組にわけられていて、LMcorsaはB組に振り分けられていた。
予選Q1は河野選手が担当し、コースインから3周をウォームアップに使い4周目にアタックを開始。セクター1、2ともに自己ベストタイムを更新するとテクニカルで登りのセクター3は全体ベストタイムをマークする。結果として1分42秒938を記録し、B組の3番手で予選Q1を突破した。予選Q2は吉本選手がSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTに乗り込み、河野選手と同様に3周をウォームアップに使う。4周目にミスなくアタックをまとめて1分43秒605をマークし予選を6番手で終えた。
苦戦も予想していたオートポリス戦だったが、公式練習の走り始めから好感触で予選も想定以上の順位を獲得した。シリーズチャンピオンに向けて決勝レースは少しでも多くのポイントを積みかさねられるようにチーム一丸で戦っていく。
■コメント
飯田章監督
「サクセスウエイトの影響などを考えると厳しい戦いになることが予想されました。ですが、チームやエンジニアの頑張りもあって公式練習から好感触で走れました。ドライバーからも良いコメントが返ってきていて、走り始めから想定以上のタイムをマークしていました。予選Q1は河野選手が完璧なアタックで突破し、決勝レースは6番手からのスタートとなりました。ダンロップタイヤと路面状況ともマッチしているようで決勝レースの展開が楽しみです」
吉本大樹選手
「公式練習の最初は路面温度が低かったことやコンディションを確認するために待機していました。コースインしてからは順調にメニューを消化しましたが、赤旗が連続したのでロングランのテストが行えませんでした。それでも全体的に感触はよく、予選に向けては多少のアジャストで挑みました。予選Q1は河野選手が突破してくれて予選Q2を担当したのですが、ウォームアップが想定以上に良くアタックのタイミングが合いませんでした。それでも決勝レースは6番手からスタートできるので確実にポイントを積み重ねたいです」
河野駿佑選手
「公式練習は本来ならば決勝レースを見据えたタイヤの確認をしたかったのですが、数回の赤旗によって周回数を稼げませんでした。マシンの状況は良くGT300の専有走行では予選を想定したシミュレーションを実施しました。このタイミングでも赤旗が出て思うようなアタックができませんでしたが、予選に向けては好感触でした。予選Q1では専有走行での課題を意識して走り、ベストなアタックができました。6番手という順位は想定以上だと思うので、決勝レースに期待が持てます。チャンピオンへ向けては取りこぼしできないレースなので、少しでも好結果を残したいです」