更新日: 2021.10.26 17:57
ブリヂストン 2021スーパーGT第6戦オートポリス レースレポート
2021年 SUPER GT 第6戦 オートポリス
開催場所:オートポリス
開催日:2021年10月23日(土)〜 2021年10月24日(日)
■GT500
野尻智紀/福住仁嶺(ARTA NSX GT/BS)が今季初勝利
前戦の菅生と同じく昨年はコロナ禍で開催が見送られたオートポリス。2年ぶりに九州・大分県にスーパーGTが帰ってきた。菅生でトップを快走しながらピット作業違反で後退してしまった野尻智紀/福住仁嶺(ARTA NSX GT/BS)は、予選4番手からスタートし、ピットインのタイミングでトップに立ち、レース半ばから2位以下を引き離して今季初勝利。ランキングも上げて、残り2戦にチャンピオンの可能性を生み出した。
予選
10月に入って、一気に秋の様相が深まって来た。九州の阿蘇外輪山の一角にあるオートポリスも日差しはさすものの冷たい風が吹くコンディション。この第6戦は、サクセスウェイトが最大になる大会。ウェイトが軽く、24kgの笹原右京/大湯都史樹(Red BULL MOTUL MUGEN NSX-GT/DL)と10kgの伊沢拓也/大津弘樹(Modulo NSX-GT/DL)の2台が予選の主導権を握っていたが、70kg(実ウェイト36キロ+燃料リストリクター2段階)と重いウェイトを積みながら大嶋和也/山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra/BS)がこの2台に割って入る健闘を見せ、4番手に野尻/福住組が位置した。
決勝
予想よりも低めの温度となった決勝日だった。大嶋/山下組がスタート直後から一気にダッシュ、トップを奪った。大嶋/山下組は前戦でエンジントラブルによってリタイヤしており、エンジン交換を行なっているので決勝中にピットストップペナルティを消化しなくてはならなかったので、そのために序盤で順位を上げる作戦に出た。大嶋/山下組がペナルティを消化すると笹原/大湯組と伊沢/大津組が1-2体制となった。
65周レースの序盤に大きなアクシデントが続出、2回セーフティカーが導入された。1回目のセーフティカーランが明けた直後にトップの笹原/大湯組にアクシデントが発生。左リヤタイヤが外れてリタイヤ。その直後にGT300クラスのクラッシュが発生して2回目のセーフティカーが導入された。セーフティカーランが開けるとピットインのタイミングを迎えていたので大多数の車両がドライバー交代を行なった。
ここで野尻/福住組がトップに立つ。僅差で伊沢/大津が追ったが、徐々にペースを落として後退、野尻/福住組が優勝。終盤追い上げてきた立川祐路/石浦宏明(ZENT CERUMO GR Supra/BS)が2位でゴール。今季初表彰台を獲得した。
■優勝ドライバーコメント
野尻智紀選手
「皆さんご存知のとおり、これまでなかなか結果につながらないシーズンを過ごしてきました。毎戦終わってからもミーティングを重ね、チームをもっともっと強くしていかなきゃいけないと思い『もう少しここを改善してほしい』などと、かなり要求をしてきました。福住(仁嶺)選手から交代する直前などは、自分の中で“責任”というものに結構押しつぶされそうになる瞬間もありました。でも、これまでの皆の頑張りをしっかりと思い出し、自分のスティントでは大量リードも築くことができましたし、完璧なスティントにすることができたんじゃないかと思います。タイヤを含めて車のパフォーマンスは最高でした」
福住仁嶺選手
「支えてくださっている皆さんに、感謝の気持ちでいっぱいです。今回のオートポリスに向けてあまり自信を持てないところもありました。レースのスタートでは、タイヤの温まりに関して不安な部分があったのですが、しっかりクルマを信じて走りました。特に僕のスティントではセーフティカーランが多かったので、その中で戦略を考えなければならず、チームの皆さんが周りの状況を見て判断してくれました。野尻選手に交代したあとは、アウトラップがすごく速かった。そのおかげでこうやって優勝することができたと思うので、本当に周りの人たちには感謝の気持ちでいっぱいです」
ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント
「予選ではライバルメーカーさんの車両にポールポジションを奪われましたが、アクシデントもあり、結果として菅生で涙を飲んだARTAさんが優勝しました。決勝日の気温が低かったですが、用意してきたタイヤのレンジを外したということはありません。野尻/福住組の快走を見ていただければ、それがお分かりかと思います。立川/石浦組も終盤の追い上げで、久々に上位に戻ってきていただき2位となりました。ランキングの上位陣は依然としてブリヂストンユーザーで占められています。残り2戦へ向け、チャンピオン連覇へ邁進します」