#30 TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GT 2021スーパーGT第6戦オートポリス レースレポート
2021 AUTOBACS SUPER GT
ROUND6 オートポリス
開催地:オートポリス(大分県)/4.674km
10月23日(予選)
天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
観客数:6,500人
10月24日(決勝)
天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
観客数:10,300人
予選Q1で織戸選手が3番手も、決勝ではバランスの悪化に苦しむ
今年もスーパーGTにaprは2台体制で挑み、『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』をドライブするのは永井宏明選手と織戸学選手。タイヤは信頼のヨコハマが使用される。昨年はコロナ禍で開催されるサーキットが限定されたため、2年ぶりにスーパーGTがオートポリスで行われることとなった。
第6戦『AUTOPOLIS GT 300km RACE』は、ランキング上位陣には最も過酷なレースとなる。GT300クラスでは獲得したポイントの3倍も、サクセスウェイトを積まねばならないが、続く第7戦は半減され、そして最終戦は全車ノーハンデとなるからだ。ここまでツインリンクもてぎでは8位、そして鈴鹿サーキットでは6位と、2度の入賞によってサクセスウェイトを24kg積むまでに至ったものの、これは十分“狙える”状況と言えるだろう。しかも、8月末にはプライベートテストをオートポリスで行なっており、今年のデータは確保しているというマージンもあるからだ。また、季節の違いは前回からのインターバルに富士スピードでも同様にテストしており、しっかり修正済みでもあるだけに。
前回のスポーツランドSUGOこそ、公式練習をトラブルで満足で走れなかったことが、最後まで尾を引いてしまい、入賞ならなかったとはいえ、今はチーム、ドライバーに戦えているという自信がみなぎっている。一獲千金のレースとなることが大いに期待された。
公式練習 10月23日(土)9:15〜11:18
今年はいったいいつまで夏が続くのかと思われたものの、ここに来ていきなり秋の気配を漂わせるようになった。それは九州、オートポリスでも例外ではなく、朝晩は肌寒さを感じさせたほど。とはいえ、土曜日の日中は穏やかな天候に恵まれ、公式練習はドライコンディションでの走行となった。
スタート時の気温は10度、路面温度は16度。今回も織戸選手から『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』は走り始めた。持ち込みのセットが決まっていたことから、計測3周目には1分45秒161をマークしてトップに浮上。すぐにチームメイトの31号車に、その座は奪われてしまうものの、上々の滑り出しとなっていた。
その後、1回目のピットでさらにセットを詰めると、またもや1分43秒995にまで短縮して、トップに浮上。そして30分ほど経過したところで、永井選手にバトンタッチ。しかし、まだタイヤに熱も入らないうちに赤旗中断が2度も続いて、少々リズムを乱された感も、ラストの専有走行が始まってすぐ3界目の赤旗が出ていたから、なおのこと。それでもチェッカー間際には、1分45秒749を記すまでとなっていた。
序盤の追い込みが激しかったチームが多かったことから、最終的なポジションとしては6番手ではあった。なお、この後に行われた、20分間のFCYテストも永井選手が最後まで走り、前回とは対照的に、しっかりマイレージを稼ぐことには成功した。
公式予選Q1 10月23日(土)13:55〜14:05
本来なら10時40分から始まるはずだった予選は、公式練習で3回も赤旗が出た影響で15分遅れでのスタートとなった。Q1に『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』はA組で走行し、今回も担当したのは織戸選手。気温は14度、路面温度は26度と、いずれも公式練習より上昇していた。
アタックは計測3周目と、織戸選手はワンチャンスにすべてをかけるべく、タイヤにしっかり熱を入れ、またポジション取りも完璧に行ったところで、右足を強く踏み込んでいく。そして、公式練習での好調ぶりを再確認させるかのように、1分43秒104をマークして3番手につけることに。
Q2を担当する永井選手に、バトンを託せたとあって、織戸選手のみならずチーム全体のムードも大いに向上していた。
公式予選Q2 10月23日(土)14:33〜14:43
Q2に挑んだ永井選手は、織戸選手からインフォメーションをしっかり受けての走行となった。アタックは同じように計測3周目から。
コンディションもしっかり整ったのを確認したところから、コースを激しく攻め立て、まずは1分44秒578をマークする。織戸選手と異なったのは、さらにもう1周アタックしたことだったが、すでにタイヤのピークは過ぎており、1分44秒663とわずかながらではあったがタイムダウン。
その結果、14番手とはなったが、7列目からのスタートであれば、十分入賞を狙えるのは過去の例からも明らかだ。
『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』の激しい追い上げに期待は高まった。
■予選後コメント
永井宏明選手
「クルマの仕上がりはすごく良かったです。僕のアタックはちょっと不満も残りますし、もっとちゃんと1周まとめられればという気持ちもありますが、攻めて行けたとも思っています。決勝はふたりでしっかりタイヤをいたわりながら走ろうという作戦になるでしょう。頑張ります」
織戸学選手
「う〜ん、タイム的にはもうちょっと、少しミスがあったかな。それでも今の状況の中ではベストだったと思います」
金曽裕人監督
「8月末にオートポリスで、この間に富士でもプライベートテストをやって、31号車と一緒に2台走らせたことで、ハイブリッドの有無は何なのか、原点から見直すことができたんです。ハイブリッドはどういう動きをして、“ノン”ブリッドはどういう動きをして、各々どこを得意としているかが、ここ1か月ですごく理解できました。これがいちばんの収穫で、両方とも速くなったという感じです。あと、ここまで何のトラブルも出ていないのも、大きいかもしれません。明日もいいポジションから行けるので、すごく楽しみです」