更新日: 2021.11.06 21:03
逆転王座を狙う2台は明暗分かれる。Q2でミスのAstemo、2連勝に向け手応え十分のARTA【第7戦GT500予選】
予選を終えて悔しい雰囲気が漂っていた17号車Astemo陣営とほぼ対称的だったのが、前回のオートポリスで今季初優勝を飾ったARTA NSX-GTの野尻智紀/福住仁嶺組だ。
今回は朝の公式練習から調子が良くトップタイムを記録。予選ではポールポジションこそ獲得できなかったが、ブリヂストンタイヤ勢では最上位となる3番手を獲得した。
「持ち込みのセットアップが、すごくレベルの高いところにいてくれたので、大きな変更がなくても、ある程度戦えるだろうなという感触がありました。その持ち込みの状態から、大きく伸ばすことはできなかったですが、同じタイヤを履いている人たちに比べて、だいぶ速かったと思うので、僕たちのなかでは今あるポテンシャルをだいぶ引き出せた方ではないかなと思っています」
「もちろんポールポジションは狙っていたので、悔しさはありますけど、明日逆転したいなと思っています」
そう予選を振り返った野尻。いつもは険しい表情をしていることが多いのだが、今回は手応えをつかんでいる様子だった。ただ、ヨコハマタイヤ勢の決勝ペースを気にしており、そこを攻略するためにも決勝に向けてさらなる改善が必要だと語った。
「この前の第4戦でも、19号車(WedsSport ADVAN GR Supra)が最後までペースを落とさずに走っていました。実際、今日も2周連続で良いアタックをしていたので、向こうが落ちてくることはないのではないかなと思っています。しっかりと僕たちのポテンシャルを上げていかないと彼らには追いつかないかもしれないなと思っています」
「レースは終わるまで何が起こるか分かりません。決勝を終えてランキングトップとは20点差以内にいないといけないです。優勝を狙うには好位置につけることができていると思うので、明日もいつもと変わらず優勝を目指すだけです」
Q2を担当した福住も予選を終えて手応えをつかんでいた。それだけに、ポールポジションを獲得できなかったことをかなり悔しく感じていた。
「走り始めの段階から良いポジションにいることができましたし、専有走行もトップで終えられて、流れとしては悪くなかったと思います。野尻選手がQ2につないでくれて、いろいろなフィードバックや走り方のアドバイスをもらって……そういった細かなアジャストをしたおかげでタイムを上げることができました」
「ヨコハマ勢が上位に来るのは予想外ではないですけど、自分としては走っているときの感触は悪くなかったので、ポールポジションを獲ることができなかったというのは悔しいです。でも、明日に向けては悪くない位置だと思っています」
「ただ、今日と明日は別ものです。あの(ヨコハマタイヤを履く)2台がどういうレースをするかで展開も変わるでしょうし、戦略もしっかりと考えないといけません。しっかりと明日も強く戦えるようにしたいです」
福住は先々週のスーパーGT第6戦オートポリス、先週のスーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿と優勝を飾っており、今週末は彼個人として3連勝がかかっている。
「あまり意識はしていないけど、もちろん狙っていきたいです。何より明日のレースで勝って、チームとファンのみなさんに恩返しをしたいという気持ちが強いので、この流れを崩さないように明日もしっかりとやっていきたいです」
この予選を終えて、8号車ARTA陣営、17号車Astemo陣営から聞こえてきたのは「決勝では何が起こるか分からない」ということだった。チャンピオン争いに生き残るためにも、是が非でも優勝がほしい2台が、どんな戦いぶりを見せるのか。明日の決勝レースも最後まで“激戦”になりそうな予感だ。