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投稿日: 2021.11.09 15:39
更新日: 2021.11.09 19:55

TGR TEAM SARD 2021スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート


スーパーGT | TGR TEAM SARD 2021スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート

2021 SUPER GT 第7戦『MOTEGI GT 300km RACE』(11/6~7)ツインリンクもてぎ(1周4.801km)

 11月7日(日)、今季2回目の開催となるツインリンクもてぎにて、最終戦でタイトル挑戦権を得るための最後の関門となるSUPER GT第7戦『MOTEGI GT 300km RACE』の決勝が行われ、6番グリッドから不撓不屈に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、スタート担当のヘイキがオープニングラップから抜きつ抜かれつの激しい先陣争いを展開。

 だがGT300の周回遅れが絡み始めた9周目から思うようにペースが上がらず2台にかわされ、11周目FCYカウントダウン中に急減速したGT300に行く手を阻まれた3号車に追突する不運な接触アクシデント。フロントパーツにダメージを受けペースがさらに鈍る状況で24周目にピットイン。

 素早く中山を送り出すが、ダメージの影響と燃料をセーブしながらと、本来のペースに上げられずに我慢のドライビング。終盤には抜かした後続にもかわされ、最終的に悔しい11位フィニッシュとなり、奮闘をみせていたが最終戦でのタイトル挑戦権を失う結果となった。

 ドライバーポイントは獲得ならずランキング14位(計26点)、チームポイントは3点を獲得しランキング11位(計47点)となった。いよいよ今季最終戦となる次戦は、11月27日(土)・28日(日)に富士スピードウェイで開催される。

■事前情報

 前戦オートポリスでは見事なチームワークで一時2位を走る快走を見せ5位フィニッシュ。僅かにタイトル獲得への逆転の望みをつないだDENSO KOBELCO SARD GR Supra。第7戦の舞台となるのは、第4戦のときと同じツインリンクもてぎ。11月6日(土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、7日(日)決勝は13時スタート、300km(63周:約2時間)で争われ、ドライバー交代を伴うピットストップは1回が義務付け。サクセスウエイトは、現獲得ポイントと同じとなる26kgを搭載する。もてぎでの重量増によるタイムの落ち込みは、26kgだと約0.5~0.6秒と大きいと予想される。

この第7戦も引き続きピットパドック完全隔離など徹底した感染予防対策を講じながらの開催。ツインリンクもてぎは、シリーズのなかでも予選順位が重要視されるコースであるが、2021年シーズンも大詰めとなり、タイトル挑戦権を懸けた最後の勝負となるため、各陣営とも何が何でもひとつでも順位を上げようと予選から激しい争いが予想される。

 ランキングトップとは34点差と離されているため、最終2戦連続で最大ポイント獲得が必須。僅かな望みながらも残り2戦で数字上、逆転は可能なため、最終戦で挑戦権を得るための最後の関門となる。狙うは優勝のみとシンプルな目標で脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって、強い意志を持って決して諦めず、不撓不屈に勝利を狙っていった。

■公式練習走行

 6日(土)9時25分から開始された公式練習走行は、11月ながらも穏やかに気持ちの良い日差しの快晴。気温13度/路面温度22度のなか、95分間のセッションが開始された。今回はミディアム側とハード側タイヤを持ち込み、いつもどおりに、まずはヘイキがタイヤとクルマの評価のため、ミディアム側ドライタイヤを装着してコースイン。

 直ぐにタイヤが温まってくる状況で、まずは5周目に1分37秒903の6番手タイムをマークした。クルマのバランスもまずまずで微調整を行い、FCYキャリブレーションをこなし、13周目からハード側タイヤを装着。少々温まりに時間がかかり、17周目に1分38秒076とミディアム側タイヤのタイム更新できず。

 19周目からは中山がドライブして、ヘイキが装着したミディアム側およびハード側タイヤのリピート評価を行った。混走セッションは38周を走行して、ヘイキのマークした1分37秒903のタイムで9番手となった。

 10分間のGT500単独セッションでは、気温16度/路面温度28度に上昇。中山がハード側タイヤでアタックシミュレーションを実施。5周目に1分37秒841の13番手タイムをマークした。公式練習走行ではトータル44周の走行となった。その後のFCYテスト走行ではヘイキがユーズドのハード側タイヤを装着して12周ほど走行。午後の予選へ向けて、僅差の戦いが予想されるなか、上位を目指せるクルマのセットアップを午前の公式練習走行データからの分析することとなった。

2021スーパーGT第7戦もてぎ DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
2021スーパーGT第7戦もてぎ DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)

■公式予選

■Q1:中山が気合いの走りでQ2進出へ導く

 6日(土)Q1開始時点は、気温18度/路面温度29度で暖かさを感じるコンディション。残り8分ほどでコースインしたファーストアタッカーの中山は、ミディアム側タイヤを選択。インターバルで徹底的にデータを分析、午後のコンディションへ最大のパフォーマンスを発揮できるようにインターバルでセット調整をさらに進めていた。丁寧にタイヤの表面を傷めないように、入念にウォームアップしながら周回を重ね、4周目にアタックを開始。

 若干まだ前後のタイヤの温まり具合が違っていたが、まずは1分37秒180の5番手タイムをマーク。チェッカー直前にコントロールラインを通過して、次の周も続けてアタックを敢行。セクター1で約コンマ1秒削る自己ベスト。セクター2でコンマ1秒削ってくる気合いの走り。セクター3は100分の5秒、セクター4も100分の2秒と惜しくもタイム更新ならず。トータルでコンマ16秒タイムアップを果たした中山が、1分37秒025のタイムで僅差のQ1を8位で抜けだしQ2進出へ導いた。

■Q2:ヘイキが渾身のアタックで2グリッド上げる6番グリッドを獲得

 Q2開始時点では気温17度/路面温度21度と路気温とも下がり始めるコンディション。開始から残り9分ほどでコースインしたヘイキ。ハード側タイヤを装着していた。1周半ほど余計に温めに時間がかかるが、自分のドライビングスタイルとフィーリングの良さからハード側を選んだヘイキ。

 6周目にアタックに入ったセクター1で、中山のタイムを100分1秒削ってくる。セクター2でもコンマ1近く削り、セクター3はコンマ2秒削る渾身のアタック。最後のセクター4では前の周より約コンマ1秒落ちてしまったが、1分36秒616のタイムをマークして、Q1から2グリッド上げる3列目6番グリッドを獲得してみせた。

2021スーパーGT第7戦もてぎ DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
2021スーパーGT第7戦もてぎ DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)

■決勝
■ウォームアップ走行

 7日(日)11時40分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、気温18度/路面温度28度で風もなく穏やかな日差しのある快晴のコンディション。スタート担当のヘイキがハード側NEWタイヤを装着してベディング。8周目からは中山がミディアム側NEWタイヤを装着してベディング。ウォームアップはトータル10周を走行。1分39秒448のトップタイムとなった。

■決勝レース第1スティント:ヘイキがまさかの接触アクシデント

 7日(日)爽やかな秋晴れとなったなか、13時30分決勝スタート時点は、気温19度/路面温度29度のコンディション。フォーメーションラップ2周の後、予定どおりにスタートが切られ、1コーナーへの激しいポジション争いのなか、6番グリッドから不撓不屈に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、スタート担当のヘイキがオープニングラップから抜きつ抜かれつの激しい先陣争いを展開していった。

 その後、トップから数珠つなぎの膠着したなか、GT300の周回遅れが絡み始めた9周目から思うようにペースが上がらず後続2台にかわされてしまう苦しい展開。そして、11周目FCY80km/h規制開始の合図となるイエローフラッグ振動がなされる前のFCYカウントダウン中に、4コーナー出口で急減速したGT300に追い越し禁止中ではあるため行く手を阻まれ急減速した前の3号車に追突する不運な接触アクシデント。

 注意勧告の黒白旗判定で、ペナルティにはならなかったが、フロントパーツにダメージを受けた影響からかペースがさらに鈍る結果となった。そして、上位陣がピットインを始めた翌周の24周目にヘイキをピットインに呼び戻した。

第2スティント:中山が本来のペースに上げられずに我慢のドライビング

 今回も素早いピットワークで中山を送り出し、速いアウトラップと合わせてポジションをいくつか上げるチームワークを見せた。走行不能ほどダメージは酷くはなくピットでの大がかりなリペアの必要はなかったが、ダメージの影響からか本来のペースに上げられず。順位は実質5位の7位を走行していたが、後半にかけては燃費をセーブしながらの走行を強いられて我慢のドライビングとなってしまった。

 ピットワークで抜かした後続を含め数台に終盤にかわされ、最終的に悔しい11位フィニッシュとなった。奮闘をみせる戦いをしていたが、残念ながら最終戦でのタイトル挑戦権を失う結果となった。ドライバーポイントは獲得ならずランキング14位(計26点)、チームポイントは3点を獲得しランキング11位(計47点)となった。いよいよ今季最終戦となる次戦は、11月27日(土)・28日(日)に富士スピードウェイで開催される。

2021スーパーGT第7戦もてぎ DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
2021スーパーGT第7戦もてぎ DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)

■ヘイキ・コバライネン

「予選Q2では、あとコンマ1秒タイムを結果的に詰められたけど、とても良い感触だった。決勝ではクルマも良い仕上がりで、最初は攻めていけた。11周目FCYボードが出て、まだ80km/h規制前カウントダウン中なのに、なぜ前走車らが減速したか分からないが、コーナー出たばかりで避けようがない状況で3号車に追突してしまい申し訳なかった。その後はパーツ破損の影響からかペースが上げられず。チームにも後半のユウイチにも申し訳なかった。次の富士では応援してくれているみんなの期待に応える結果を残して今シーズンを笑って終われるように頑張りたい」

■中山雄一

「予選ではスープラBS勢のトップタイムを記録してQ1を突破することができました。決勝では悪いことが重なりポイントすら獲得できませんでした。チームの頑張りからピット作業で順位を上げることができていますが、結果につなげることができず非常に悔しいです。最終戦はスープラが得意な富士スピードウェイですし、大勢の観客来場が見込まれているとのことですので、なんとしても優勝したいと思います。引き続き御声援よろしくお願い申し上げます」

2021スーパーGT第7戦もてぎ 中山雄一/ヘイキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2021スーパーGT第7戦もてぎ 中山雄一/ヘイキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

■監督 脇阪寿一

「決勝では追突アクシデントが起き、その後ペース上がらず。そのなかでもピット戦略を考え、良いタイミングで中山雄一選手に交代し順位を上げてコースに戻すも、パフォーマンスが落ちているうえにトラブルから給油量が足らなく、最終的にはポイント圏外となってしまいました。2戦連続、後半スティントの雄一には手負いのクルマで走らせることになり、申し訳ない」

「決勝前フリー走行まで予定どおりに進んでましたが、決勝では実力不足でした。悔しいし、情けないし、やるせないし、でも、仲間とともに学び進んでる道は間違えてはいません。我々を信じて応援頂いてるみなさんに、どうしても喜んで頂きたいので、最終戦富士にこの試練からの教訓を絶対に繋げます。熱い応援をありがとうございました」

2021スーパーGT第7戦もてぎ 脇阪寿一監督(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2021スーパーGT第7戦もてぎ 脇阪寿一監督(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)


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