スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.11.09 18:00
更新日: 2021.11.09 20:13

Max Racing 2021スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート


スーパーGT | Max Racing 2021スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート

MaxRacing
レース結果報告書
2021 SUPER GT Rd.7 ツインリンクもてぎ

日時 2021年11月6~7日
■車両名 たかのこの湯 GR supra GT
■場所 ツインリンクもてぎ
■ゼッケン 244
■監督 田中哲也
■ドライバー 三宅淳詞/堤優威
■チーム MaxRacing
■リザルト 予選11位/決勝7位

ぶっつけ本番のタイヤ無交換作戦を完遂

 GT500クラスを含めてドライバー経験豊富な田中哲也監督が率い、エリートコースからは少しそれたけども、根性で上を目指す若手ドライバーを応援するMaxRacingのプロジェクト。スーパーGT挑戦2年目の今年は三宅淳詞と堤優威、若いドライバーコンビがチャンピオン争いの権利を持ってシリーズ終盤戦に臨みます。

 全8戦中、残すところあと2戦。第7戦の舞台はツインリンクもてぎです。同じくもてぎが舞台の第4戦では予選2位を獲得。鈴鹿での優勝に向けて上昇気流を掴みました。この結果が示すようにGRスープラと相性の悪くないコースである反面、今回の第7戦ではサクセスウエイトが全車半減のポイント×1.5kgとなるため各車の実力は拮抗して厳しい戦いが予想されます。ここでの上位進出がチャンピオン争いに残るための必須条件と言えるでしょう。

 11月6日土曜日の公式練習ではいつものとおり、まずは優威が持ち込んだ2種類のタイヤを確認するところから始めます。しかし1セットのアタック想定のラップで少しトラブルが出て完全な状態で周回することができませんでした。また2セット目のソフト系のタイヤはコンディションに対してうまく合わないことがわかりました。

「この時点で、我々が描いていた力で勝ちにいくという理想形からは少し外れました」と哲也監督。

「理想はソフト系のタイヤを使って予選で前にいって、決勝前半をショートスティントとして組み立てるというものでした。しかしソフトはコンディションには合わず、摩耗の面でも決勝での使用は難しいという予想がう予想が立ちました」

2021スーパーGT第7戦もてぎ 三宅淳詞/堤優威/田中哲也監督(たかのこの湯 GR Supra GT)
2021スーパーGT第7戦もてぎ 三宅淳詞/堤優威/田中哲也監督(たかのこの湯 GR Supra GT)

 公式練習のベストタイムはトップと約1.3秒差の1’47.327で17番手。タイムに少し不安を抱えたままハード系タイヤ一択で、熾烈な予選に臨みました。

 予選Q1を担当するのは優威。ウォームアップのタイミングが少し合わなかったところもありましたが、1’46.672のタイムでグループA4番手でQ2へ進出。三宅にステアリングを託します。三宅のタイムは1’46.796とタイムを伸ばすことはできず11番グリッドが確定しました。

「堤選手のコメントで少しリヤが軽いとあったのでそこを気にしていたのですが、実際には『意外といけるじゃん』という感じでした。しかしボクのミスです」と三宅。

 ここからどのように戦略を組み立てるか哲也監督は悩みました。パフォーマンスで押し切る力も持っていないし、タイヤを無交換でいける確証もない。「GRスープラはコーナーリングマシンなので、タイヤへの依存度が高いです。ライバルに合わせてタイヤ無交換をするためにペースを抑えるのでは意味がなくなってしまいます」

 スタートを担当したのは三宅でした。BoPの関係もありストレートスピードに勝る96号車にスタートで抜かれてしまいました。コーナーで迫っても抜くのは困難な状況です。

「スタートする前にはタイヤ無交換から2輪交換、4輪交換まで選択肢に入れていました」と哲也監督。抜くことができないもののペースも悪くない、そんな状況でこれまでやったことのないタイヤ無交換作戦を念頭に戦うことを決めました。

「ポジションを落としてタイヤを守っても意味がない。そのうえでムリせず(1分)50秒中盤から前半のタイムが出せるか、ずっと三宅に無線で確認していました。20周の時点ではどうしようかなと考えてだして、30周に無交換でいきたいな、35周によし無交換でいこうと決断した、そんな感じでした」。三宅で引っ張れるところまで引っ張りタイヤのライフを確認したのです。

 ピットタイミングを遅らせたために2番手まで浮上。38周目に三宅はピットインしました。優威に交代。給油のみ終えてコースに復帰すると8番手でした。背後に迫るのは11号車です。前後ともタイヤが厳しいなかでポジションを守らなければなりません。優威に課せられたミッションも過酷でしたが、オーバーテイクにつながるような破綻をみせずにコンスタントにラップタイムを刻み、その後トラブルで脱落する上位車両があり7位でゴールしました。厳しい状況のなかでチーム一丸となって最善を尽くして得た結果と言えるでしょう。

2021スーパーGT第7戦もてぎ たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)
2021スーパーGT第7戦もてぎ たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)

「三宅は予選がうまくいかなくて、それを決勝で挽回しようという気持ちが出ていたし、優威も最後まで粘ってくれた。メカニックもミスなくやってくれた。ピットの動きをみていても先を考えて動いてくれたり、チーム力が上がってきたと実感しています。タイヤメーカーの戦いがあるなかでGRスープラのなかでトップにいけたということもそれを証明しています。チーム力で戦った実感は今シーズン一番あるかもしれません。ただもっとペースを上げなければいけないし、次に向けては攻めるしかありません。チャンピオン争いでは点差もあるし、守るものはなにもない(笑)。野球で言ったら相手にマジックが点灯しているような状態です。簡単なことではありませんが、我々が勝って、そのうえで相手の順位で結果が出る、そんなレースにしたいです」と哲也監督。

 全車がノーウエイトで臨む最終戦富士に向けて、ランキングトップとのポイント差は15点。プレッシャーがかかる状況のもと、三宅と優威がどんなレースを展開してくれるのか大いに注目されます。引き続きMaxRacingへの応援よろしくお願いします。

三宅淳詞のコメント

「タイヤ無交換作戦が成功したのは、武士さん(つちやエンジニアリング土屋武士テクニカルディレクター)がセッティングでタイヤも減らないようにしてくれていましたし、スープラは車重も軽くて、ダウンフォースが大きいのでタイヤが減らないという部分が大きかったと思います。運転によってというよりクルマに助けられました。タイヤの内圧もそうですし、武士さんの管理がよくてタイヤが守れた気がします。次の富士は寒くなって予選でもタイヤの温め方は今回よりさらに難しいでしょうし、スバルや他のクルマも速いはずです。それでも優勝を目指してがんばります」

堤優威のコメント

「初めてのタイヤ無交換は、三宅選手のタイムが悪くなかったのでいけるかなと思っていたのですが、想像以上にきつかったです。リヤがちょっと厳しいというコメントが無線であり、実際にガソリンを入れて走り出してみると、1回ピットでタイヤが冷えてしまうのもあって、GRスープラの強みであるコーナーリングスピードを活かせないほぼ防戦一方のレースになってしまいました。後ろからきた11号車に抜かれなかったのはよかったのですが、もう少し速さがあれば2ポジションぐらい上にいけたと思うのでそこは悔しいですし、チャンピオン争いに向けて獲っておきたかったです。タイヤ無交換である程度走れることがわかったので今後、作戦の幅は広がると思います。そのときは三宅選手に後半いってもらいます(笑)。次の富士はがんばります」

2021スーパーGT第7戦もてぎ 三宅淳詞/堤優威(たかのこの湯 GR Supra GT)
2021スーパーGT第7戦もてぎ 三宅淳詞/堤優威(たかのこの湯 GR Supra GT)


関連のニュース