投稿日: 2022.03.30 19:05
【R35型GT-Rの名レース(5)】欧州帰りと“路上生活者”の化学反応。星野一義監督も涙した5年ぶりの頂点
Isoshi Sumida
2021シーズンを最後に、スーパーGT・GT500クラスでの使命を終えたR35型ニッサンGT-R。2009年のGT500車両規定を一部先取りする形でデビューした2008年からの14シーズンで、数々の伝説を刻んできた。
ここでは、そんなR35型GT-Rの名レースを連載形式で振り返っていく。最終回となる今回は、まだ記憶も新しい2021年シーズンから。この年新たに結成されたコンビによる、第5戦スポーツランドSUGOでの勝利を取り上げる。
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2015年、チームインパルとニスモは35GT-R同士での激しいタイトル争いを繰り広げた。結果、インパルは一歩及ばずランキング2位となり、チャンピオンはニスモとなった。インパルは翌年の第5戦富士で優勝したのだが、その後、まさか5年間も未勝利期間が続くとは誰も思わなかっただろう。
常勝チームが2シーズンに渡って勝利から遠ざかることはなくはない。だが3年、4年となれば別で、日を追うごとに自チームは当然、周囲も気になりだす。「最近、あそこ勝ってないよね」と。16年以降、表彰台登壇こそあれ、勝てないままいつの間にか5シーズン目に入ってしまった。