TGR TEAM ZENT CERUMO 2022スーパーGT第1戦岡山 予選レポート
2022 AUTOBACS SUPER GT Report
OKAYAMA GT 300km RACE
第1戦 岡山国際サーキット
ZENT CERUMO GR Supra
#38 立川祐路/石浦宏明
◆4月16日(土) QUALIFY
公式予選結果 4位
なかなか思うような結果が残せないままシーズンを終え、ランキング12位という悔しい結果に終わったTGR TEAM ZENT CERUMOの2021年。捲土重来を期し、2022年に向けチームはエンジニアリングを中心に体制を大きく強化。全幅の信頼を置く立川祐路と石浦宏明のコンビでの栄冠を掴むべく、2月からたくさんのテストメニューをこなしてきた。
迎えた2022年シーズンの開幕の舞台は、例年同様岡山県の岡山国際サーキット。ツイスティでコースも狭く、例年多くのドラマが起きるコースだ。ハードスケジュールのなか、TCDの協力も得ながらチームはZENT CERUMO GR Supraを徹底的にチェック。準備万端に整え、4月16日(土)の予選日を迎えた。
前日の搬入日は冷たい雨も降った岡山だが、予選日は朝から晴天に恵まれた。風は冷たいが、コースはドライコンディション。今回、まずは石浦宏明がステアリングを握り午前9時20分からの公式練習にコースインすると、まずはチェックを行いふたたびコースへ。開始から20分が近づくところで、1分19秒814から1分19秒650、さらに1分18秒899とタイムを上げていく。3月の公式テストから少しずつZENT CERUMO GR Supraのポテンシャルを上げてきたが、これまで積み重ねたきたセットアップが繋がり、感触も良好だ。
石浦は21周を走るとピットに戻り、立川祐路にステアリングを託した。石浦同様、立川もZENT CERUMO GR Supraの好フィーリングを掴むと、2回のピット作業を行いながら周回を重ね、終盤10分間設定されたGT500クラスの専有走行で再度コースへ。チェッカー間際に1分18秒598というベストタイムを記録し、8番手で公式練習を終えた。
その後行われたフルコースイエローの訓練、さらに2019年以来ひさびさに行われたピットウォークにも参加し、ファンと近くでふれ合ったチームは、その間のスケジュールを使いながらエンジニアたちとドライバーふたりが検討を重ね、午後2時からの公式予選に臨んだ。GT300クラスのQ1で赤旗中断があったことから、当初予定よりも遅れた午後2時46分にスタートしたGT500クラスのQ1で、ZENT CERUMO GR Supraのアタッカーを務めたのは石浦だ。
予選までの間にエンジニアたちと相談して進めたセットアップが功を奏し、石浦はさらにZENT CERUMO GR Supraに良い感触を得ていた。ただ、1分34秒から27秒と少しずつペースを上げながらタイヤを温めていた石浦だったが、その間に少々予定外のトラブルが。さらにアタックラップに向かおうというところで、今度はヘアピンで#19 GR Supraがスピン。イエローフラッグが提示されていた。
ここでアタックに入っては、危険を知りながら減速をしていなかったとしてタイムが抹消になってしまう。石浦は冷静にアタックを止め、残り時間を見ながら再度アタックに入っていく。この段階ではQ2進出にはまだ遠い。一度きりのチャンスでタイムを上げなければ、Q2進出はできなかったが、そこはさすが石浦。セクター1、2でベストタイムを更新すると、最後は1分17秒460というタイムをまとめ上げ、8番手に。Q2進出に滑り込んでみせた。
石浦からのフィードバックを得たQ2担当の立川は、午後2時46分からのQ2に臨んだ。ZENT CERUMO GR Supraの感触はやはり良好。しっかりとタイヤをウォームアップさせると、5周目に1分17秒899をマーク。さらにチェッカー周には、1分17秒729までタイムを上げてみせた。ZENT CERUMO GR Supraの順位は4番手。見事2列目のグリッドを獲得した。
2021年はなかなか到達できなかった表彰台が見える位置を掴んだTGR TEAM ZENT CERUMO。戦える感触を取り戻し、この予選順位を結果に繋げるべく開幕戦の決勝レースに挑む。
ドライバー/立川祐路
「いよいよ開幕戦を迎え、予選日を終えました。このシーズンオフはエンジニアリング体制やクルマの見直しなどを行い、体制を強化して臨みました。またTCDさんの協力も得てクルマのチェックを行ってきましたが、その効果もあり、ここ最近で最もフィーリングが良くなっています。そのおかげもあり予選4番手という順位に繋げることができました。みんなの協力、頑張りに感謝したいですね。とはいえまだまだ満足できる位置ではありませんし、クルマもまだ改善できるところが残っています。もっと詰められるところを詰め、明日の決勝レースは表彰台圏内を目指していきたいと思います」
ドライバー/石浦宏明
「3月の公式テストから昨年の不振の理由を探し、TCDさんに協力をいただきながら、細かい部分までクルマのチェックを行ってもらい第1戦に臨みました。そこでいろいろな分かったこともあり、弱点だった場所を補うための準備を行ってきましたが、走り出しからフィーリングも良く、トップとの差も少なくなっていたと思います。とはいえ午前はまだ課題が残っており、それをエンジニアたちと修正してきたところ、予選では感触はさらに良くなっていました。自分がドライブしているときに少し想定外のことがあったのですが、ギリギリQ1を通過できたので良かったです。なのでタイム以上にフィーリングは良かったですね。立川選手がQ2で期待どおり順位を上げてくれたと思います。昨年は見えなかった予選順位ですし、ひさびさに戻って来られたのは嬉しいですね。とはいえ上位にGR Supra勢もいるので、残る差をしっかり詰めていきたいです。公式練習ではレースに向けた準備もできているので、決勝でしっかり活かせればいいですね」
田中耕太郎監督
「午前の公式練習からエンジニア陣とドライバーたちが一生懸命策を練り、いろいろなことを試しながら、うまく時間を使いつつ組み立てることができたと思います。予選に向けてもその組み立てが功を奏したのではないでしょうか。Q1では石浦選手のアタック中に他車のスピンがありましたが、冷静に1周まわり、最終ラップにアタックを決めてくれたと思います。立川選手のQ2では、Q1での情報をもとにベテランらしさを出してくれました。うまく4番手を得られたのではないでしょうか。#14 GR Supraがポールポジションでしたが、タイヤの面でチャレンジしているようです。我々は少しタイヤ選択の面でコンサバティブなところはありましたが、それは仕方がないと思っています。2列目グリッドなので良い予選にはなったと思いますし、決勝に向けては、しっかり表彰台を目指し、しっかり力を見せながらそつなく開幕戦を終えられればと思っています」