モータースポーツの原動力、それは人間の『熱意』であるとも言える。誰よりも速く走りたい、強いクルマを作りたいという想いが、すべての出発点。熱意を燃料にひとつのことに打ち込む人々が、モータースポーツ業界には多数存在する。この連載では、レースを心から愛する、そんなレース界の『一徹さん』たちに、熱量の源泉と実際の仕事ぶり、そして哲学を聞く。

 第4回に登場いただくのは、インパルの“屋台骨”として長年チームを支える、高橋紳一郎工場長だ。ドライバーでも、監督でも、エンジニアでも、メカニックでもない。でも、その人がいないと組織全体がうまく回らない。そんな、まさに縁の下の力持ちともいえる要職に、どう上り詰めたのか。

 まずは、高橋氏の“いかにも昭和な”下積みメカニック時代に迫る。

* * * * * 
 2007年のスーパーGT第6戦インターナショナル ポッカ1000kmレースの中盤、カルソニックインパルZは給油とドライバー交代のためにピットインした際、ガソリンに引火してピット前で大きな火の手を上げた。場内騒然となる中、冷静に現場を取り仕切って消火し事態を沈静化したのが、ホシノレーシングの高橋紳一郎工場長だった。

「昔のグループCカーはよく燃えたんですよ。それを経験していたから落ち着いていられた。

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