痺れたQ1「早く行けよ!」「SFライツの経験が活きた」。予選殊勲賞3名に聞く/第2戦富士GT300
続いて、A組7番手でQ2進出を決めたグッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝だ。
このところGOODSMILE RACING & TeamUKYOは好調に見えるが、谷口によれば「昨シーズンから、HWAのエンジニアなどを雇って、よりプロフェッショナルにデータ解析をしています。昨シーズンは経験を積む1年でしたが、2年目の今年は持ち込みセットもほぼバッチリ」という。
また、今回は高地補正に伴いエアリストリクター径が34.5mmから36mmに拡大されている。参加条件の影響もあり苦戦が続くグッドスマイル 初音ミク AMGだけに、「ここでやっと人並みだから頑張ろう」という思いで富士を迎えた。
今回のQ1・A組セッションではLEON PYRAMID AMG蒲生尚弥の背後でアタックに臨んだ谷口。その接近具合から、蒲生のトーを狙ったのでは? と憶測も呼んだが「場所どりが悪かったですね」と谷口は振り返った。
「蒲生の後ろにいたのでが、さぁこれからアタック行きますよってときに、GRスープラコーナーで蒲生が少しスローダウンして。それで僕としては『うわ! ピッタリになっちゃった』ってなりましたね。だから蒲生に『頼むぞ、早く行けよ! でもあまり速くなくていいからね!』みたいな。ホームストレートでも微塵も速くなりませんでしたね。むしろ100Rやコカ・コーラコーナーはダウンフォースが不足していました」と谷口。
決勝の戦略は「これから」と語ったが、「この(スタート)タイヤがどれくらい行けそうか、というところから」作戦を話し合う、ということでそれほど自由度がないといった雰囲気を漂わせていた。
■初予選でQ2進出も、悔しさを滲ませる木村偉織
もうひとり、Q1で好走を見せたドライバーとして、ARTA NSX GT3のルーキー、木村偉織に話を聞いた。
ストレートスピードに秀でるホンダNSX GT3であり、サクセスウエイトも0kgという状況で、こちらも狙い目のラウンドを迎えた。前戦の55号車はQ1で先輩の武藤英紀がアタックも、A組の12番手に終わっており、今大会のQ1が木村にとっての初めてのGT300予選セッションとなった。
「鈴鹿のタイヤテストなどで見つけたセットアップを試しました。バランスの面でも大きくタイヤを使えるようなセットアップを見つけることができたので、それもあってQ1通過できたかなと思います」と語った木村。しかし自身のミスもあり、満足とは程遠い表情を見せる。
「自分のアタック的には、ブレーキングなど細かい部分でミスもありうまく最後まとめてタイムとしてはA組6番手でしたが、2番手から1分36秒2台が続いているところで、ぜんぜん2番手は取れる上げ幅はあったので。ミスなくきちんと2番手をとっていかないとこれから上を目指していくドライバーとしては、足りない部分であり、課題も多かった予選だったと思っています」
初めて挑んだ予選で、Q1突破の喜びよりも、「まだまだ詰めが甘いなというところですね」と悔しさを滲ませた木村。
決勝に向けては「ブリヂストンとNSXのパッケージではロングでの強みがあるので、そこをしっかりと活かして優勝を目指します」と、期待ができる雰囲気もある。
果たして、予選での好走をロングレースとなる決勝で結果に結びつけられるか。それぞれの450kmの長い戦いの行く末からは目が離せない。