「ちょっと一瞬だったのでね。デグナーで悪いタイミングでGT300に引っ掛かってしまって、それで立ち上がりね。平峰選手がアクションを仕掛けて、どこまで幅寄せをしたのか映像ではわからなかった。たぶん、ちょっとアグレッシブでギリギリのところのバトルになったと思うのですけど……ちょっと残念ですね。優勝できなくて残念です」
一方、同じニスモ陣営の3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zも、序盤は23号車同様にタイヤのマネジメントに苦労することになったが、それでもピット戦略のタイミングなどが奏功して順位を上げ、52kgのサクセスウエイトのハンデながら4位入賞の結果を納めた。
レース終盤、前のマシンをオーバーテイクするなど着実に順位を上げていった3号車高星明誠が振り返る。
「SC(セーフティカー)が入ったり、前のクルマがペナルティを受けたとかでいなくなってくれたので、それで前に行けたのがあります。ピットに入ったタイミングがラッキーだったのですけど、それでトップだった16号車の前でピットアウトできて(周回遅れにならずに)、その後すぐSCが入ったのが僕たちにとっては今回一番、運が向いてたところかなと思います」と、自分の走りについては謙遜する高星。
3号車も23号車と同じく第1スティントではタイヤのオーバーヒート症状が出てマネジメントが難しく、20周目にピットインすることになった。
「そうですね、その問題は少なからずありました。ただ、千代(勝正/第1スティント担当)選手がその中でもすごく粘って走ってくれていたので、そのおかげもあって、この順位になれていると思います。いろいろな出来事がありましたけど、千代選手だったり、チームが最後まで諦めないでポイントを獲ろうという思いが今回の結果につながったと思うので、本当にみんなに感謝しています」と高星。
4位に入った3号車はシリーズランキング34ポイントで3位、トップは同じニッサン陣営の12号車で44.5ポイント。一方の23号車はランキング9位で、次の第6戦SUGOでは今回のペナルティで次生のモラルハザードの累積ポイントも加算されることになることから、練習走行の1時間走行不可や、スターティンググリッドの降格などのペナルティが課される可能性がある。
「なかなか結果がね、本当ついてこなくて辛いですね。ここまで辛いシーズンは、ちょっと初めてです」
厳しい表情のまま、肩を落とす次生。23号車と3号車、そして12号車とニッサン陣営、そしてニスモにとって、今シーズンの明暗が大きく分かれる一戦になってしまった。

