■ウォームアップ走行
28日(日)13時10分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、気温30度/路面温度39度の晴れのコンディション。まず関口がミディアム系のタイヤをベディング。続いて2周目からは別のミディアム系タイヤを装着して確認。7周目からは中山に交代して同じく決勝セットのクルマの状況を確認した。ウォームアップ走行はトータル10周を走行し、5周目に関口がマークした1分49秒801で2番手タイムとガソリンを積んで重い状態での調子の良さを見せた。
■決勝レース
第1スティント:関口が燃費良くオーバーカット戦略を遂行
28日(日)14時30分決勝スタート時点は、気温30度/路面温度40度と、午前中は爽やかさもあったが、午後になるとの蒸し暑さも残る晴れ。三重県警によるパレードラップ1周とフォーメーション1周の後に整然としたスタートが切られ、7番グリッドから活溌溌地に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、関口が燃費を稼ぎながらペース良く周回を重ねて前回同様に様々な戦略プランの可能性を高めるクレバーな走り。
SC導入でピット1回目を終えているクルマとのギャップが縮まるリスクを注視しながら第1スティントを引っ張り、ピットインのタイミングを見計らいながら周回を重ねていき、他車がピットインを始めコース上が空くと関口はプッシュしてペースアップとオーバーカット戦略を遂行していった。

第2スティント:中山が堅実な走行でペースを維持
33周目に満を持して暫定トップでピットインをすると11位で中山が戦列復帰。1回目のピットインを引っ張ったため他車に比べ燃料補給が長めのピットストップとなり、一時的に順位は下がるが逆に2回目は短く済む戦術。次のスティントを見据えながらハード側タイヤを装着した中山はマネージメントしながら堅実な走行でペースを維持して周回を積み重ねていった。300クラスの集団や遅いクルマに引っかかりながらもペースを守り、戦略の違う車両がピットを始めコースが空き始めるとペースアップ。いつでも2回目のピットインができる態勢を取りながら安定した周回を重ねていった。
第3スティント:中山が厳しい終盤を走り抜き3位フィニッシュ
49周目に130Rコーナーでアクシデントが発生、すぐさま脇阪監督は中山をピットへ呼び戻す。中山もアクシデント状況を見ていたため、SC導入でピットレーンがクローズされる前に、すぐに反応してピットに滑り込むことに成功。タイヤ無交換と中山の連続走行という戦略を即断し、給油作業のみのスプラッシュアンドゴーで素早くピットアウトすると実質2位のポジションで戦列に復帰してみせた。
レース再開後の終盤はタイヤがフレッシュな車両に先行されたが、ペナルティやトラブル車両も出るなどレースは先が読めない展開が続く中で、DENSO KOBELCO SARD GR Supraにもフロント開口部に芝が詰まって水温が上昇を始めるトラブルが襲う。水温表示を見つつ、ペースが上げられない状況で後続に迫られながらも、しっかりとエンジンをいたわりながら、タイヤもマネージメントする中山。厳しい状況に陥ったが最後は後続を引き離し2位に迫る勢いを見せ3位でフィニッシュ。待望の今季初表彰台を獲得した。ドライバーポイントは11点を獲得(計27点)、チームポイントは14点を獲得(計40.5点)し、ともにランキング6位に浮上した。

■関口雄飛
「自分がチームに移籍してから初表彰台ということで、もちろん優勝が良かったですが、まずは表彰台に立てて満足しています。決勝は途中から良いペースで走れてピットを引っ張ることができました。今回もチームの戦略がうまくいってチームに感謝しています。ただここ数戦は予選でのクルマの速さとかフィーリングが前より少し良くないので、開幕戦の時のように純粋にスピードをもう一度見つめ直して、残り3戦はスピードで勝負できるように、みんなで頑張りたいと思います。引き続き応援よろしくお願い申し上げます」

■中山雄一
「今大会も関口さんの第1スティントで燃費を稼いでくれたおかげで、戦略の幅が広がったことでSCのタイミングをうまく使うことができたのだと思います。そのチャンスを表彰台獲得という結果にしっかりと繋げることができたのは自信になりました。最後の10周はタイヤやエンジンの状況など厳しかったですが、開幕戦の悔しさから絶対に順位を守り切ろうと思って走りました。チームの強みの全てを結果に繋げることができ後半戦に向けて、良いレースができました。ここからは、サードの番だというような速さを見せつけて、1位でスタートして1位でゴールする姿を見せられるように頑張りたいと思います。引き続きご声援のほどよろしくお願い申し上げます」

■監督:脇阪寿一
「様々な成長やレベルアップを実感してますし、1つの形として表彰台を獲得した事は嬉しいですが、いろんな意味でまだまだ。1つ1つステップを積み重ね理論的に走らせてる筈のクルマが思うようには走ってくれない部分もある難しくレベルが高い今のスーパーGT。そんな中、ドライバー2人や、チームスタッフ、それぞれの個の力で助けられポイントを積み重ねていますが、自分としてはもっともっと高いレベルでチームを纏めたい。我々に足らないのは、経験なのか? 知識なのか? しっかり見極め、見つめ直し、必ず成長します。トップオブトップ、今シーズンのタイトル目指して残り3戦。関口雄飛、中山雄一、そしてチーム、チームスタッフが輝くレースにします。鈴鹿戦も沢山の応援、ありがとうございました」
