更新日: 2022.09.29 20:26
笹原右京 2022スーパーGT第6戦SUGO レースレポート
UKYO SASAHARA
SUPER GT Rd.6 PERSONAL REPORT
Date:2022/09/17~18
Track:Sportsland SUGO 3.586km
Car:Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT #16
Tyre:DUNLOP
Team:TEAM Red Bull MUGEN
シーズンも残すは3戦となった第6戦は宮城県にあるスポーツランドSUGO。このSUGOラウンドがサクセスウエイトや燃料リストリクターなどのハンディキャップが最も重く、次戦の第7戦では半減、そして最終戦はノーハンディに戻ることから、ここまでサクセスウエイトは軽めできている16号車にとっては勝機と活かし、何としても結果を残したい一戦でした。
公式練習からタイヤの選定やセットアップの確認を行い、先ずは予選でのパフォーマンス向上を目指し集中しました。
予選は大湯選手がQ1担当してトップタイムで突破。バランスとして納得いくレベルに満たないとのフィードバックを受けてセットチェンジを敢行しました。Q1の結果からポールポジションを確実に獲得するためのアプローチでしたが、結果的には攻めていったことが裏目に出てしまったのか、路面に見放されたのか、Q2でのマシンは期待していた感度には遠く及ばず限界の低い状態になってしまいました。
ミスのないよう工夫しながらマシンを運び、悔しさの残る7位で終えました。複合的な要素がスイートスポットから外れてしまったようでした。こういった現象もタイヤ開発等を進めながら戦うスーパーGTならではの発見です。解析をしっかり行ってそのデータを翌日のレースに活かしていくため、チームではミーティングを行って備えていきました。
日曜決勝日。ウォームアップ走行では前日より改善しつつも不安要素を拭えず、感触は決して楽観的ではありませんでしたが最後の最後まで調整を繰り返しました。
レースはスタートドライバーの大湯選手が序盤から積極的に前を追いましたが、やがてペースダウンを余儀なくされ厳しい状況ながらもうまくディフェンスしながらポジションキープしてくれました。
すると雨雲からポツポツと落ちてきて路面を濡らしコンディションとしては悪化の一途でしたが、僕ら16号車は失うものは何もない、チャレンジするのみ! との精神だったので、ほとんどのマシンがウエットタイヤへ交換するなかでステイアウトを選択し、粘って粘ってコンディションが回復するのを待ちました。
雨は降ったり止んだりを繰り返し、そろそろウェットに交換しないと逆にやられてしまう……そんなタイミングで映像にコースオフし止まった他車両が確認されたため、FCYの可能性を信じて即座にピットインの判断が下されました。タイミング良くFCY前にピットに入ることができウエットタイヤに交換、ほとんどロスなくレースに復帰が叶いました。
なんとか耐えながらレースを進め実質的に表彰台争いのポジションのまま再度ピットストップを行いドライバー交代、残りのスティントを託された僕は戦いを開始しました。ウエットタイヤでコースインしたものの急速にドライアップしていく路面に、ウェットのライフがどこまで保つのか? そのためのペース配分は? ドライにするタイミングは? と、ウエットタイヤでできる限り引っ張りたいなかで簡単ではない状況判断に非常に頭い多くの葛藤がありましたが、チームとの密なコミュニケーションと献身的なサポートによりドライタイヤへの交換タイミングは完璧に近く、そこからフルプッシュで3位を取り戻しました。
レース後半はタイヤライフとの闘いでしたがうまく走り切り、チームとしても自身としても2020年以来2年ぶりの3位表彰台獲得となりました。
『どれだけ頑張っても報われないのではないか』特に前戦鈴鹿のレース後にはそんな思いがよぎってしまいそうになるほどの状況になりましたが、そんな時でもチームのひとりひとりがしっかりと努力と準備を続け、チャンスが巡ってきたときに正しい判断をして全力を出し切ってもぎ取った3位。チームにとってもちろんのこと、応援してくださるみなさまへ届ける結果としても、今後への大きな力になったと信じています。それでもまだ目指すところはもっと先にある! 次のステップに向けてまたプッシュしてまいります。沢山の応援をありがとうございました!