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投稿日: 2022.11.07 09:58
更新日: 2022.11.07 09:59

LMcorsa 2022スーパーGT第8戦もてぎ 決勝レポート


スーパーGT | LMcorsa 2022スーパーGT第8戦もてぎ 決勝レポート

S-GT2022 rd8 Motegi Final
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

2022年の最終戦は19番手スタートから
優れたチーム采配とミスない走りで追い上げ
ポイント圏内には届かなかったものの11位でフィニッシュする

気象データ 気温:16度、路面温度:27度(スタート時)

 年間8戦のシリーズで競ってきた2022年のAUTOBACS SUPER GTは、11月5(土)~6日(日)にモビリティリゾートもてぎで実施された『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』で締めくくられた。

 2020年シーズンからコロナ禍として感染症対策を施しながらの開催となり、ドライバーを始めとした関係者とファンが接触しないような区分けを行ってきた。だが、最終戦のもてぎでは久しぶりにパドックパスが販売され、制限はあるもののファンとの交流が再開された。観客数や席の制限がなくなったことや好天に恵まれたこともあり6日の決勝レースには2万6000人のスーパーGTファンがモビリティリゾートもてぎを訪れた。

 今シーズン最終戦で有終の美を飾るべく準備を進めてきたLMcorsaだったが、予選ではグリップレベルが低く予選Q2への進出を逃し、19番グリッドから追い上げることとなった。6日の決勝レース日は早朝こそ5度以下まで冷え込んだが、前日と同様に午前中から日差しが照り付け、11時40分からスタートしたウォームアップ走行時には気温19度、路面温度27度と予選日よりも暖かいコンディションとなった。

 決勝レース前のウォームアップでは、まずSyntium LMcorsa GR Supra GTに吉本大樹選手が乗り込み5周を走行すると、河野駿佑選手も5周してマシンや路面コンディションの最終確認を行った。

 ウォームアップが終了すると決勝レースのスタート進行が始まり、GT500クラスの15台とGT300クラスの27台がスターティンググリッドに並ぶ。19番手から追い上げを図ることとなったLMcorsaは、吉本選手をスタートドライバーに指名した。300kmの決勝レースは予定どおりの13時にパレードラップがスタート。吉本選手は19番手でコントロールラインを通過すると、1、2コーナーから先行するマシンにプレッシャーをかけ、続く3、4コーナーでは2台をパスして17番手に浮上する。

 しかし、その後のヘアピンで混戦から順位を落としてしまいオープニングラップを21番手で終える。吉本選手は先行するマシンをテール・トゥ・ノーズで追うが、パスするほどのスピードはなく順位を上げることができない。7周目にはペースが鈍った61号車BRZを1コーナーでパスして20番手に浮上し、さらに上位を狙うが9周目にGT500とGT300のマシンの多重クラッシュが発生してコースはFCY(フルコースイエロー)となる。

 11周目になるとFCYからセーフティカーの先導走行となり、GT500とGT300のマシンの隊列が整えられた。だがセーフティカーラン中の14周目にGT300のマシンが先行車に追突し、ホームストレート上に2台のパーツが散乱してしまう。コース整備や車両とパーツ回収のためにセーフティカーランは延長される。セーフティカーラン中に先行するマシンの数台がイレギュラーなピット戦略を採ったため、Syntium LMcorsa GR Supra GTは19周目に14番手まで順位を上げた。

 20周目にレースはリスタートするとチームはこのタイミングで吉本選手にピットインの指示を出す。リスタート時にピット作業を行うことはレースでの常套手段で、周回を続けるライバル勢とのギャップが拡がりづらい。チームは敏速に4本のタイヤ交換と給油を行うと、河野選手へドライバー交代しコースへ送り出す。LMcorsaのピットストップ時間はライバルチームより短く、同時にピットストップを実施したマシンを抜くこと成功した。

 河野選手は20番手でレースに復帰すると25周目には自己ベストタイムとなる1分49秒324をマークし、27周目には19番手に浮上。上位陣はまだ規定されているピットストップを終えておらず、29周目に18番手、31周目に17番手、34周目に16番手と徐々にポジションを上げていく。GT300の全車が義務づけられているピット作業を終えた38周目には14番手となり、ポイント圏内の10位以内も現実的となる。

 だが、GT3マシンより加速性能に劣るSyntium LMcorsa GR Supra GTは、コーナリングで先行したマシンとのギャップを詰めてもストレートで離されてしまう。ラップタイムもトップ10のマシンには届かず、終盤でも着実に順位を上げていったものの60周目に11位でチェッカーを受け、惜しくもトップ10フィニッシュを逃した。

 昨シーズンはGR Supra GTにマシンをスイッチした初年度ながらシリーズランキング3位となり、今シーズンはさらに上を狙っていただけに8戦中入賞3回という2022年シーズンの結果はチームの誰しもが想定していなかった。来季に向けてスピードアップを図るためオフシーズンもチームは懸命な作業を続けていく。

飯田章監督

「最終戦は荒れたレースとなりましたが、ピットのタイミングも良くドライバー、チームともにミスなく追い上げることができました。ただピットアウトした順位を考えると、ペースが良ければもう少し上位へ入ることができたと思います。昨年はシリーズランキング3位だったので今季も好成績を狙いましたが、全体的に思うようなレースができませんでした。BoPの変更も含めて活躍できなかった原因は色々ありますが、タイヤを使いこなせなかったことも理由のひとつです。ただ、チームとしてはメンテナンスやサーキットでの作業などレベルの高い仕事ができているので、このチーム力を活かして来年はシリーズチャンピオン争いに加わりたいです」

吉本大樹選手

「決勝レースはスタートを担当し、1周目の3コーナーでは数台を抜くなどかなり順位を上げられました。しかし、その後のヘアピンでサイド・バイ・サイドから寄せられてハーフスピンしかけて21番手まで後退したのがもったいなかったです。その後は先行するマシンに押さえられてしまい、抜ききれませんでした。ピットストップのタイミングは良く、ポイント圏内に入ることも考えられましたが、やはりラップタイムが伸びず11位となりました。今季は上位へ入れると確信を持てるレースがなく、走ってみないと分からない状況が続きました。オフシーズンは今季に得られたデータを解析し、ダンロップタイヤとともに勝てるパッケージを作れればと思います」

河野駿佑選手

「19番手スタートから11位フィニッシュというのは成績だけ見れば良いですが、あと一歩でポイントに届いていたので悔しさもあります。まさしく今季の状況を象徴するようなレースで、スピードが足らず苦しい展開となってしまいました。ピットストップのタイミングは抜群でストップ時間も短かったため、先行していたマシンを抜くことができました。ただタイヤが温まってくると後続のマシンはラップタイムが速く、ブロックしたのですが抜かれてしまいました。今季は昨シーズンより上位を狙っていてチームの士気も高かったのですが、結果がともなわず厳しいシーズンとなってしまいました。改めてシーズンを見直し、もっと強いドライバーになるために努力を続けていきます」


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