更新日: 2023.02.28 12:56
ダンロップ 2022スーパーGT第8戦もてぎ 決勝レポート
SUPER GT 第8戦【GT500クラス 決勝レポート】
開催場所:モビリティリゾートもてぎ
開催日:2022年11月6日
2022 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL
今シーズン、決勝レースでの安定したラップと信頼性の向上を目標に取り組んできたタイヤ内部構造の大改革。前半戦はゴムとの相性が悪く苦戦を強いられていましたが、徐々にゴムと構造のマッチングが進んできた後半戦。優勝に手が届くところまで上り詰めてきました。楽なレースはひとつもありませんでしたが、そんなSUPER GTもここモビリティリゾートもてぎで最終戦を迎えました。前日の予選ではダンロップタイヤを装着する2台のNSX-GTが揃ってQ1を通過。7番手から64号車のModulo Nakajima Racingが、8番手からは16号車TEAM Red Bull MUGENが上位入賞を目指して決勝レースに臨みました。
くじ引きの結果、決勝は予選Q1のタイヤでスタートしなくてはなりません。64号車はソフト、16号車はハードを装着。気温16℃、路面温度27℃の中では、タイヤのウォームアップが大きな課題になります。この状況下でいかに早くタイヤを発熱させて順位を上げられるかが重要です。13時にフォーメーションラップがはじまります。GT500クラス全15台がローリングスタートを切りました。タイヤがまだ温まらない序盤からプッシュする64号車と16号車。オープニングラップの混乱に乗じて64号車は5番手に、16号車は7位へポジションを上げます。そして8周目に64号車が大きく順位を落とすと、16号車は6番手に浮上します。さらにこの周にGT300の多重クラッシュがありFCYが宣言。事態の収拾に時間がかかると判断した主催者はさらにSC導入を決めます。これが燃費重視の作戦をとっていたチームに陰りを落とします。
21周目にピットが解放されると、16号車は真っ先にピットへ。給油量を極限まで減らし、最初にドライバー交代義務を消化してポジションアップをとる作戦をとっていた16号車。裏の3番手でコースに復帰します。後半スティントもハードタイヤで安定したペースを刻みたい16号車でしたがレース中盤になるとピックアップが発生。思ったようにタイムを上げることができません。64号車も24周目にピットインし伊沢拓也選手から大津弘樹選手へドライバー交代を行いコースへ復帰します。しかし、2台とも路面温度の上がらないこの状況に苦しい展開を強いられます。我慢のレースとなった最終戦。サバイバルレースの様相を呈する中、2台のNSX-GTは最後まで走り切り16号車は11位で、64号車は12位でチェッカーを受けました。
大改革1年目のシーズンは非常に苦しいレースが続いた1年となってしまいました。しかし、その中でもしっかり進化と成長を見せることができたレースもありました。2023年もダンロップタイヤは全てのモータースポーツファンの皆さんと共にSUPER GTを盛り上げていく所存です。今年1年間応援ありがとうございました。
GT500クラス 16位 16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT
・笹原右京選手 コメント
「きょうはやり切りました!本当にミサイルの飛ばしあいみたいなレースで、絶対に当たっちゃいけない中、なんとか次につなげるレースができました。タイヤがダメになってもとにかく順位を上げる走りをして大湯選手につなげることだけを考えました。きちんと順位も上げられましたし、自分の中ではやり切ったレースでした。超燃費走行で逆転を考えたんですがSCが入ってしまい、他の車両も燃費が上がってしまったのは誤算でしたね。でも、シーズン終わってみて正直悔しいですね。チーム無限は今シーズン本当に創意工夫に満ち溢れたチームでした。ダンロップタイヤさんも頑張ってくれましたし感謝のシーズンですね。皆さん応援ありがとうございました 」
・大湯都史樹選手 コメント
「シーズンを振り返れば、意地は見せられたし、チームも厳しい中でもやりきったシーズンでした。特に鈴鹿でしっかりと自分たちの力であとちょっとの所までいけたのは1番の収穫でした。ここ数年ポールポジションは獲れてもレースで結果が伴わないことが続いていましたから、きちんとダンロップタイヤの進化も感じられましたし、僕たちの成長も体感できました。でも、今シーズンだけをみればちょっと時間が足りませんでした…。いろいろ試しながら戦ってきましたから、こうなることもリスクを背負ってやってきました。SUGOしか結果を残せなかったのがとても残念ですね」
・田中監督 コメント
「SCのリスクを避けてミニマムでピットへ入って逃げ切る作戦でした。でも、右京選手が走ってみてペースが上げられないと無線で伝えてきたので大湯選手もハードを選択しました。それでも思った順位を得られることはできませんでした。今年1年を振り返ると、シーズン前半はちょっと手間取りましたが、鈴鹿では作ってきた結果がきちんと出たと思っています。1年間かけて作ってきたタイヤが偶然ではなく必然で結果がでましたよね。これまでやってきたことを凝縮して、データを蓄積していけばもっとより良いタイヤができると信じています。とにかく1年間応援ありがとうございました」
・ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「状況はまだしっかり整理できていないのですが、低温条件が弱いのとピックアップに関しては完全に解決ができていないので、明日の燃料テストで再確認しようと思っています。今シーズンは結果としてはついてきていませんが、良いところもありました。もちろん課題となる部分も多く、これをしっかり潰していくことが来年につながると信じています。勝てそうで勝てなかったときもあったので、2023年はしっかりと各レースで優勝争いを演じられるようなスペックのタイヤを開発してチームをサポートしていきたいと思います」
・ダンロップタイヤモータースポーツ部長/竹内二郎
「タイヤの開発は進んだ1年でしたが、結果が伴わないシリーズとなってしまいました。何度か優勝できるチャンスもあったと思うので悔しさも残ります。2023年はゴムのタフネスさを見直さなくてはいけないと思っています。もちろんタイヤのコンストラクションやプロファイルも含めて、もっと地面をしっかりと掴まえるタイヤを作ってきたいと思います。1年間、ダンロップタイヤを装着する2台のNSX-GTに熱いご声援を頂きありがとうございました。引き続き皆さんの応援を頂けますようお願い申し上げます」