更新日: 2023.02.28 12:56
ダンロップ 2022スーパーGT第8戦もてぎ 決勝レポート
ドライバーズチャンピオン争いに5名のドライバーを残しているダンロップタイヤ。ここまでサクセスウェイトに苦しんできた61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの2名が2.5ポイント差で、10号車TANAX GAINER GT-Rの大草りき選手が6ポイント差で56号車を追いかけます。しかしその61号車は前日の予選でリアセグメントを大破するクラッシュ。朝4時までかけてメカニックが懸命な作業を続け、なんとかグリッドへと送り出すことができました。
そんな緊迫した条件の中、スタートを切ったGT300クラス。オープニングラップで細かい入れ替えこそあったもののシリーズに影響を及ぼす順位変動はなくレースは進みます。しかし、その中でチャンピオンシップを争う61号車のペースがあがりません。ストレートでのトップスピードが著しく遅く、後続車に続々と抜かれてしまいます。レースが大きく動いたのは8周目でした。3コーナーでスピンした車両に後続車が次々と接触。ここでFCYが宣言されます。しかし、事態の収束に時間がかかりそうだと判断した主催者はSCを導入します。さらに、このSC中の隊列の組みなおしの際にストレート上でさらに大規模なクラッシュが発生。このデブリの回収と路面に撒かれてしまったオイルの撤去に手間取り、レースが再開までに12周を要してしまいます。
20周目にレースが再開すると、ピットウィンドが開いた21周目に続々とマシンがピットインしてきます。まずは61号車が入りドライバー交代を行いコースへと復帰します。そして10号車は24周目にピットへ。大草選手から富田竜一郎選手へとマシンを託します。全車ピット作業を終了すると、この時点で10号車は3位へ浮上。ランキングトップの56号車はこの時点で10号車の背後となる4番手に。このままだと大草選手はチャンピオンをとることはできません。
しかし、42周目に56号車がまさかのコースオフ。その後フロントタイヤが外れてしまいポイント圏外へとドロップダウンしてしまいます。これで一気にチャンピオンの可能性が出てきた10号車。しかし、前を行く52号車を抜くのに手間取ってしまい、タイヤの温度が徐々に低下。その結果内圧も下がり、グリップダウンを余儀なくされてしまいます。さらにドライバーの富田選手からは「タイヤの摩耗が激しい」との悲痛な無線。前を抜くのではなく、守りの走りに切り替えた富田選手は徹底したブロックラインで順位を守りに入ります。しかし、ストレートスピードでGT-Rを上回るランボルギーニが富田選手をオーバーテイク。あとひとつ順位を落とすと逆転に必要な7ポイントを失ってしまう最終ラップ。懸命に後ろから迫りくる88号車をブロックします。しっかりとインを死守して飛び込んだファイナルラップの1コーナー。しかし、続く2コーナーで88号車はアウトから一気に10号車に並びかけます。このアタックを阻止できず富田選手はポジションダウン。最終ラップで大草選手のルーキーイヤーでの初タイトルの夢は惜しくも達成できませんでした。
ダンロップタイヤ装着車による2年連続のタイトル奪取は叶いませんでしたが、全てのチーム、全てのドライバーが全力で挑んだシーズンでした。2023年はタイトル奪還に向け、さらなるタイヤ開発に勤しんで参ります。1年間応援を頂いた皆様に感謝し、2023年も引き続き強いタイヤを持ってSUPER GTを盛り上げることをお約束いたします。応援ありがとうございました。
<GT300クラス 結果>
優勝 #55 ARTA NSX GT3 BS
2位 #87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 BS
3位 #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT BS #65 LEON PYRAMID AMG BS
4位 #18 UPGARAGE NSX GT3 YH
5位 #88 Weibo Primez ランボルギーニ GT3 YH
6位 #96 K-tunes RC F GT3 DUNLOP
8位 #10 TANAX GAINER GT-R DUNLOP
11位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT DUNLOP
14位 #11 GAINER TANAX GT-R DUNLOP
20 位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT DUNLOP
21位 #20 シェイドレーシング GR86 GT DUNLOP
詳しい結果はこちら:
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/40215
GT300クラス/8位 10号車 TANAX GAINER GT-R
・富田竜一郎選手 コメント
「戦略的にもチームの作ってくれたクルマも、今週ダンロップタイヤさんが持ち込んでくれたタイヤも100%使い切ったレースでした。これ以上何かできたか?と言われても、何ができたか分からないくらい出し尽くした感じですね。正直、残り12周辺りでほとんどタイヤは使い切ってしまったので防戦一方のレースでした、そういう意味では100点でもないし、50点でもない…。本当にレースではちょっとだけ何かが足りなかったですね。でも、1年間良い戦いができたのはダンロップタイヤのおかげだったと思っているので感謝しています。大草選手の成長も感じられたシーズンでした。そして皆さんの応援が嬉しいシーズンでした。本当にありがとうございました」
・大草りき選手 コメント
「おつかれさまでした。悔しさもありますが、僕も富田選手もチームも100%のレースをして負けてしまったので、来年頑張ろうという気持ちですね。きょうのレースは波乱がいろいろあったんですが、第1スティントで後半タイムを落とさず帰ってこれたことは自分自身の成長を感じられたレースでもありました。最終戦に富田選手が帰ってきてくれて、心の支えにもなりました。最終戦はふたりで意見を言い合って、より良いマシン作りもできたと思います。最後の富田選手のスティントは見ていて感動しました。最後まであきらめないレーシングドライバーとしての姿勢は見習わなくてはいけないと思いましたね」
・ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「悔しいレースでしたね。決勝序盤に関しては予選の通りだったんですが、後半スティントに入って52号車に追いつて燃費走行をしたときに、そこでタイヤ温度や内圧も下がってしまいペースが上げられなくなってしまいました。終盤にバトルになってしまい、タイヤの摩耗も進んでしまい、非常に厳しいレースとなってしまいました。予選がしっかり走れていればまた違った結果になっていたと思いますがとても残念です。タイヤの実力もあるかもしれませんが、しっかりとデータを見直してしっかり修正して来年に臨みたいと思います。来年こそはチャンピオンをしっかり取り切れるタイヤを用意したいと思います」
ダンロップタイヤモータースポーツ部長/竹内二郎
「今年はJAF-GT用のタイヤと、GT3用のタイヤをそれぞれに開発してきて、しっかりとしたものが作れたと自負しています。しっかりと勝負できるタイヤを用意できたのではないかと思っています。2023年は今年失ったチャンピオンをしっかりと取り返しにいけるよう、さらなる開発を進めて、準備していきたいと思います。皆さんの応援を引き続きいただけますよう、よろしくお願い申し上げます」
メディア情報
今年1年間、応援ありがとうございました。来年も引き続きダンロップタイヤ装着車両へ熱い応援をよろしくお願いいたします。ダンロップモータースポーツ公式ホームページでもレースレポートをご覧頂けます。
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