テール・トゥ・ノーズの戦いは数周にわたったが、土屋が巧みに要所を抑え首位を死守。前をこじ開けられない黒澤は31周目にピットインし、アンダーカットの作戦に出た。土屋も翌周にピットに入ると、燃費の良さを活かしてAMGよりも10秒近く作業時間を縮めてアンダーカットを阻止したかに思われたが、土屋からバトンを引き継いだ松井孝允のアウトラップで、LEON AMGの蒲生尚弥が猛追。アトウッドで蒲生が松井を捕らえ、順位を逆転。暫定首位に浮上した。

GT300の全車がピット作業を済ませると、トップはLEON AMG。その後ろに続いたのは、43周目にVivaC 86をとらえた初音ミク AMGだった。VivaC 86は、その後もStudie M6、GAINER TANAX AMG GT3に先行を許す形でじりじりと後退。最終的には6位でチェッカーを受けている。
地元岡山県倉敷市出身の蒲生は地元の声援を受けて快走。一時は2番手との差を16秒まで広げると、最後までノーミスを貫いてトップチェッカー。嬉しいGT初優勝を遂げた。また、チームにとっても待望の初勝利を手にすることとなった。2番手には初音ミク AMGが入り、AMGが1-2フィニッシュ。3位以下にはStudie BMW、GAINER TANAX AMG、JMS LMcorsa フェラーリと、新型FIA-GT3マシンがトップ5を独占している。
(Text:Satomi Asami)