更新日: 2023.04.15 23:09
LMcorsa 2023スーパーGT第1戦岡山 予選レポート
S-GT2023 rd1 Okayama QF
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT
難しいウエットコンディションとなったスーパーGTの開幕戦は
雨量とマシンの状態が合わずに惜しくも予選Q2への進出を逃す
決勝レースは19番手からのスタートだが、懸命に戦いポイント圏内を目指す
2020年からコロナ禍の3シーズンを過ごしてきたが、今季は観戦の制限も一切なくなり以前と変わらないスーパーGTがサーキットに戻ってくることになる。
『AUTOBACS SUPER GT 2023 SERIES』の公式スケジュールの幕開けとなったのは、3月11〜12日に岡山国際サーキット、25〜26日に富士スピードウェイで実施された公式テストで、シリーズ参戦する42台のマシンが開幕戦に向けてそれぞれの想定したメニューを消化していった。
GR Supra GTを使用し3シーズン目となるLMcorsaは、シーズンオフから積極的にマシンの改良を進めてきた。GT300規定によって製作されているGR Supra GTは、レギュレーションに合致していればマシンごとに手を入れることが許されている。大阪トヨペットグループが母体となるLMcorsaは、マシンを改良して開発し続けることが会社のノウハウになると考えていて、積極的にパーツのアップデートを実施している。
新しいシーズンに向けてフロントバンパーやディフューザーなどのパーツを中心に新設計の部品が組み込まれ、2回のテストでは昨シーズンよりもマシンバランスが向上しているとの評価を得ている。昨シーズンは、走り出しの公式練習で出遅れることがあり、予選と決勝に向けてアジャストはしたもののマシンのポテンシャルを発揮できないこともあった。そのためマシンバランスや素性を引き上げることがオフシーズンのテーマとなっていて、その結果がテストでは現われていた。
2回の公式テストを経て開催された開幕戦の『SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE』は、4月15日(土)に公式練習と予選、16日(日)に決勝レースが実施されるスケジュールとなっている。
15日の9時10分から始まった公式練習はあいにくのウエットコンディションとなる。天気予報よりも雨量が多く、コース上のいたるところに水溜まりができている状況だった。Syntium LMcorsa GR Supra GTには今季も第1ドライバーを務める吉本大樹選手が乗り込み、まずはマシンのチェックを行なう。
6周目にピットに戻るとウエットコンディションに合わせたセットアップを探っていくが雨量は増していき、開始から30分が経過したところでGT500クラスのマシンがクラッシュを喫しセッションは中断となる。
10時10分に公式練習は再開され、このタイミングから河野駿佑選手がステアリングを握った。雨は止むことなく降り続け、結果として10時30分過ぎにコースコンディションの悪化により公式練習は中止となった。
<気象データ>
気温:13℃、路面温度:14℃(公式練習開始時)
<予選>
併催レースの予選やピットウォークなどを挟んで実施された予選Q1は、本来ならそれぞれ10分で競われるが、引き続き雨が降っていることやタイヤのウォームアップを考慮して5分延長した15分間となった。
今季もGT300クラスの予選Q1は27台のマシンが2つのグループに振り分けられ、上位8台ずつが予選Q2へ進出しポールポジションを目指すことになる。LMcorsaはB組で出走することになった。予定通りの14時からスタートしたA組は走行途中で雨量が増えたために残り6分の状況で赤旗が提示され、そのまま予選Q1が終了となった。
LMcorsaが振り分けられたB組の予選Q1は、予定では14時23分からの15分間だったが、コースコンディションが悪化していたため10分のディレイとなる14時33分にスタート。Syntium LMcorsa GR Supra GTには吉本選手が乗り込み、序盤からハイペースで周回していく。
計測2周目には2番手のタイムをマークすると周回ごとにタイムを更新し、残り5分の状況ではトップ3内に入っていて予選Q2への進出が確実視された。だが雨が止んだいったことと多くのマシンが周回を重ねたことで路面の水膜がはけていく。
ヘビーウエットではパフォーマンスを発揮していたタイヤだが、水量が減っていくとライバル勢がタイムを伸ばしていく。吉本選手は最後までタイムを更新していったが、15分間の予選の最後に多くのマシンがベストタイムを記録。結果として、吉本選手は1分40秒540をマークしていたものの0.13秒差で予選Q2への進出を逃すこととなった。
昨シーズンよりもマシンのバランスが改善したことでパフォーマンスは上がっているものの、ウエットコンディションでは本領を発揮できず予選を19位で終えることとなった。決勝レースは中団からの追い上げを図ることになるが、ポイント圏内でのフィニッシュを目指して懸命に戦うことになる。
以下コメント
<飯田章監督>
「もう少し上の順位から決勝レースのスタートを想定していたので、残念な結果となってしまいました。予選Q1の途中まではQ2へ進出できるとチームも思っていたはずなので、なおさら悔やまれます」
「午前中の公式練習から雨量が多く難しいコンディションになることは分かっていましたが、天候が見方になることはありませんでした。決勝レースのスタートは19番手となり追い上げるのは難しいですが、ポイント圏内を目指したいです」
<吉本大樹選手>
「公式練習は予選よりも雨量が多くコース上も水が溜まっている状況でした。その中ではタイヤのウォームアップも悪くありませんでした。予選はQ1を担当し、スタート直後の雨が降り続けるなかでは良い感触で走れQ2への進出も見えていました」
「ただ、マシンが走り続けることでコース上の水がはけていき、他社のタイヤを履くマシンが有利な状況となりました。予選時間が延長されたことも逆効果で、運が味方しませんでした」
<河野駿佑選手>
「公式練習は赤旗中断後に乗ったのですが雨量が増していく中での走行で、とてもセットアップを煮詰めていけるコンディションではありませんでした。予選Q1は吉本選手が担当されたのですが、徐々にコース上の水がはけていって最後はライバル勢に遅れをとることとなり、厳しい状況だったと思います」
「開幕戦はドライコンディションで戦いたかったのですが、明日の決勝レースも天候が不安定なようで、コンディションがマシンの特性に合うことを期待したいです」