更新日: 2023.04.16 23:58
muta Racing INGING 2023スーパーGT第1戦岡山 決勝レポート
SUPER GT
第1戦
OKAYAMA GT 300KM RACE
岡山国際サーキット
予選:4月16日
天候:曇り〜雨
コース状況:ドライ~ウェット
決勝:18位
2023年スーパーGTシリーズ開幕戦は、4月16日に岡山国際サーキットで決勝レースが行われた。前日とは異なり晴れたこともあり、朝早くから開幕を待ちわびた熱心なファンや家族連れ1万4,500人がサーキットに詰めかけた。
ドライバー紹介の後には航空自衛隊F-15戦闘機2機によるウェルカムフライトも行われテンションが高まった。しかし岡山県警のパトカー先導でパレードラップが始まった頃から雨がポツポツと落ちて来て、やがて天候は大きく変化し予想ができないような展開となった。
開幕戦300kmのレースは気温19℃、路面温度30℃の13時35分にスタート。パレードラップの時点で雨がポツポツ落ちて来たが、雨粒は小さく全車スリックタイヤのままスタートした。
muta Racing GR86 GTのステアリングを握るのは堤で、序盤はトップの車両から離されることなく、また3番手にも距離を置いて走ることができた。5周目に入りGT500車両がGT300車両をラップ遅れにしながら混雑して来たが、大きな混乱もなく進行。やがて8周目あたりからワイパーを動かす車両が現れて来た。
このあたりから堤とトップとの差が広がり始め、3番手にも追いつかれる展開に。それでも10周を過ぎると再び3番手との差を広げていった。雨量が一気に増えた14周で堤はピットインしてレインタイヤに交換。その作業中にコースアウトした車両があり、フルコースイエロー(FCY)からセーフティカー(SC)が導入されることになった。
しかし堤がレインタイヤでコースに戻ると、前方にはスリックタイヤのままでゆっくりと走行する車両があり、これを抜くわけにもいかない状態になった。隊列を組み直しピットレーンがオープンになると、多くの車両がタイヤ交換のためにピットイン。しかし堤は隊列の後ろにいたこともあり、作業を終えてピットアウトした上位陣の後方、3番手に順位を落とすことになってしまった。
21周目にリスタートすると、前方には52号車GRスープラがおり、堤はこの後ろにピタリとつけて2番手を狙った。しかしこれを追い抜くまでには至らず、逆に28周目にはラップタイムが落ちて1秒以上の差がつくことになった。さらにタイヤの内圧が上がりペースは落ちていき、35周目には6番手まで順位を落とすことになった。
上位陣がドライバー交代のためにピットインをすると、堤は暫定的に40周目に2番手まで順位を上げ、41周でピットイン。多くの車両がピットインして混乱する中、交代した平良は8番手まで順位を落とし、タイヤが温まるまで9番手となった。
また雨がポツポツと落ちて来た48周目に6番手を争っていた2台の車両がコースアウト。これで平良は難なく7番手へ順位を上げた。直後にFCYが出されSC導入。隊列を整えたがコースアウトした車両の回収作業のために15時15分に赤旗が提示されレースは中断となった。
20分後、弱い雨の中レースはSC先導でリスタートするが、雨は再び強くなった。SCランが続く56周目、アトウッドで平良の車両から左リヤホイールが脱落。平良はやむなくマシンをコースサイドに止め、レースを終えることになってしまった。原因は左リヤのハブが折れたためだった。
次の第2戦は5月3~4日に富士スピードウェイにおいて450kmレースとして開催予定。
堤優威
「レース序盤は、ウォームアップの時の調子からすると集団に飲み込まれるなと予想していたのですが、レースが始まってしまうと結構前についていけて後続とも距離を離せました」
「レインタイヤに替えるタイミングは良かったんですが、SCの時に前のクルマが遅過ぎて残念な状況になったり、レインの走行も最初は速かったんですが、後半の乾いて来た時に内圧がとんでもないことになってしまいました」
「スリックタイヤに替えるという判断も早くできれば良かったのですが、今回の持ち込んだタイヤではこの状況で使えるものはなかったので、ピットインのタイミングを遅らせて交代しました。次頑張ります」
平良響
「天候が激しく変わるレースで本当にチームの柔軟性が大事なレースになりました。そのあたりはドライバーもエンジニアさんも含めて戦略もいい感じだったのですが、どうしても不運なことがあって、なかなか良い流れに乗ることができませんでした」
「ピットに入ってくるタイミングでは、大混雑、大混乱があり、順位が上がったり下がったりしました。今後もこのような展開になるレースはあると思うので、今回の反省と良いところや悪いところを出して、みんなで頑張っていきたいです。最後に止まってしまったのは仕方がありません。残念ですが、富士で頑張りたいです」
加藤寛規監督
「すごく荒れた展開になったレースだったんですが、ちょっと予想外のクルマに邪魔されてしまいました。SCが入っている時にスリックタイヤで前について行けないクルマがいてトップから大きく離れてしまうことになりました」
「最終的にはハブが折れてしまい非常に残念な結果になりました。ただこれもレースです。今回のレースをやってポジティブな部分もあったので、次の富士に向けてまたみんなで仕切り直したいですね。こんな天気にもかかわらずサーキットに来てくださったファンの皆さんには本当に頭が下がります。ありがとうございました!」