更新日: 2023.05.04 01:28
LMcorsa 2023スーパーGT第2戦富士 予選レポート
S-GT2023 rd2 FSW QF
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT
ドライコンディションでの走行データが不足するなかでもマシンの持つパフォーマンスをチームとドライバーが引き出し、予選Q1を河野選手が突破すると、予選Q2で吉本選手が11番手を獲得
4月15〜16日に岡山国際サーキットで開幕した『AUTOBACS SUPER GT 2023 SERIES』。コロナ禍の出口が見え観戦の規制がなくなったが、海外での大会は不確定な要素があるため今季も8戦が国内の6サーキットで開催される。
スーパーGTの決勝レースは、通常のラウンドでは300kmの走行距離となっているが、一部のラウンドではレースの見どころを増やすことなどで延長してきた。過去には鈴鹿サーキットでの1000kmや、富士スピードウェイでの500マイル(約800km)などの長距離レースが行われてきたが、昨年からは450kmという通常の1.5倍になる走行距離が設定された。昨シーズンは、富士スピードウェイと鈴鹿サーキットの計3戦で450kmレースが実施されたが、今季はこのフォーマットが8戦中5戦で用いられる。
450kmの決勝レースは2回の給油が義務付けられているため、最低でも2回のピットストップが必要で、3スティントに別けられる。昨シーズンから始まった450kmのフォーマットが、今季のシリーズチャンピオン争いにどのような影響を与えるのか注目したい。
さて、約2週間前の開幕戦は公式練習から荒天で、決勝レースも最終的には赤旗で終了し予定されていた周回数を消化することができなかった。LMcorsaはコンディションに翻弄されて予選では19番手となったが、決勝レースはピット戦略やチーム力によって8位まで順位を上げて初戦でポイントを獲得した。
第2戦の富士スピードウェイはGR Supra GTを投入した2021年シーズンに2勝を挙げた験の良いサーキットなので、連続入賞を目指すことなる。
ゴールデンウイークに開催されることが恒例となっているスーパーGT第2戦の『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE』は、5月3日(水)に公式練習と予選、4日(木)に決勝レースが実施されるスケジュールとなっている。
3日は朝から快晴でサーキットから富士山の全景がしっかりと見えていた。9時5分から始まった公式練習は、まず吉本大樹選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込む。持ち込みのセットアップやタイヤを確認すると徐々にタイムを更新していき、タイム掲示モニターの10番手前後に表示される。公式練習のスタートから50分が経過したところで、河野駿佑選手にバトンタッチし、決勝レースを想定したメニューを実施。最終的なリザルトは、吉本選手がマークした1分36秒890がベストタイムで、GT300クラスの26台中17番手となった。
予選
気象データ 気温:20度、路面温度:32度(予選Q1時)
公式練習のあとにはFCY(フルコースイエロー)の訓練やサーキットサファリが実施され、ここでもセットアップを調整しながら予選へ挑んだ。
午後になると富士スピードウェイは風が強まり天気は快晴だったが、気温と路面温度はそれほど上がらなかった。今季もGT300クラスの予選は2組に振り分けられていて、LMcorsaはBグループでの出走となる。
予選Q1を担当したのは河野選手で、計測4周目からアタックを始める。高速コーナーが続くセクター2では、その時点でのベストタイムを記録すると1分35秒849をマーク。翌周もアタックを続けるが1分35秒992とタイムアップを果たせなかった。
ただ、ライバル勢もタイムを更新していくなかで、河野選手は最終周となる計測6周目もアタックを続行する。タイヤのグリップはピークを超していたというが、1分35秒788とわずかにベストタイムを塗り替える。強豪がそろったBグループだったが、河野選手は6番手で予選Q2への進出を決めた。
GT500クラスの予選Q1を挟んで実施されたGT300クラスの予選Q2は、A組とB組のトップ8が出走しポールポジションを争った。予選Q2を任された吉本選手は、河野選手よりもウォームアップを入念に行い、計測5周目にアタックする。全セクターをミスなくまとめると1分35秒716をマーク。翌周もアタックを続けたが1分35秒752とタイムを更新することはできなかったが、予選Q1とほぼ同等のタイムを記録することとなった。
結果として予選Q2は11位となり、明日の決勝レースは11番グリッドからのスタートとなる。決勝レースは、450kmの長丁場でピット戦略や作業も重要となる。優れたチームワークが特徴のひとつでもあるLMcorsaは、11番手から追い上げを図り上位進出が期待される。
飯田章監督
「3月に行われた富士スピードウェイの公式テストはずっとウエットコンディションだったので、いきなりドライでのレースがどのようになるのか不安でもありました。ただ。公式練習から良い感触があり、マシンの進化を感じ取れていました。予選はふたりのドライバーが頑張ってくれ、マシンの実力を引き出してくれたと思います。決勝レースは450kmと長いので、ミスなく状況に合わせて臨機応変に戦略を考えて上位に入っていきたいです」
吉本大樹選手
「開幕戦も富士スピードウェイの公式テストもウエットコンディションだったため、マシンとタイヤがドライでどのような特性を示すのか理解し切れていません。それでも持ち込んだセットアップやタイヤが良いパフォーマンスを発揮していて、公式練習から順調にメニューを消化できました。予選はQ2を担当し、欲を言えばもう少し上のグリッドからスタートしたかったですが、持っているものは出し切れたと思います。決勝レースは長丁場なので、ミスなく走り切って、2年前のような結果を残せればと思います」
河野駿佑選手
「公式練習でマークしたベストタイムは良くなかったですが、内容としては持ち込みのセットアップやタイヤが機能していました。ロングランというほどは走り込めませんでしたが、決勝レースを想定するようなメニューも消化できています。予選は強力なライバルがそろったQ1のBグループで出走したのですが、予選前のアジャストも効果があってQ2へ繋げることができました。タイムは僅差だったので、役割が果たせてホッとしています。決勝レースのペースも悪くないと思うので、ミスなくスティントをつないでいけば結果は出るはずです」