そんな松下が、いま、より現実的なステージとして見据えているのがインディカー・シリーズだという。
「なぜかというと、佐藤琢磨さんという偉大な先輩がいるからです」
実は松下、琢磨の活躍がF1ドライバーになろうとするきっかけのひとつだったという。
「琢磨さんも46歳です。それでも、今年はチップ・ガナッシから声がかかるほど、その実力が認められている。それも世界という大舞台で。僕にとっては、本当に憧れです」
今年は松下とインディカー・シリーズをつなぐ“意外な縁”にも恵まれたそうだ。
「スーパーフォーミュラのチームメイトであるラウル・ハイマンのエンジニアが、実はチーム・ペンスキーの人で、インディカーの経験も豊富だそうです。それで、いまそのエンジニアにインディカーのセッティングについて、いろいろと教えてもらっています」
いずれにせよ、本気でインディカー・シリーズを目指すなら『百聞は一見にしかず』を実践するしかない。「はい、そのつもりで、近々、インディカー・シリーズを視察したいと思っています」 。なんと、話はそこまで具体化しているのか!
もっとも、インディカー・シリーズ参戦の道を切り開くためにも是非やっておかなければならないのが、国内シリーズで戦績を残すことだと松下は考えている。
「GP2に行かせていただいたのは、全日本F3チャンピオンになったから。だから、まずはスーパーフォーミュラかスーパーGTでしっかりとした成績を残して『アイツがインディカーに行きたいというなら、しょうがない』という状況を作りたいと思っています」
将来の夢をかなえるためにも、松下の一層の奮起を期待したいところだ。
