Ryuji Hirano / AUTOSPORTweb

●悲しみを乗り越えたダブルポール

 オフに万端の準備をととのえ、1年目とは違う気持ちで迎えた開幕戦。川端とサクシードスポーツは早めに岡山に入るが、川端に祖母が亡くなったという予期せぬ報せが届く。急遽大阪に戻り、そこから再度岡山へ。川端は悲しみを乗り越えトレーニング走行、そして9日朝の公式予選に挑んだ。鍛えられた精神面の強さが発揮されたか、予選は赤旗が多く出るセッションとなったものの、タイミングをうまくつかみ、川端は第1戦、第2戦ともポールポジションを獲得する。

 そして、9日の第1戦の決勝レースを迎えた。ポールからスタートした川端はホールショットを決め、トップでオープニングラップを終える。2番手に続くのは、ホンダの大きな期待を受け、今季は全日本F3にも参戦する阪口晴南(HFDP/SRS/コチラレーシング)だ。

第1戦で阪口晴南を抑える川端伸太朗
第1戦で阪口晴南を抑える川端伸太朗

「序盤は自信があるんですが、後半『もう一歩』が出てこない」という川端は、強力なライバルである阪口に対してギャップを築きにかかるが、途中アトウッドでのクラッシュの影響でセーフティカーが導入されてしまう。

 フォーミュラの場合、リスタートでリードを保つことは非常に重要だ。「頭を使って少しでもリードを築こうと思った」川端はリスタートを決め、最後まで阪口をおさえこみ、トップでチェッカーを受けた。念願のFIA-F4初優勝だ。しかし、川端はチェッカーフラッグが良く見えていなかった。

「ゴールの瞬間、正直言うとあまり前見えていなかったんです。ファイナルラップの途中から涙が出てしまって。見えなくて『ホントにチェッカーかな』って(苦笑)」

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