ニッサンGT-R 2017年モデルにみる、モータースポーツ直系の空力デザイン
日産自動車は、4月1日に神奈川県横浜市のグローバル本社ギャラリーで、ニッサンGT-Rの2017年モデルを先行披露した。3月23日〜4月3日のニューヨークショーでの公開に合わせたイベントで、発売は今夏を予定している。そんなGT-Rは、モータースポーツからの直系とも言える数多くの空力フィードバックを得て開発されている。
ニッサンGT-R 17年モデルのハイライトのひとつはパワートレーンの進化で、エンジンの最高出力/最大トルクは15年モデルの545hp/463lb-ftから、17年モデルは565hp/467lb-ft(北米仕様)に向上している。出力が高くなれば要求される冷却性能も高くなり、たくさん空気が必要だ。だが、たくさん空気を入れると空力性能の悪化につながってしまう。
そこでGT-Rの空力開発チームは、空気抵抗を増やさずに冷却性能を最大化することに取り組んだ。GT-R 17年モデルは日産の最近のフロントマスクの共通意匠であるVモーショングリルを取り入れたのが特徴である。
そのVモーショングリルの外側も、ラジエター冷却用の空気取り入れ口として使用。「Vモーションでできる負圧(矢印の領域)を使って風を取り込んでいます」と空力開発担当者は説明してくれた。開口部面積は、15年モデルより大きくなっているという。
くだんの空力開発担当者は説明をつづける。「それだけだと空気抵抗は増えるので、ボンネットフード、バンパー、サイドシル、リヤバンパーなど、細部まで全面的に見直すことで、空気抵抗を増やさずに冷却性能を最大化させています。その方策のなかで、GT-R NISMO(2014年発売)のテクノロジーを基準車(すなわち17年モデル)に取り込んでいます」