更新日: 2023.08.07 19:48
muta Racing INGING 2023スーパーGT第4戦富士 決勝レポート
スーパーGT第4戦
FUJI GT 450km RACE
富士スピードウェイ
予選:8月6日
天候:雨
コース状況:ウエット
決勝:11位
2023年スーパーGTシリーズ第4戦は、富士スピードウェイにおいて450kmレースとして開催。夏休みということもあり3万200人のファンがサーキットに詰めかけた。決勝前と途中に降雨があり、決勝レースでも二度のSC(セーフティカー)導入、そして赤旗中断などレースは混乱した。22番グリッドからスタートした堤が序盤に大きく順位を上げると、後半は平良が粘りの走りを見せ、惜しくもポイント加算こそならなかったが、90kgと重い車両を11位へ導いた。
決勝前に行われたウォームアップ走行はハーフウエット路面で始まった。堤がコースインしてトップと0.885秒差の4番手タイムをマークしてピットイン。路面が乾いて来たことから平良に交代した際にはドライタイヤに交換すると、トップとは0.406秒差の1分40秒526で3番手と好タイムをマーク。決勝に向けて好感触を得ることができた。
グリッドウォークが行われている時間にも降雨があり、コースはハーフウエットとなったため、13時45分、SC先導により決勝レースはスタート。2周を完了しドライバーがコースのコンディションを確認した時点でグリーンランプが点灯してバトルが始まった。
スタートを担当したのは堤で、7周目までに17番手へ順位を上げた。コースが乾いて来たこともあり8周でピットインしてスリックタイヤに交換、ここで最初の給油も行った。このため一旦順位を大きく落としたが他の車両もタイヤ交換のためにピットインしたため、13周目には9番手へ順位を上げた。さらに堤は20周目に18号車NSXを抜き8番手となったが、30周目にはひとつ順位を落とした。
33周目に2コーナーを下った先で炎上して黒煙を上げて止まった車両があり、SCが導入。隊列を整え14分後の38周完了でリスタートすると、10位を走行していた堤は45周でピットインし平良に交代。ここでメカニックもミスなく給油とタイヤ交換を済ませ46秒でコースに送り出した。他の車両もピットインを済ませたことで、56周目には10番手まで順位を戻した。
62周目に13コーナーで火災を起こした車両があり、SC導入から消火のために赤旗が掲示され15時43分にレースは中断。この時点で順位は12位だったが、トップまでの距離は一気に詰まることとなった。
レース中断中に強い雨が降り出し、コースコンディション不良と悪天候のために、レース再開は16時30分となり、SC先導で67周完了の時点でバトルが再開された。平良は9番手まで順位を上げたが、6台による7番手争いのグループのなかでワンミスも許されない状態に。
75周目には8番手となり4台による7番手争いを展開した。やがてコース上の水も減り、スリックタイヤに交換する車両が出始めた。チームもタイヤ交換のタイミングを検討していたが、それまで1分50秒台だったラップタイムが85周目に一気に53秒台に落ちたことでタイヤ交換を決断。
平良は86周目にピットインしてスリックタイヤに交換し隊列へ戻ったが11番手へ順位を落とすことになった。そこからは目の前を走る52号車スープラを追いかけてトップ10入りを狙うが、わずかに0.845秒届かず11位でチェッカーとなった。ゴール後に4位ゴールした車両に対し40秒加算というペナルティが科されたが、0.211秒差で11位と順位に変更はなかった。次の第5戦は8月26〜27日に鈴鹿サーキットで450kmレースとして開催される予定。
堤優威
「序盤はコンディションとクルマとタイヤとすべてが合っていて、すごくいい感じで走れました。交代する前に詰まって抜かれましたが、90kgを積んでいるわりにはいい勝負ができました。後半はきついなかで平良選手が最後まで戦ってくれました。ポイントは取れませんでしたが、これより上に行くのは正直きついなという感じでした。予選順位から考えると仕方がありませんが、この順位は苦しいなかでもチーム全員で頑張った結果なので、やはり何とかポイントが獲れる方法はなかったか、そこをしっかり見直して次戦以降頑張ります」
平良響
「10位との差は僕のドライビングのなかで埋められたと思いますし、レースを終えた後にあそこが惜しかったなというところを思い出すと、本当に悔しいです。レース終盤はラップタイムが落ちたことでピットインしたのですが、ピットインした次の周はもっとタイムが落ちていたので、その前にピットインすべきだったと思います。チームのみんなも柔軟に動いてくれたおかげで最後まで戦うことができました。90kgというウエイトが載った状態のままなので次の鈴鹿もきついとは思いますが、クルマについてはそれを載せた状態でのセットアップもできていると思うので、頑張りたいと思います」
加藤寛規
「レース終盤にタイヤ交換をするかどうかというのは、ラップタイムを見て計算しながら考えていました。ラップタイムが(1分)50秒台のままで周回できていればそのままステイだったのですが、一気に53秒台に落ちたので入れて交換しました。それにしても本当に難しい判断でした。スタートの時のコンディションではうまくいったのですが、コースが乾いて来てからは、ちょっとうまくいかなかったですね。コンマ数秒の差でポイントを取ることができませんでしたが、やはり90kgというウエイトが効いているんだなと思います。そこを何とか次の鈴鹿では挽回します」