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投稿日: 2023.08.28 03:17
更新日: 2023.08.28 03:24

LMcorsa 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 決勝レポート


スーパーGT | LMcorsa 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 決勝レポート

S-GT2023 rd5 SUZUKA Final
LMcorsa REPORT
♯60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

6番手のスターティンググリッドから上位入賞を目指して3スティントを走ったものの
路面温度が高い状況でラップタイムが伸びず、ポイント圏内にあとわずかの12位でフィニッシュ

路面温度:33度、気温:50度(決勝レーススタート時)

 AUTOBACS SUPER GTは例年8月に、富士スピードウェイか鈴鹿サーキットでのレースが予定されていて、昨シーズンと今シーズンは8月に両サーキットで連戦が組まれている。真夏のレースはチームやドライバー、スタッフにとっても過酷で、連戦となるとその厳しさが当然増すことになる。

 8月5日~6日に富士スピードウェイで開催されたスーパーGT第4戦は、予選日こそ真夏日となったが、決勝日は激しい雨が降るタイミングもあり荒れた展開となった。しかし、第5戦の『SUZUKA GT 450km RACE』は8月26日(土)の公式練習と予選、27日(日)の決勝レースともに残暑の厳しいなかで実施された。

 LMcorsaが走らせるGR Supra GTは中高速のコーナーが多い鈴鹿サーキットとは相性が良いとされているが、公式練習では高い路面温度の影響なのか、マシンバランスを最適化することに苦慮した。それでも予選では、吉本大樹選手が予選Q1をグループ5番手で通過すると、予選Q2では河野駿佑選手がミスないアタックを披露し6番手のスターティンググリッドを得た。

 迎えた決勝レース日も厳しい暑さは変わらず、午前中に実施されたサポートレースの時点で気温は30度を超えていた。正午からは多くのファンが訪れたピットウォークが催され、その後は13時15分から決勝レース前の最終チェックとなるウォームアップが始まった。2人のドライバーは路面コンディションやSyntium LMcorsa GR Supra GTの状況を確認し長丁場となる決勝レースへの準備を整えた。

 今回の決勝レースも第4戦などと同様に450kmの距離で競うことになっていて、給油をともなう2回のピットストップが義務づけられている。加えて、最初のピットストップは5周目以降と決められていて、オープニングラップの直後にピット作業ができないルールとなっている。

 決勝レースは天候の荒れる心配もなく、予定通りの14時45分に三重県警察のパレードラップによってスタート。Syntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ吉本選手は、オープニングラップから先行するLexus RC F GT3追った。1回目のピット作業が可能となる5周目には、直前を走るRC F GT3を含めて4台のマシンがピットイン。翌周にも3台がピットインして、義務づけられた1回目の給油作業を終えていく。

 9周目にはGT300クラスのマシンがコースサイドに止ったため、FCY(フルコースイエロー)が導入される。翌周にはリスタートし、吉本選手は5番手から上位をうかがった。14周目には5番手のまま予定していた1回目のピット作業を行なうために、ピットレーンへと戻る。ドライバーは吉本選手のままで、4本のタイヤ交換と給油を行なってSyntium LMcorsa GR Supra GTはコースへと戻った。

 2スティント目は硬めのコンパウンドとなるタイヤを履き、1スティント目よりも周回数を稼ぐ戦略を採った。吉本選手は21番手でコースに復帰すると、17周目には走行しているGT300マシンの中でトップタイムをマークし周回していく。20周目には17番手、25周目には12番手までポジションを戻していくが、想定していたよりも早くタイヤのグリップダウンが始まる。

 30周を越えると加速力に勝るGT3マシンに抜かれはじめ、他車とのピットインのタイミングにより見た目としてのポジションは上がるが、実際には順位を落としてしまう。35周を過ぎるとさらにラップタイムが落ちるが、3スティント目の周回数を考えるとピットに呼び戻すことができない。結局、41周目にチームは吉本選手にピットインの指示を出し、河野選手にドライバーチェンジするとともに4本のタイヤ交換と給油を行なった。

 チームはミスなくSyntium LMcorsa GR Supra GTをコースに送り出したが15番手まで順位を下げていた。ただ、まだ2回目のピットストップを行なっていないマシンもあったため45周目には14番手、47周目に13番手、翌周に12番手まで浮上しポイント圏内まであと一歩に迫る。

 残りは20周ほどあったため追い上げが期待されたが、ポイント圏内のマシンを追い詰めるほどのペースで走ることができない。先行していたマシンとのギャップは詰まったものの逆転はできず、70周目に12位でチェッカーを受けた。

 6番手から上位を狙ったものの想定外のペースダウンによりポイント圏外でのフィニッシュとなってしまった。得意としていた鈴鹿サーキットだったので残念な結果となったが、次戦のスポーツランドSUGOも相性が良いため上位でのチェッカーを期待したい。

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

●以下コメント
<飯田章監督>

「前回の富士スピードウェイの走りを考えると、鈴鹿サーキットでも通用すると思っていたのですが、厳しい内容とリザルトになりました。予選のように1周を単独で走るとGR Supra GTのパフォーマンスを発揮できるのですが、集団で走行するレースだとネガティブなところが現われてしまいます。チームは最善を尽くして戦略を立て、ピット作業などを行なってくれました。課題としてはピット戦略の幅が狭いことと、決勝レースにおけるスピードになります。シーズンは残り少なくなってしまいましたが、第6戦以降も全力を尽くしたいと思っています」

<吉本大樹選手>

「決勝レースはスタートを担当したのですが走り始めたときのペースは良く、単独ならば想定以上の走りができて手応えはありました。その後、戦略通りの14周目にピットに入り、初めて使用したタイヤを履き2スティント目に入りました。最初の数周はそこそこのペースで走れたのですが、想定よりも早くラップタイムの落ち込みがあり、最後はベストタイムよりも5秒ほど遅いタイムとなってしまいます。今回は、このニュータイヤを使うとチームで決めていたので仕方ないですが、ドライバーもピット作業もミスなく走った結果のポイント圏外なので残念です」

<河野駿佑選手>

スタートが6番手だったので、12位という結果は率直に言って悔しいし、残念でした。前半の2スティントを吉本選手に担当してもらったのですが、2スティント目の中盤からタイムの落ち込みが酷くなりました。私の3スティント目も同じタイヤを履く状況だったので、吉本選手のアドバイスを参考にして走りました。ほとんどバトルがなく単独走行だったのでそれなりのペースで走れましたが、最後はやはり苦しくなりました。ピット作業もチームワークも悪くなかったので、今回は単純にラップタイムが問題だったと感じています」


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