27日(日)も朝から好天に恵まれ、14時45分、気温33度、路面温度50度と変わらぬ猛暑の中で、三重県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て77周で競われる決勝レースがスタートしました。
序盤、5番手スタートの38号車を含め、上位勢は順位変動のない展開となりました。一方、後方から追い上げることとなった他のTGR勢は、1周目に11番手スタートの14号車山下が1台かわして10番手、12番手スタートの39号車関口も1台かわすなど、着実な追い上げを開始しました。
今大会は450kmレースのため、2回の給油ピットインが義務づけられており、ピットインが許可される、首位が5周目を終えたところから各チームは様々なピット戦略を採りました。TGR勢はややピットを引っ張る戦略を採り、他車のピットインで8番手に上がった14号車山下は、前を行く4番手争いのグループに追いつき、更なる上位浮上を目指しました。
10周目にはGT300クラスの車両がタイヤ脱落のアクシデントでストップ。レースはフルコースイエロー(全車80km/hに制限)が出されると、運良くこのタイミングでピットに入れた車両がある中、TGR勢は全車そのまま走行を継続。FCY解除後、5番手を走行していた立川が駆る38号車は15周目の1コーナーでアウト側から見事なパッシングを見せ4番手へと浮上しました。
追い上げを見せていた14号車は17周終了でピットへ向かい、大嶋へとドライバーチェンジ。さらに他の車両もピットへ向かい、2番手へと順位を上げた38号車立川は、ハイペースで周回を重ね、首位との差をじりじりと詰めていきました。
27周を終えたところで、38号車を含むその時点での上位3台が一斉にピットイン。38号車は立川から石浦へとドライバー交代しました。29周を終えて、宮田の36号車がピットインし、坪井へとドライバー交代。これで全車が1度目のピットを終え、12番手スタートから関口が追い上げを見せた39号車が4番手、14号車が5番手、37号車が8番手、38号車は10番手につけました。
TGR勢最上位へ浮上した関口の39号車は、前を行くNiterra MOTUL Z 3号車との激しい3番手争いを展開。32周目の1コーナーでアウトからかわし、3番手へ浮上。この後につけていた大嶋の14号車も続いて3号車との激しいバトルを展開し、4番手へとポジションを上げました。
レースは後半に入り、各車2度目のピットへ。全車が2度目のピットを終えた時点で、39号車が3番手、その後に5番手の38号車、6番手の14号車まで4台が連なり、激しい表彰台争いとなりました。
57周目のシケイン進入で14号車山下は38号車石浦をパスして5番手に浮上。勢いに乗る山下は翌周にはAstemo NSX-GT 17号車もかわして、4番手へ順位を上げると、後半は逃げる中山の39号車を、山下の14号車が追い、表彰台争いのバトルが続くこととなりました。
GT300クラスの周回遅れ車両をかいくぐりながらのこのバトルは最後まで続きましたが、39号車中山は14号車山下の猛追を凌ぎ切り、3位でチェッカー。レース後、2位の車両が失格となったため、39号車は2位という結果になりました。11番手スタートの14号車は3位となり、39号車とともに今季初表彰台を獲得しました。38号車は6位。終盤、19号車、36号車、37号車の3台のGRスープラによるバトルは、逃げ切った阪口の19号車が9位、坪井の36号車が10位でポイント獲得を果たしました。

GT300クラスでは、最前列2番手からスタートした新田の96号車がじりじりと順位を落とす展開に。5番手スタートの50号車フラガと、14番手スタートの2号車堤は、5周を終えてピットへ向かう作戦に出ると、2号車は素早いピットで、ピットを終えた車両の先頭に躍り出ました。
翌周には、20番手、21番手と後方スタートを強いられた小高一斗の31号車と川合孝汰の52号車がピットへ向かいました。
レースが3分の1ほどを終え、ピットインしていないのは1台を残すのみの状況で、2号車が実質の首位、そこにフラガから古谷に変わった50号車、根本悠生へと交代した31号車と続く形となりました。
37周目を終えたところで、首位を行く2号車が2度目のピットイン。平良へとドライバーチェンジ。その後、他車も次々と2度目のピットに向かいましたが、コース上でタイヤが外れるというアクシデントに見舞われた車両があり、2度目のFCYが導入。幸運にもこのタイミングでピットインしていた車両が上位へと浮上し、2号車は実質3番手へと順位を落とすこととなりました。
その後、2号車はコースオフを喫して順位を落とすこととなり、これをかわした31号車がTGR/LEXUS勢で最上位となる6位でフィニッシュ。2号車が7位、96号車が8位。50号車は10位でチェッカーを受け、初のポイント獲得を果たしました。
■コメント
●関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
「今日は12番手グリッドからしっかり追い上げて、表彰台を獲得できました。自分はスタートと真ん中のスティントを担当しましたが、最初のスティントはあまりペースが良くなかったので、どちらかというと早めのピットインを選択して、違う種類のタイヤに履き替えたところ、それが今のクルマとすごくマッチして追い上げることができました」
「後半は、中山選手に変わってから、GT300クラス車両の巡り合わせが悪かったりして、後ろ4、5台くらいに迫られることになりましたが、そこを中山選手がしっかり押さえてくれて、3位になれて、今日の結果には満足しています」
●中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
「今シーズンここまであまり結果が残ってないなかで、昨日の予選も12番手と結構悔しい結果だったんですが。今日は寿一さん(脇阪監督)の作戦と、関口選手の力強い走りで3番手まで上がって、僕がバトンを受けとってからも、そのポジションはなんとか死守しようと思いながら走りました」
「本当に皆さんの応援で最後3位でなんとかゴールすることができました。シーズンはまだ残り3戦あり、まだまだ巻き返せると思うので、強い気持ちで戦っていきたいと思います」
※コメント後、2位の車両が失格となり、39号車は2位に繰り上がりました。